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IAD・褥瘡予防に高機能尿とりパッドの可能性
第28回日本褥瘡学会学術集会(大会長:石塚美保子奈良県立医大医学部教授)が9月4日〜5日に奈良市内で開催された。4日のランチョンセミナー「変わりゆく新発想の排泄ケア〜質の高いスキンケアと簡単・時短・継続性の両立を目指す〜」(協賛:ユニ・チャーム)では、水島協同病院(岡山県倉敷市)の皮膚・排泄ケア認定看護師・平良亮介氏がIAD(失禁関連皮膚炎)と褥瘡の発生要因の解説、および高機能パッド等を用いた排泄ケアの症例を報告した。
水島協同病院は急性期・慢性期のケアミックス型。いわゆる「持ち込み褥瘡」が多く、入院患者における褥瘡保有率は昨年度が9.98%と全国平均の5倍ある。一方、褥瘡発生率は2020年の1.54%から昨年度0.57%(発生34件)へ改善。平良氏は①エアマットの個別選定(レンタル化)②ノーリフトケア③IAD対策――を要因に挙げた。
②に関してはノーリフトケア委員会を運営。スタンディングリフト2台のほか、排泄介助や体位変換にスライディングシート等を用いる。「ズレや摩擦を回避でき、褥瘡予防に有効です」と同氏。慢性期病棟(60床)は9割以上が寝たきりだが、おむつ交換による腰痛の休職者もここ1〜2年は発生していない。
②に関してはノーリフトケア委員会を運営。スタンディングリフト2台のほか、排泄介助や体位変換にスライディングシート等を用いる。「ズレや摩擦を回避でき、褥瘡予防に有効です」と同氏。慢性期病棟(60床)は9割以上が寝たきりだが、おむつ交換による腰痛の休職者もここ1〜2年は発生していない。
平良氏
平良氏はIADの原因として、皮膚への排泄物付着がバリア機能を破綻させるメカニズムを解説。IADで脆弱化した皮膚が摩擦やズレの影響を受けると褥瘡発症・悪化のリスクを高めるとした。
続いて同氏は、モレ防止・抗菌を強化した高機能尿とりパッド、陰部洗浄フォーム(ユニ・チャーム製)による褥瘡予防の症例を報告。下痢と尿失禁で臀部に広範囲のIADを発症していたが、スキンケアを継続し11日後にほぼ上皮化、疼痛も改善された。
続いて同氏は、モレ防止・抗菌を強化した高機能尿とりパッド、陰部洗浄フォーム(ユニ・チャーム製)による褥瘡予防の症例を報告。下痢と尿失禁で臀部に広範囲のIADを発症していたが、スキンケアを継続し11日後にほぼ上皮化、疼痛も改善された。
カテーテルの「ジレンマ」
褥瘡が原因で入院したケースでは、退院時の膀胱留置カテーテルの挿入判断に迷ったと同氏。カテーテルのメリットは褥瘡悪化の予防と介護負担の軽減だが、一方で尿路感染リスクも併存する。本症例では挿入を行ったが、退院1カ月後に尿感染菌血症から敗血症を引き起こし、再入院に。「家族の負担軽減を目的に処置したつもりが、在宅継続を断念させる原因になった。他に方法がなかったのか、常に考えさせられる」(同氏)。
同氏は膀胱留置カテーテルに代わる高機能尿とりパッドの活用を検討。カテーテルを挿入した状態で入院した患者に対し、抜去3日後から同パッドを使用したところ、モレと尿臭の低減が見られた。
加えて、ユニ・チャーム製含む尿取りパッド3製品でIAD予防の臨床比較研究も実施。他2製品と比べモレ率、尿の臭気スコアともに低値を示し、8割近いスタッフが使用後評価を「良好」とした。同氏は「十分なエビデンスとは言えないが、膀胱留置カテーテルに依存しない、IAD予防の『第3の選択』の可能性を感じた」と分析する。
この日、会場では講演前後で同一内容のアンケートを行った。「尿が褥瘡を悪化させるか?」との質問には95%が「はい」と回答。「尿の何が悪化させるか?」には「浸潤」「PHアルカリ化」「細菌」の順に多く、講演前後で大きな動きはなかった。一方、「重症患者へのカテーテル挿入」では、講演前は肯定64%・否定36%だったが、講演後に割合が逆転。同氏は「モレを防止できるおむつやパッドの有用性を感じた人が一定程度いるのでは」とコメントした。
同氏は膀胱留置カテーテルに代わる高機能尿とりパッドの活用を検討。カテーテルを挿入した状態で入院した患者に対し、抜去3日後から同パッドを使用したところ、モレと尿臭の低減が見られた。
加えて、ユニ・チャーム製含む尿取りパッド3製品でIAD予防の臨床比較研究も実施。他2製品と比べモレ率、尿の臭気スコアともに低値を示し、8割近いスタッフが使用後評価を「良好」とした。同氏は「十分なエビデンスとは言えないが、膀胱留置カテーテルに依存しない、IAD予防の『第3の選択』の可能性を感じた」と分析する。
この日、会場では講演前後で同一内容のアンケートを行った。「尿が褥瘡を悪化させるか?」との質問には95%が「はい」と回答。「尿の何が悪化させるか?」には「浸潤」「PHアルカリ化」「細菌」の順に多く、講演前後で大きな動きはなかった。一方、「重症患者へのカテーテル挿入」では、講演前は肯定64%・否定36%だったが、講演後に割合が逆転。同氏は「モレを防止できるおむつやパッドの有用性を感じた人が一定程度いるのでは」とコメントした。
溝上教授
座長を務めた東京医療保健大学・溝上祐子教授は「例えば認知症の人は、入院直後は環境が一変するので症状が出やすい。おむつ交換で起こされることなく、朝まで良眠できるのが理想。長時間の吸収力、細菌数抑制など、おむつのさらなる進化に期待したい」と締めくくった。
(シルバー産業新聞2026年10月10日号)
(シルバー産業新聞2026年10月10日号)


