コラム
皮膚トラブル防止の観点からのおむつ選び
紙おむつと皮膚トラブルは深い関連があります。一口に紙おむつといっても、本人に合ったものを適切に使用しないと褥瘡リスクを高めたり、創の悪化を引き起こします。
市立岸和田市民病院 皮膚・排泄ケア認定看護師 加藤裕子
合わないおむつ使用と褥瘡リスク
福祉施設や在宅で療養されている方の中には、おむつを使用されている方が多くいらっしゃると思います。一口におむつといっても素材による違いや形など様々です。おむつを使用する際に気を付けなければいけないこととして、皮膚障害を予防することや漏れないように装着することなどがありますが、様々なおむつの種類や適切な装着方法を理解しておくことが、褥瘡などの皮膚トラブルを予防することにつながります。
通気性や吸収性に優れる紙おむつ
まずおむつの種類ですが、昔から使用されている布おむつは肌触りが良く、繰り返し使用でき、ごみも削減できるなど経済的ですが、使用後の後始末や洗濯の負担が大きく、排泄物で汚染した場合はすみやかに交換しなければ、皮膚障害や横漏れを生じてしまいます。紙おむつの場合、カバーは不要で、通気性や吸収性にも優れています。
皮膚障害予防の観点から活動・睡眠時の使い分けも
現在販売されているほとんどの紙おむつは、一度尿を吸収すれば表面へ逆戻りしにくいように作られているため、排泄後の不快感は比較的少ないと言えます。ただ、排泄物が吸収された状態で長時間放置すると、逆戻りや厚みにより仙骨部への圧迫を生じることがありますので、吸収能力の高いおむつであっても速やかに交換することが必要です。
尿取りパッドは大きさや種類によって、尿の吸収量が異なっています。介護者の方の交換回数やその方の尿量に合わせて大きさを選択する必要があります。パッドの種類はテープタイプと併用することが多いのですが、できるだけ同じメーカーのものを選ぶとフィットしやすくなり違和感が少なくなります。昼間は小さめのパッドにして、夜間だけ大きめのパッドを使用すると、漏れや皮膚障害を予防しながらゆっくり睡眠でき、本人・介護者の安楽につながります。
排尿の時間や量を記録し、どの大きさのパッドを使用することが適切かをアセスメントすると良いでしょう。
尿取りパッドは大きさや種類によって、尿の吸収量が異なっています。介護者の方の交換回数やその方の尿量に合わせて大きさを選択する必要があります。パッドの種類はテープタイプと併用することが多いのですが、できるだけ同じメーカーのものを選ぶとフィットしやすくなり違和感が少なくなります。昼間は小さめのパッドにして、夜間だけ大きめのパッドを使用すると、漏れや皮膚障害を予防しながらゆっくり睡眠でき、本人・介護者の安楽につながります。
排尿の時間や量を記録し、どの大きさのパッドを使用することが適切かをアセスメントすると良いでしょう。
蒸れによる「皮膚の浸軟」、厚みによる「仙骨部の圧迫」などに配慮を
おむつの不快感や漏れを防ぐためには、正しく装着することが大切です。
漏れるからといっておむつを何枚も重ねると、蒸れによる皮膚の浸軟を生じたり、おむつの厚みによって仙骨部が圧迫されるといった問題が起こりやすくなります。
装着する前に、まず外側のおむつのギャザー内に収まるよう尿取りパッドを置きます。おむつは中心がずれないようにし、ギャザーを立てながら鼠径部に沿わせて、すき間のないように装着します。テープは斜めに留めると足の動きが制限されず、腹部も圧迫されないので、違和感が少なくなり漏れも生じないのでおむつを重ねる必要はなくなります。
褥瘡予防具やスキンケアを適切に行うとともに、おむつを正しく選択し、適切に装着することは褥瘡予防につながりますので、正しい知識を持ってケアすることが大切です。
(シルバー産業新聞2017年9月10日号)
漏れるからといっておむつを何枚も重ねると、蒸れによる皮膚の浸軟を生じたり、おむつの厚みによって仙骨部が圧迫されるといった問題が起こりやすくなります。
装着する前に、まず外側のおむつのギャザー内に収まるよう尿取りパッドを置きます。おむつは中心がずれないようにし、ギャザーを立てながら鼠径部に沿わせて、すき間のないように装着します。テープは斜めに留めると足の動きが制限されず、腹部も圧迫されないので、違和感が少なくなり漏れも生じないのでおむつを重ねる必要はなくなります。
褥瘡予防具やスキンケアを適切に行うとともに、おむつを正しく選択し、適切に装着することは褥瘡予防につながりますので、正しい知識を持ってケアすることが大切です。
(シルバー産業新聞2017年9月10日号)