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進化続ける大人用紙おむつの最新トレンド

排泄ケアは利用者の生活や尊厳に密接に関わり、おむつの適切な選び方・使い方も皮膚・排泄ケアには欠かすことができない。時代の介護ニーズを捉え、進化を続ける大人用紙おむつの最新トレンドを紹介する。
材料高騰、在庫出荷などで対応
日本衛生材料工業連合会の統計調査によると、2023年の大人用紙おむつ生産数量は90億7700万枚。国内の高齢化の進展などを背景に、この10年、堅調に推移してきた。23年は前年から2.4%減となっているが、同連合会の高橋紳哉専務理事は「パルプなどの原材料高騰の影響で、おむつメーカー各社は生産を抑えつつ、供給は在庫を活用するなどで対応したとみられる」と説明する。昨年は23年比で4%増と再び増加に転じており、減少は在庫調整などによる一時的なものだったようだ。
しかし、原材料などの高騰が一段落したというわけではないという。「円安が止まらない。大人用紙おむつは近年、値上げ傾向にあったが、生産控えの動きなどをみると、原材料高騰分を吸収できるような状況ではないのかもしれない」と高橋専務。「国は重点支援地方交付金で、介護事業者へ水光熱費や食材料費の高騰分を支援するが、おむつ代は残念ながら対象とされていない」と肩を落とす。高橋専務は「そうした厳しい状況でも、単なる値上げでは消費者にもなかなか受け入れられない」と指摘し、製品としての機能や仕様の向上などに各社しのぎを削っていると話す。
日本ではおむつ本体とパッドを組み合わせた使用法が主流だが、それぞれの製品のバリエーションを各社充実させており、それぞれの状態により合わせやすくしている。一方で、製品が増えるほど、商品者はどれを選べばよいかわからなくなるが、簡単なフローチャートを作るなどしてサポートしている。
介護人材不足の中、在宅でも施設でも、介護者の負担軽減のための機能向上も目立っている。「例えば、吸水性や通気性をより高めることで、使用者の快適さやつけ心地だけでなく、清拭や交換の作業を低減できるようになる」と高橋専務。
自立支援に向けた製品も各社拡充させているという。「軽失禁パッドに加え、下着にひびきにくい薄型パンツタイプのおむつがそうだ。軽度でも『トイレが不安』といった悩みから、外出を控えてしまう人もいる。外出機会を創出することが重度化防止に繋がる。こうした製品への潜在ニーズは高く、各社が力を入れている」(高橋専務)。日衛連の統計によると、軽失禁関連製品の生産量は年10%程度と大人用紙おむつ全体を上回るペースで伸長している。
最近では、介護の課題である軟便や水様便に対応した製品も。さまざまな角度で、要介護者や介護者を支えるおむつが登場している。
しかし、原材料などの高騰が一段落したというわけではないという。「円安が止まらない。大人用紙おむつは近年、値上げ傾向にあったが、生産控えの動きなどをみると、原材料高騰分を吸収できるような状況ではないのかもしれない」と高橋専務。「国は重点支援地方交付金で、介護事業者へ水光熱費や食材料費の高騰分を支援するが、おむつ代は残念ながら対象とされていない」と肩を落とす。高橋専務は「そうした厳しい状況でも、単なる値上げでは消費者にもなかなか受け入れられない」と指摘し、製品としての機能や仕様の向上などに各社しのぎを削っていると話す。
日本ではおむつ本体とパッドを組み合わせた使用法が主流だが、それぞれの製品のバリエーションを各社充実させており、それぞれの状態により合わせやすくしている。一方で、製品が増えるほど、商品者はどれを選べばよいかわからなくなるが、簡単なフローチャートを作るなどしてサポートしている。
介護人材不足の中、在宅でも施設でも、介護者の負担軽減のための機能向上も目立っている。「例えば、吸水性や通気性をより高めることで、使用者の快適さやつけ心地だけでなく、清拭や交換の作業を低減できるようになる」と高橋専務。
自立支援に向けた製品も各社拡充させているという。「軽失禁パッドに加え、下着にひびきにくい薄型パンツタイプのおむつがそうだ。軽度でも『トイレが不安』といった悩みから、外出を控えてしまう人もいる。外出機会を創出することが重度化防止に繋がる。こうした製品への潜在ニーズは高く、各社が力を入れている」(高橋専務)。日衛連の統計によると、軽失禁関連製品の生産量は年10%程度と大人用紙おむつ全体を上回るペースで伸長している。
最近では、介護の課題である軟便や水様便に対応した製品も。さまざまな角度で、要介護者や介護者を支えるおむつが登場している。
(シルバー産業新聞2025年1月10日号)