インタビュー

車いすヒッチハイカー 全国を旅する/寺田ユースケ(後半)

車いすヒッチハイカー 全国を旅する/寺田ユースケ(後半)

 ヒッチハイクで旅する寺田ユースケさん(28歳)。「ちょっと車いす押してくれませんか」と声をかけ、誰でも手助けしやすい社会づくりに取組んでいる。

「車いすはかぼちゃの馬車」

 ――「車いす押してくれませんか」のヒッチハイク旅を始めたきっかけを教えてください。
 留学先のイギリスでは「手伝って」と声をかけなくても、車いすを見るだけで手助けしてくれる人が多かったのですが、日本ではあまりないなと感じていました。
 ある日、電車を使って移動している時に長い階段があり駅員の人に「少し手伝ってください」と声をかけたら「管轄外なのでできません」と断られました。この話を友人にしたら「駅員じゃなくて近くにいる人に声をかければよかったじゃん」と言われてハッとしました。
 電車の中で高齢の方や妊婦さんに声を掛けにくいように、車いすの人にも声をかけにくいのではと気づき、自分から「ちょっと車いす押してくれませんか」と声をかけて全国を旅して、支援の輪を広げる取組みをはじめました。
 ――声をかけたり、ヒッチハイクをして断られることはありますか。
 それがほとんど断られることがないんです。もちろん、初めて車いすに触れる方も多いので最初は戸惑われますが、そんな時は「介助レバーをもってゆっくり押してください」「段差は前輪を上げてください」など、自分がどうして欲しいのかきちんと伝えるようにしています。そうすると、安心して手助けしてもらえます。人によって必要なサポートは異なると思うので、積極的に会話して自分を知ってもらえるように心がけています。
 車いすを押してくれた人に「楽しい」と思ってもらい、ポジティブに活動してくれる人がもっと増えたらいいなと思っています。
 ヒッチハイクの旅は妻の真弓さんと一緒に

 ヒッチハイクの旅は妻の真弓さんと一緒に

気軽に助け合える社会へ

 ――車いすヒッチハイクの旅を動画で配信していますね。
 はい。YouTubeのチャンネル「寺田家TV」で毎日配信しています。動画を見てもらうことで、車いすに乗っている方から「勇気をもらいました」などコメントを頂くことがあります。中には健常者の方から「車いすの人を見かけたので、声をかけてみました」などとても嬉しいメッセージを頂くこともあります。
 ヒッチハイクの旅以外にも、プライベートで行った旅行先での体験なども配信しています。最近は沖縄県の西表島でカヌーを体験しました。自分でも乗れると思っていなかったので、思わずカメラを回してしまいました(笑)。このような、自分の体験もどんどん配信していきたいと考えています。
 これまで337組の方に車いすを押してもらい、今後は10月中に四国・中国地方、11月中に近畿地方へ行く予定です。
 「助けて」は言いにくくても「ちょっと助けて」なら言いやすいと思います。誰もが気軽に助け合える社会を目指してこれからも活動していきます。
 草津温泉にて、330組目のハーモニカ交遊会の皆さんと

 草津温泉にて、330組目のハーモニカ交遊会の皆さんと

(了)


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(福祉用具の日しんぶん2018年10月1日号)

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