連載《プリズム》
年に一度のプレゼント
本新年号からの拾い読みをどうぞ。全国老施協・桝田和平氏、厚労省・原勝則老健局長、中山清司氏「現場最前線の今」、北海道大学名誉教授・大浦武彦氏、栗原道子氏(プリズム2013年1月)
「通所介護はこれまでの集団処遇的なケアのあり方から個別ケア重視のサービスへ大きく転換が図られたことを見逃してはならない」検証・通所介護で全国老施協・桝田和平氏。
「介護保険受給へのアクセスに支障をきたすという趣旨で負担がありませんが、私はケアマネジメントの利用者負担という考えも、はじめから排除する必要はないと思います。ただそれは負担の公平性という観点よりも、優れたケアプランが普及していくためにはどうあるべきかという視点から考えるべきだと思います」厚労省・原勝則老健局長。
「障がい者を虐待してはならないというごく当たり前の社会的な要請を、改めて法制度化した理由は、しかしながら実際は、歴史的に見て障がい者は虐待(あるいは隔離・遺棄)されてきたからであり、日常生活場面においても障がい者は虐待されやすい現実があるからだ」12年10月の障害者虐待防止法施行で。中山清司氏「現場最前線の今」。
「在宅でも床ずれを治すことはできる。医師を始め、看護師、栄養士、ケアマネジャー、ヘルパー、家族等の『人材』が、体位変換や危険因子の除去、体圧分散、栄養改善などの『技術・手法』を、エアマット、体位変換器、被覆材、薬剤、介護食などの『薬剤・用具』を活用しながら、チームとして取り組むことができれば十分可能だ」北海道大学名誉教授・大浦武彦氏。
「年に1度、その人の願いを叶えることをプレゼントするというホームがありました。そこで、昔行ったお気に入りのホテルのランチを食べたいと希望した入居者に、一人の職員が一日付き添ってデートを楽しむことを企画しました。当日に備え、息子や娘は洋服や帽子をプレゼントし、ご本人は精一杯おしゃれをして息子のような若い職員とデートを楽しんだそうです」栗原道子氏「シニア住まい塾」。
今年は社会保障制度改革国民会議があり、まもなく社会保障審議会介護給付費分科会が開催され、早くも15年改正に向けての議論がスタートする。
(シルバー産業新聞2013年1月10日号)