連載《プリズム》

シャキッと予防で給付減

シャキッと予防で給付減

 札幌のベッドタウンとして近年宅地整備が進んだ北海道南幌町(人口8264人、高齢化率26.5%)。2000年の介護保険スタート時の保険料は、全国一高い4200円だった。(プリズム2014年4月)

 国の助成で100円安くなったが、トップの座は変わらなかった。第2期(03~05年度)には、さらに4550円にアップ。特養や老健などを利用する人たちが多く、「要介護3以上で在宅にいる人を探すのは困難」というほど、施設志向が高かった。

 しかし、その後、在宅サービスの受給ウェイトを上げ、介護予防に注力するなどで、介護給付費の上昇を抑え、保険料は一転して下がった。現行の第5期(12~14年度)には、第1期より低額の3917円になった。03~08年度の5年間の、南幌町の介護給付費をご覧いただきたい。4.8兆円⇒4.9兆円⇒4.4兆円⇒4.4兆円⇒4.4兆円⇒4.1兆円、給付費は下がっている。給付費に占める施設サービス割合は03年の約7割から、08年の約4割に低下した。同期間の要介護認定者数は、300人前後で推移し、認定率は17%台から16%台へ低下している。介護予防事業の強化が背景にあった。

 週1全12回の「パワーリハビリ教室」、同じく「足腰シャンシャン教室」、月3~4回の「快速シャッキッと倶楽部」、月1回の「男の料理教室」。認定者が減り、要介護でも軽度ですむようになった。「何をやっても、なかなか人が集まらない地域でしたが、介護予防事業が効果を上げました」と、地域包括支援センターで保健師を務める佐藤由美子さん。参加者ははじめに医療機関で健診を受けることや、保健師が関わることによる安心感が強いことが継続参加につながっていると説明する。

 市の保健師は6人。1人で赤ちゃんから高齢者までみる地域担当割を採用し、文字通り地域を包括的に見る。保健師が関わりが強い分、住民が自主的に動けていない点が今後の課題だ。「これからは、行政でなければ対応できない領域は行政が担う一方、町民や地域等が担える領域はそれぞれの能力を十分に発揮し、協働によって、自立して公共サービスを担ってほしい」と佐藤さんの考える。

(シルバー産業新聞2014年4月10日号)

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