ニュース

大阪府訪問看護ステーション協会 人生会議(ACP)支援実践人材育成研修を開催中

大阪府訪問看護ステーション協会 人生会議(ACP)支援実践人材育成研修を開催中

 大阪府訪問看護ステーション協会(大阪府大阪市、長濱あかし会長)は1994年に設立し、昨年で設立30周年を迎えた。同会は訪問看護に携わる専門職を対象に、資質向上を目的とした研修の実施や、人生会議(ACP)の普及啓発などの支援活動に取り組む。

 府の訪問看護事業所はおよそ2000件で全国最多。勤務する看護師は1万人を超えると推測される。事業所数は、廃業による入れ替わりが多いものの増え続けている。
 一方で、看護師の人材不足や利用者を確保できないことで経営が行き詰まるケースも見られる。

スキルアップに向けて管理者研修受講を

 同会は、現在1000件を超える事業所が加入する。訪問看護領域における小児・精神科といったテーマでの生涯教育研修に加え、事例報告でのスキルアップ支援などを行う。
 全世代で重症者が増える中、訪問看護は退院後の患者が、在宅で生活する上での受け皿の役割を期待されている。しかし、現実には重度者を受け入れる事業所は少なく、軽度~中等度の利用者をケアする事業所が飽和状態となっており、同会もさらなる資質向上に向けた研修に力を入れている。
 訪問看護は経験年数の長い看護師が実施する印象があるが、同会が昨年9月に実施した実態調査では、管理者の経験年数は20年以上が63.8%と最多であった一方、5年未満が1.7%と少数ながら認められた。管理者研修の受講経験者も全体で41%に留まり、会員59.2%、非会員20.3%と開きが見られ、在宅で看取りまで実施するためには更なる受講が求められる。
 これらを推進するため二次医療圏を元にしたブロックごとに、地域の訪問看護事業所のリーダーとしての役割を担う教育ステーションを設置。研修への参加とともに事業者同士の横のつながりの形成を促進し、併せて、報酬や請求などの制度・事業所運営を含めた電話相談などを実施している。

人生会議(ACP)への啓発を進める

 訪問看護を志す看護師の多くは、利用者の最期まで関わることへの希望を持つ。特に近年、急性期病棟では患者と関わる期間も短くなる中、一人ひとりとじっくりと向き合いたいと考える人も多い。
 人生会議(ACP)に関して、同会では医療・介護・福祉職を含めて受講できる研修を実施している。
 在宅の現場では、利用者や家族の本音に直面する機会が多い。全身状態が低下した時に、人工呼吸器を使用するか、胃ろうを作成するかといったことに留まらず、どのようにして残りの人生を生きたいかを丁寧に引き出し、ヒアリングすることが重要になる。
 自宅で最期を迎えたいという希望があれば、本人がそのように思う理由に加え、家族の思いを理解し、実現に向けて周囲の人が専門的なサービスの利用を含めて何を行っていけばよいのかを話し合う。
 同会では、今年12月にかけて「人生会議(ACP)」支援実践人材育成研修を府内全域で計22回開催。地域で活動する医療・介護・福祉専門職等を対象とし、参加費は無料。申込みは、同会ホームページから。問合わせは☏06・6767・3800まで。

関連する記事

2024年度改定速報バナー
web展示会 こちらで好評開催中! シルバー産業新聞 電子版 シルバー産業新聞 お申込みはこちら

お知らせ

もっと見る

週間ランキング

おすすめ記事

人気のジャンル