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今年度「介護テクノロジー導入支援補助金」スタート

今年度「介護テクノロジー導入支援補助金」スタート

 全国に先駆けて、大阪府の介護施設・事業者を対象とした2025年度「介護テクノロジー導入支援事業補助金」の概要が明らかになった。昨年同様に5月14日開催の「介護テクノロジー活用支援セミナー」(会場:ATCエイジレスセンター)への会場・オンライン参加(アーカイブ配信あり)を申請要件とする。また、居宅介護支援・居宅サービス事業所が補助金申請を行う場合は、25年度中にケアプランデータ連携システムを利用開始することを求めた。補助決定が優先的になる要件として「働きやすい職場環境づくり伴走支援プログラムの参加」「介護現場におけるはじめてのICT導入・活用セミナーの受講」(6月6日、ATCエイジレスセンター)を設定。申請はWEBのみ。テクノエイド協会のTAISシステム「介護テクノロジー情報」の掲載製品を対象とすることも明示。また、今年度は府独自判断により「生産性向上に資する福祉用具(訪問介護事業者などへスライディングボードなど)」の申請も補助対象と例示した。

 大阪府は4月18日、「介護テクノロジー導入支援事業」の補助総額を、昨年度の9億855万円を上回る13億8042万円と発表。補助対象は、大阪府内の介護保険事業所と養護老人ホーム、軽費老人ホーム。補助割合は導入費の4分の3とし、▽介護テクノロジー導入支援▽同パッケージ導入支援▽導入支援と一体的に行う業務改善支援――を実施するとした。

 補助要件として、5月14日開催の「25年度介護テクノロジー活用支援セミナー」の受講、加えて居宅介護支援事業所と居宅サービス事業所に限り、25年度中にケアプランデータ連携システムの利用開始を求める。同セミナー終了後より事前申請を受付け、7月上旬に結果発表を予定する。

 これまでの介護テクノロジーの導入状況や、伴走型支援研修等の申込状況に応じて選定。エントリーが予算を超過した場合は抽選となる。

「吊り下げ式リフト」「排泄直後の検知・通知」など対象拡大

 「介護テクノロジー導入支援」の補助対象は、経産省と厚労省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」に基づいたテクノエイド協会「介護テクノロジー情報」掲載製品、または介護サービスの質の向上につながると大阪府知事が判断した機器等。今年度より「機能訓練支援」「食事・栄養管理支援」「認知症生活支援・認知症ケア支援」を追加した9分野16項目が対象となる。

 国の重点分野の見直し(拡大)に伴い「移乗支援(非装着型)」「入浴支援」「排泄支援(動作支援)」として吊り下げ型リフトが対象となったほか、「排泄支援(排泄予測・検知)」では排泄予測に加え、排泄直後に通知するもの等も対象とした。

 1台あたりの補助上限は30万円。ただし、「移乗支援(装着型・非装着型)」「入浴支援」「府独自判断」に該当する機器は上限100万円。介護業務支援に該当する介護ソフトは職員数により最大250万円となる。昨年度までの1施設・事業所の最大上限(500万円)は無くした。これらの機器導入に付帯して必要となるWi―Fi環境整備、スマホ、タブレットなどの経費も対象になる。

府独自判断で訪問事業者向け用具も

 府独自判断は、昨年同様に「床走行式リフト等」「介護施設等での加熱・冷蔵機能等を備えた配膳車や配膳ロボット」等のほか、「生産性向上に資する福祉用具(訪問介護事業所でのスライディングボード等)」「バックオフィスソフト(電子サインシステム、給与、勤怠管理等)」「バイタル測定が可能なウェアラブル端末」なども例示した。

介護ソフトでデータ集約・解析を手厚く補助

 国の重点分野の見直しの中で、バイタルや使用状況などのデータを集約し、介護ソフトに集約・解析することで長期的・継続的に緩やかな見守りや予測など、より良いケアの実現が期待できるとされたことから、「排泄支援(排泄予測・検知)」「見守り(施設)(在宅)」などのICT系の介護テクノロジー機器(図参照)から、介護業務支援に認められた介護ソフトにデータを集約して解析するため、これらを組み合わせて導入する場合に「介護テクノロジーのパッケージ型導入支援」として上限額1000万円まで補助を認める。

相談や伴走支援も充実

 5月14日開催の大阪府の活用支援セミナーでは、府内の介護サービス事業所等に対象に、補助金制度説明と大阪府介護生産性向上支援センター(ATCエ場で「現場の課題の見える化」「実行計画の立案」「改善活動の取組」「取組成果の発表」など年間5回の研修に加え、訪問やチャットツールを活用したフォローアップにより、専門家が介護現場の生産性向上の取組を伴走的にサポートする仕組み。

 また、6月6日(金)には、同会場で介護記録ソフトメーカー各社が参加し、介護現場のICT導入・活用セミナーを行う予定。

全国的には7月が申請ピーク

 その他、補助金の募集開始について山形県では5月22日、23日開催のいずれかへの参加を申請要件とするほか、長崎県では5月中旬に、島根県では7月頃にそれぞれ申請開始を予定している。

 その他の都道府県でも「昨年度よりは早めに、夏頃までの開始を目指したい」と本紙聞き取りに回答した。

(シルバー産業新聞2025年5月10日号)

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