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AI活用で業務負担減らし支援の質向上
大阪府枚方市の「ケアプランセンターうぐいすの里」(社会福祉法人福友会)では、ケアマネジャーが生成AIなどのITツールを駆使して、業務効率化と質向上を両立させている。ケアマネジャーは自事業所だけでなくNPO法人タダカヨのメンバーとしても活動し、他事業所への訪問やオンラインでのサポート、実務に使えるツールの共有などにも取り組む。
同事業所には、管理者の友田善隆さんを含めて6人のケアマネジャーが在籍する。
主任ケアマネジャーの吉崎ちほさんは、商業高校の情報処理科出身。元々コンピュータやプログラミングなどに明るく、20年以上前から業務でパソコンを活用している。
同じく主任ケアマネの野口健太さんは、IT業界でプログラマーだった経験のある専門家。IT活用だけでなく、業務に必要なアプリを作るなど高度なスキルをもつ。
主任ケアマネジャーの吉崎ちほさんは、商業高校の情報処理科出身。元々コンピュータやプログラミングなどに明るく、20年以上前から業務でパソコンを活用している。
同じく主任ケアマネの野口健太さんは、IT業界でプログラマーだった経験のある専門家。IT活用だけでなく、業務に必要なアプリを作るなど高度なスキルをもつ。
生成AIで記録業務など効率化
友田さんは、「現場が良いと思ったことは、積極的に進めてもらっている。併設の通所介護や訪問介護にもITの活用が拡がり、部署をまたいだ情報共有や連携もスムーズになってきた」という。
吉崎さんらは生成AI「Gemini(ジェミニ)」を活用し、ケアマネジメント業務の工程ごとに効率化。同AIを目的に合わせて使いやすくする機能「Gem(ジェム)」で、相談業務やサービス担当者会議などの業務ごとに、AIへの指示などをあらかじめ設定。これにより、メモや録音をAIに入力すれば、決められた形式に文章を整え、研修のまとめや会議の要点整理、各種記録などに仕上げてくれる。
「ジェムには、文字数や文体、専門用語の使い方など、事業所の記録ルールに沿って指示を組み込んである。これにより記録のバラつきを抑え、一定の水準を保ちやすくなった」と吉崎さん。
例えば担当者会議の後にメモや音声をジェミニに入力すれば、会議録の様式に合わせて文章が出力される。AIが出した文章はそのまま使わず、最終確認と修正は必ず職員自身が行い、誤りや不適切な表現などをチェックする。
ジェムに組み込んだ設定により、AIがモニタリングや支援経過記録の作成からアセスメント情報の分析、課題整理、さらには短期・長期目標の提案を伴う目標再設定など幅広くサポートできる。「以前は文書作成に1時間かかる職員もいたが、AIがたたき台を提示してくれるので、スピードと記録の質向上につながった」と吉崎さんは評価する。
「録音データの活用で、メモを取ることに必死になる必要がなくなった。記録漏れの不安から解放され、利用者の話をしっかり聞き出すことに集中できるようになった」と吉崎さん。自身の面接技法(反復や要約、質問の仕方など)を客観的に振り返ることにもなり、面接技術そのものの向上にも繋がっているという。
「ジェムには国の『適切なケアマネジメント手法』のPDFを読み込ませてあり、それに基づくアドバイスはもちろん、自分で気づかなかった視点や不足している情報の指摘まで、AIがしてくれる」と野口さん。客観的に利用者の状況を捉え直し、ケアマネジャーの思い込みやバイアスも排除しやすくなったという。
なお同事業所では、生成AIやメール、スケジュール管理、情報共有などの機能を含む「グーグル・ワークスペース」を活用。専用ソフトを個別にインストールする必要がなく、パソコンやスマホから各機能を使える。同法人は社会福祉法人のため非営利団体専用で多くの機能を使えるプランを無料で利用する。
文書や音声データ、ウェブサイトなどの情報を要約・分析できる「ノートブックLM」は、提示した資料以外の情報は拾わないため、正確性を要する法令内容の確認などに活用している。
また、訪問先で記した手書きメモをスマホのカメラで撮影し、メモアプリ「グーグル・キープ」の画像文字認識機能を使ってテキスト化。それをジェミニに渡して整形し、文字入力の手間を省いている。
吉崎さんは、ワークスペースの各機能を連携させる仕組みを作り、既存ソフトで対応しづらい事務作業の効率化も推進。予定・進捗管理や研修報告の作成・管理などの省力化に繋げている。
野口さんもスキルを活かして、FAX処理自動化システムを独自に開発。受信したFAXを自動でPDF化し「グーグル・ドライブ」の文字認識機能で利用者名を判別、記入内容もAIで把握する。そこからPDFに内容が識別できるファイル名を付け、所定のフォルダへ仕分ける仕組みを作った。
「これにより、病院や他事業所から届くFAXを仕分けたり記載内容を入力したりする手間が大幅に省けた。システム開発に必要なコードの作成もAIが助けてくれる」と野口さんは話す。
吉崎さんと野口さんは、介護現場のIT活用を支援するNPO法人タダカヨのメンバーとして、全国の介護事業所の業務改善支援に携わっている。オンラインセミナーや出張サポート、独自ツールの公開まで多岐にわたる。
枚方市ではケアプランデータ連携システム活用促進モデル地域づくり事業で、市のケアマネ協議会を通じタダカヨに導入支援の実施を委託。2人も支援メンバーとして、地域の事業所へ直接的なサポートを担い、システム導入に必要なアプリのインストールや電子証明書の設定など、セットアップ作業を訪問して手伝う。
吉崎さんは、現場ですぐに使えるツールやノウハウを、タダカヨメンバーとしての個人ページ内(QR)で公開している。自社でも活用するジェミニ用の指示文を、誰でもコピーして使える形式で掲載している。ただしこれを使ってAIに情報を入力する際は、個人名や個人情報など秘匿すべきデータは決してアップロードしないことが重要だ。
吉崎さんらは生成AI「Gemini(ジェミニ)」を活用し、ケアマネジメント業務の工程ごとに効率化。同AIを目的に合わせて使いやすくする機能「Gem(ジェム)」で、相談業務やサービス担当者会議などの業務ごとに、AIへの指示などをあらかじめ設定。これにより、メモや録音をAIに入力すれば、決められた形式に文章を整え、研修のまとめや会議の要点整理、各種記録などに仕上げてくれる。
「ジェムには、文字数や文体、専門用語の使い方など、事業所の記録ルールに沿って指示を組み込んである。これにより記録のバラつきを抑え、一定の水準を保ちやすくなった」と吉崎さん。
例えば担当者会議の後にメモや音声をジェミニに入力すれば、会議録の様式に合わせて文章が出力される。AIが出した文章はそのまま使わず、最終確認と修正は必ず職員自身が行い、誤りや不適切な表現などをチェックする。
ジェムに組み込んだ設定により、AIがモニタリングや支援経過記録の作成からアセスメント情報の分析、課題整理、さらには短期・長期目標の提案を伴う目標再設定など幅広くサポートできる。「以前は文書作成に1時間かかる職員もいたが、AIがたたき台を提示してくれるので、スピードと記録の質向上につながった」と吉崎さんは評価する。
「録音データの活用で、メモを取ることに必死になる必要がなくなった。記録漏れの不安から解放され、利用者の話をしっかり聞き出すことに集中できるようになった」と吉崎さん。自身の面接技法(反復や要約、質問の仕方など)を客観的に振り返ることにもなり、面接技術そのものの向上にも繋がっているという。
「ジェムには国の『適切なケアマネジメント手法』のPDFを読み込ませてあり、それに基づくアドバイスはもちろん、自分で気づかなかった視点や不足している情報の指摘まで、AIがしてくれる」と野口さん。客観的に利用者の状況を捉え直し、ケアマネジャーの思い込みやバイアスも排除しやすくなったという。
なお同事業所では、生成AIやメール、スケジュール管理、情報共有などの機能を含む「グーグル・ワークスペース」を活用。専用ソフトを個別にインストールする必要がなく、パソコンやスマホから各機能を使える。同法人は社会福祉法人のため非営利団体専用で多くの機能を使えるプランを無料で利用する。
文書や音声データ、ウェブサイトなどの情報を要約・分析できる「ノートブックLM」は、提示した資料以外の情報は拾わないため、正確性を要する法令内容の確認などに活用している。
また、訪問先で記した手書きメモをスマホのカメラで撮影し、メモアプリ「グーグル・キープ」の画像文字認識機能を使ってテキスト化。それをジェミニに渡して整形し、文字入力の手間を省いている。
吉崎さんは、ワークスペースの各機能を連携させる仕組みを作り、既存ソフトで対応しづらい事務作業の効率化も推進。予定・進捗管理や研修報告の作成・管理などの省力化に繋げている。
野口さんもスキルを活かして、FAX処理自動化システムを独自に開発。受信したFAXを自動でPDF化し「グーグル・ドライブ」の文字認識機能で利用者名を判別、記入内容もAIで把握する。そこからPDFに内容が識別できるファイル名を付け、所定のフォルダへ仕分ける仕組みを作った。
「これにより、病院や他事業所から届くFAXを仕分けたり記載内容を入力したりする手間が大幅に省けた。システム開発に必要なコードの作成もAIが助けてくれる」と野口さんは話す。
吉崎さんと野口さんは、介護現場のIT活用を支援するNPO法人タダカヨのメンバーとして、全国の介護事業所の業務改善支援に携わっている。オンラインセミナーや出張サポート、独自ツールの公開まで多岐にわたる。
枚方市ではケアプランデータ連携システム活用促進モデル地域づくり事業で、市のケアマネ協議会を通じタダカヨに導入支援の実施を委託。2人も支援メンバーとして、地域の事業所へ直接的なサポートを担い、システム導入に必要なアプリのインストールや電子証明書の設定など、セットアップ作業を訪問して手伝う。
吉崎さんは、現場ですぐに使えるツールやノウハウを、タダカヨメンバーとしての個人ページ内(QR)で公開している。自社でも活用するジェミニ用の指示文を、誰でもコピーして使える形式で掲載している。ただしこれを使ってAIに情報を入力する際は、個人名や個人情報など秘匿すべきデータは決してアップロードしないことが重要だ。
効率化と相談援助の質向上へ
ICT化の目的は単なる時間短縮ではなく、その先にあるケアマネジメントの質の底上げだと友田さんは強調する。「ケアマネジャーの本質は相談支援。しかし、支援を深めるほど記録の負担が増えてしまう。そこでITを使い事務的な負担を削ぎ落とし、より多くの時間を相談支援に割けるようになる。記録業務の省力化だけでなく、面接技術の向上や若手からベテランまで専門性の底上げ、職員の思考の整理や新たな視点の獲得にも寄与している」と友田さんは話した。
(シルバー産業新聞2026年4月10日号)
(シルバー産業新聞2026年4月10日号)


