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サイエンスアーツ 平岡竜太朗氏が新社長に カスハラ対策機能の開発・提供も

サイエンスアーツ 平岡竜太朗氏が新社長に カスハラ対策機能の開発・提供も

 インカムアプリ「Buddycom(バディコム)」を提供するサイエンスアーツ(東京都渋谷区)は11月27日付で、平岡秀一社長(64)が代表取締役会長になり、代表取締役社長に平岡竜太朗氏(32)が就任した。

  平岡新社長は2018年同社入社。エンジニアとして4年間開発に携わった。22年に企画本部長、24年11月に取締役企画本部長に就任。現場の声を直接聞いて得た知見を、今後の製品づくりやサービス改善に活かしていく考えだ。「これまで築いてきた信頼関係を大切にしながら、変化の激しいIT業界でスピード感を持って課題解決に取組んでいきたい」と述べる。

 バディコムは、スマホやタブレットを使って1対1やグループでの通話ができるインカムアプリ。▽映像を共有しながらのグループ通話▽画像の送受信▽音声の自動文字起こし・録音▽リアルタイム多言語翻訳――など多様な機能を搭載する。

 近年は介護領域での導入も増えており、今年8月には職員数100人以下の中小事業所を対象に機能を整理した「バディコムスタンダード」をリリース。介護現場向けに設計した軟骨伝導ヘッドセットなど、周辺機器も豊富に取り揃える。

ワンタッチで緊急通知・周囲の音声共有

  近日中に、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策機能「セーフティサポート」の提供を開始する。トラブル発生時、アプリや周辺機器をワンタッチすると、事前に設定したグループに緊急通知が届く。周囲の音声や文字起こし、位置情報がリアルタイムで共有され、通知を受け取った職員は状況を確認しながら駆け付けることができる。音声は自動で録音されるため、記録や再発防止策にもなる。1IDあたり月500円(税抜)。

 きっかけとなったのは、大阪・関西万博で警備員が来場者に平身低頭で謝る映像。サプライヤーとしてバディコムを提供していた平岡新社長は問題意識を持ち、開発に着手。接客業を中心に実証や聞き取りを重ねた。

 介護業界へのヒアリングでは、トラブルが起こる気配を察知した時点でボタンを押し、カスハラを未然に防ぐことへのニーズも多く聞かれた。平岡社長は「対応に困ったときには迷わず活用してもらえるよう、日頃使っているアプリや周辺機器をワンタッチするだけでつながる仕組みにした。精神的な安全を確保し、職員の離職防止やサービスの質向上につなげてほしい」と話す。

 今後はAIが自動でカスハラを検知・通知する機能の実装や、防犯カメラとの連動なども進めていく。
平岡竜太朗新社長

平岡竜太朗新社長

(シルバー産業新聞2025年12月10日号)

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