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データ活用で手厚い看取りや尊厳を守る排泄ケア実現 aamsやヘルプパッドを活用 高齢者総合福祉施設「サンシティ北条」(愛媛県松山市)
愛媛県松山市にある高齢者総合福祉施設「サンシティ北条」(運営:社会福祉法人白寿会)では、バイオシルバーの見守りセンサー「aams」と、abaの排泄検知センサー「ヘルプパッド2」を活用して、手厚い看取りケアや、入居者の尊厳を守る排泄ケアを実現している。同施設はテクノロジー活用などの取組みが評価され、令和7年介護職員の働きやすい職場環境づくり厚生労働大臣表彰で優良賞を受賞した。
サンシティ北条が開設した2020年9月は翌年に介護報酬改定を控え、科学的介護や介護DXの推進が打ち出された時期だった。芳野洋心統括責任者は「新しい施設として国の方針に沿った取り組みをコンセプトに掲げたいと考え、第一弾として見守り機器を特養・ショートステイ・グループホームの全120床に導入しました」と語る。
同施設ではaamsと合わせてオプション機器の、起き上がりを検知する感圧センサーをセットで導入した。感圧センサーはaams同様にマットレス下の入居者の肩付近に設置する。起き上がりはじめを検知することで、早期駆けつけによる入居者の転倒予防を実現した。移動介助を行うだけではなく、職員がそばで見守りながら入居者が安全に自立した活動ができる環境を整えている。
この他、同施設ではaamsで取得するバイタルデータを活用して、手厚い看取りケアを実現している。aamsでは呼吸や心拍などのバイタルデータをリアルタイムで可視化でき、終末期のバイタル変化を医療職が早期に把握できるようになった。
事前に家族へ知らせることで看取りに立ち会えるケースが増え、最近では7〜8割の家族が最期を共に過ごせている。また、看取りの時期や入居者の状態が事前に把握できたことで、ケアにあたる職員の精神的負担の軽減にもつながっている。
同施設ではaamsと合わせてオプション機器の、起き上がりを検知する感圧センサーをセットで導入した。感圧センサーはaams同様にマットレス下の入居者の肩付近に設置する。起き上がりはじめを検知することで、早期駆けつけによる入居者の転倒予防を実現した。移動介助を行うだけではなく、職員がそばで見守りながら入居者が安全に自立した活動ができる環境を整えている。
この他、同施設ではaamsで取得するバイタルデータを活用して、手厚い看取りケアを実現している。aamsでは呼吸や心拍などのバイタルデータをリアルタイムで可視化でき、終末期のバイタル変化を医療職が早期に把握できるようになった。
事前に家族へ知らせることで看取りに立ち会えるケースが増え、最近では7〜8割の家族が最期を共に過ごせている。また、看取りの時期や入居者の状態が事前に把握できたことで、ケアにあたる職員の精神的負担の軽減にもつながっている。
画像上部:起き上がりのタイミングで検知する「感圧センサー」
画像下部:睡眠やバイタル、ベッド上の状況を把握する生体センサー「aams」
入居者の身長に合わせた適切な設置場所に印をつけている
漏れや不要な交換が大幅減
2024年1月には、夜勤の負担軽減と、入居者の排泄ケア向上を目指し、県の介護テクノロジー導入補助金を活用してabaのヘルプパッドを導入した。
同機器はセンサーが尿と便の「におい」を検知し、利用者ごとの「最適なおむつ交換のタイミング」をスマホやタブレット、パソコンに知らせる。
このほか、自動でグラフ化された排泄データを分析することで、利用者の排泄パターンを把握することも可能。通知はシステム連動しているaamsの見守り一覧画面で確認でき、アプリや端末の切り替えは不要。
同機器はセンサーが尿と便の「におい」を検知し、利用者ごとの「最適なおむつ交換のタイミング」をスマホやタブレット、パソコンに知らせる。
このほか、自動でグラフ化された排泄データを分析することで、利用者の排泄パターンを把握することも可能。通知はシステム連動しているaamsの見守り一覧画面で確認でき、アプリや端末の切り替えは不要。
aamsの画面におむつ交換の目安が表示される
ヘルプパッド導入後は1週間当たり▽夜間のおむつ交換回数35%減▽空振り(不要な交換)107回から11回へ減▽漏れ14回から2回へ減――と大幅な改善がみられた。
ヘルプパッド導入による効果(内閣総理大臣表彰・厚生労働大臣表彰優良賞受賞者の取組概要より作成)
また、排泄データを活用した個別ケアも進んだ。利用から1カ月程度で入居者ごとの排泄リズムが把握でき、不要な交換を減らすとともに、トイレ誘導や安眠確保など生活の質向上につながった。
芳野統括責任者は「データが可視化されることで職員の排泄ケアへの意識が高まり、入居者の尊厳を守る介護に繋がっています」と手応えを語る。
芳野統括責任者は「データが可視化されることで職員の排泄ケアへの意識が高まり、入居者の尊厳を守る介護に繋がっています」と手応えを語る。
ヘルプパッドは入居者の臀部付近に敷き、排泄ケア毎に調整する
データ分析で排泄後のおむつ触りを防ぐ
aamsとヘルプパッドで得られるそれぞれのデータを組み合わせることで、入居者の行動の特徴をより正確に把握できるようになる。
ヘルプパッドで排泄を検知した後、aamsで体動を多く検知した場合はおむつを触っている可能性が高く、万が一モレてしまうと、衣類やシーツの交換など入居者・職員にとって大きな負担となる。
芳野統括責任者は「排泄後はできる限り早期におむつ交換をすることで、皮膚トラブル対策にも繋がる。取得したデータをしっかり分析して、職員の負担を軽減しながら、一人ひとりにあった個別ケアを提供していきたい」と話す。
ヘルプパッドで排泄を検知した後、aamsで体動を多く検知した場合はおむつを触っている可能性が高く、万が一モレてしまうと、衣類やシーツの交換など入居者・職員にとって大きな負担となる。
芳野統括責任者は「排泄後はできる限り早期におむつ交換をすることで、皮膚トラブル対策にも繋がる。取得したデータをしっかり分析して、職員の負担を軽減しながら、一人ひとりにあった個別ケアを提供していきたい」と話す。



