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介護テクノロジー補助金 全国的に補助金申請に遅れ
介護テクノロジー(介護ロボット、ICT機器など)関連補助金状況は、7月末時点で9県が「申請受付中」、1府5県が「申請終了」となった一方、33都道府県が「検討中・未定」となるなど、例年に比べ大幅に遅れている(地図・表1参照)。一方で予算額については、前年度実績と比較できる39都道府県のうち、今年度(予定を含む)は33都道府県で昨年度を上回った(表2参照)。国から都道府県への要綱等は6月に通知されており、2024年度からの介護保険法一部改正でテクノロジー活用の旗振り役を都道府県が担う努力義務が明記されたこと、介護生産性向上総合相談センター開設に向けた速やかな対応が求められていること、都道府県の認める範囲で補助対象機器を拡大できるようになったことなど、介護テクノロジー活用に対応した制度作りに追われる都道府県の様子が明らかになった。
新しい補助金制度への対応
申請開始が遅れている原因と考えられるものの一つに、昨年度までの拡充5カ年計画が終了し、今年度から「介護テクノロジー導入支援」に再編した上で、新たな補助金制度となったことがある。
新しい制度について、国は6月に都道府県に対して要綱を示しており、これに従って都道府県ごとに実施・交付要綱を作成することが求められる。ただ、主な変更点だけでも▽「介護ロボット6分野13項目」の補助対象以外にも都道府県の判断で拡大することができる▽23年度補正予算の実施メニューの実施・未実施の判断▽介護生産性向上総合相談センター等の実施するセミナー・研修参加が原則として申請の要件となったこと――など対応箇所が多く、都道府県の実施・交付要綱作成が遅れていることが考えられる。
当初の予定で申請期間中だった東京都でも、ホームページ上で申請開始の延期が告知されている。同様の告知は多くの都道府県でも行われている。
新しい制度について、国は6月に都道府県に対して要綱を示しており、これに従って都道府県ごとに実施・交付要綱を作成することが求められる。ただ、主な変更点だけでも▽「介護ロボット6分野13項目」の補助対象以外にも都道府県の判断で拡大することができる▽23年度補正予算の実施メニューの実施・未実施の判断▽介護生産性向上総合相談センター等の実施するセミナー・研修参加が原則として申請の要件となったこと――など対応箇所が多く、都道府県の実施・交付要綱作成が遅れていることが考えられる。
当初の予定で申請期間中だった東京都でも、ホームページ上で申請開始の延期が告知されている。同様の告知は多くの都道府県でも行われている。
補助率引上げ、配膳ロボット追加など独自性も
申請受付中・終了の自治体では、昨年度までの内容に変更を加える例もある。公費補助率について国は「1/2~3/4」としているが、長崎県では今年度より80%に引き上げ、事業者負担を軽減した。また、国の23年度補正予算事業内のメニューとして示されている「小規模事業者を含む事業者グループが協働して行う職場環境改善」についても、全国に先駆けて1グループあたり1200万円(1法人120万円)まで補助する制度(事業者グループ職場環境改善協働実施推進補助金)を始めた。
単独の事業所などで、生産性向上の取組ができる資金や人材が足りない場合などに、地域の複数社でグループを作り、計画に基づいて業務・職場改善に取り組む場合に補助金を支給する。
現在、生産性向上を促進させる都道府県の立場から、独自性をもたせた取組が示されることが期待される。対象種目の拡大に広がり23年度補正予算事業「介護サービス事業者の生産性向上や協働化を通じた職場環境改善事業」(介護現場デジタル改革パッケージ、予算351億円)は、都道府県が主体となり、テクノロジー機器の導入・利活用のほか、ケアプランデータ連携システムを活用した地域づくり、テクノロジー活用のモデル施設づくり、小規模事業者をグループ化した人材募集・採用・合同研修の実施などを支援する。
助成対象となる機器も従来の介護ロボット・ICT機器のほか「生産性に効果があると都道府県が判断した機器」として拡大。厚労省は実施要綱の中で、例として▽移乗・移動支援機器(床走行式リフト等)▽介護施設等における調理支援機器(一括で調理支援を行う機器、加熱・冷蔵機能等を備えた配膳車等)▽見守り、介護業務支援機器・システム(バイタル情報等を基に職員へ通知を行うシステム等)▽入浴支援機器(特殊浴槽等)等をあげている。
(シルバー産業新聞2024年8月10日号)
単独の事業所などで、生産性向上の取組ができる資金や人材が足りない場合などに、地域の複数社でグループを作り、計画に基づいて業務・職場改善に取り組む場合に補助金を支給する。
現在、生産性向上を促進させる都道府県の立場から、独自性をもたせた取組が示されることが期待される。対象種目の拡大に広がり23年度補正予算事業「介護サービス事業者の生産性向上や協働化を通じた職場環境改善事業」(介護現場デジタル改革パッケージ、予算351億円)は、都道府県が主体となり、テクノロジー機器の導入・利活用のほか、ケアプランデータ連携システムを活用した地域づくり、テクノロジー活用のモデル施設づくり、小規模事業者をグループ化した人材募集・採用・合同研修の実施などを支援する。
助成対象となる機器も従来の介護ロボット・ICT機器のほか「生産性に効果があると都道府県が判断した機器」として拡大。厚労省は実施要綱の中で、例として▽移乗・移動支援機器(床走行式リフト等)▽介護施設等における調理支援機器(一括で調理支援を行う機器、加熱・冷蔵機能等を備えた配膳車等)▽見守り、介護業務支援機器・システム(バイタル情報等を基に職員へ通知を行うシステム等)▽入浴支援機器(特殊浴槽等)等をあげている。
(シルバー産業新聞2024年8月10日号)