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科学的介護を推進できるデイサービスへ Rehab for JAPAN

科学的介護を推進できるデイサービスへ Rehab for JAPAN

 通所介護向け科学的介護ソフト「Rehab Cloud(リハブクラウド)」を2018年から展開するRehab for JAPAN(東京都千代田区)の大久保亮社長は、業務効率化と科学的介護の両立こそが介護業界の課題解決の鍵であると明言する。リハブクラウドは介護現場で必要な計画・記録・LIFE提出を誰でも簡単に効率化できるシステム。4月にはレセプト機能を実装し、全ての業務が一元管理できるようになる。展望を聞いた。

 ――リハブクラウド開発の源流は、大久保社長ご自身の現場経験にあります。

 作業療法士として約10年、通所介護と訪問看護で従事した。日々、リハビリを提供しながら送迎、排泄、入浴等の介助も行った。きちんと機能訓練・リハビリを提供すれば、ご利用者は身体が動き、心が動くようになる。ご利用者が何をしたいのか、どう暮らしたいのかを紐解いていくのが介護の仕事と言える。

 しかし実際には、書類や報告書の作成、管理業務などの間接業務によって、ご利用者のケアに十分な時間を捻出できないこともしばしばあった。「高齢者を元気にしていく」との理念に対し、ゆとりを持ってケアを提供できていない現場は多いだろう。

 高齢者数は40年にピークを迎えるが、介護人材の流出は歯止めがかからない状況。厚生労働省の雇用動向調査によると、22年の介護分野からの離職者は入職者を約6.3万人上回り、初の離職超過現象が起きた。介護業界は今、岐路に立っている。

 介護DXによる業務効率化の推進と、サービスの質向上を目的とした科学的介護は、いずれか一方が実現するだけでは根本的な解決策にはならない。慢性的な人材不足において、質向上のために業務負担が増大しては意味をなさないからだ。

 理想のケアを突き詰めるには、まずは書類業務を劇的に減らし、可処分時間をしっかり生み出すことが大切だ。ご利用者と世間話ができるようになり、それによって高齢者が元気になるという付加価値になれば、介護は大きく変わる。リハブクラウドはこれを支援するツールだと考えている。

 ――「科学的介護ソフト」と謳っています。具体的な機能・特長は。

 アセスメント・計画書から各種加算の帳票を網羅している。単に計画・記録をペーパーレス化するのではなく、科学的介護の実現や売上アップに活かせるよう、機能訓練や、コミュニケーションなど直接業務に踏み込んだ仕様にしているのが特長だ。

 なかでも、個別機能訓練加算やADL維持等加算など、LIFE提出や自立支援・重度化防止に資する加算については、リハ職以外の職員が管理する場合や初めて加算取得に取組む事業所でも簡便に運用できる工夫を施している。

 例えば、機能訓練のマニュアル画像・動画は、リハ職ではない看護師等が、一人ひとりの生活課題に応じた機能訓練の指導をするのを助ける。ADLや身体状況に応じた利用者のグルーピング、自動振り分け機能や、予後予測をナビゲーションするシステムも実装している。身体機能やADLの変化はデータで可視化でき、PDCAサイクルも運用しやすい。

 科学的介護とは、ご利用者個々の自立支援・重度化防止へデータを活用することであり、適切なケアを誰でも持続的に提供していくことに尽きる。サービスの質向上はまさに科学的介護の役割と言える。

Rehab Cloud (リハブ クラウド)の詳細はこちら

 ――導入状況は。

 これまでに累計2000事業所にお使いいただき、個別機能訓練加算の計画書作成枚数は60万枚を超える。ADL維持等加算は利用事業所の3割が算定している。

 また、神奈川県川崎市などと共同で行った実証では、身体機能向上の効果とあわせて記録業務において60%の文字数削減にも至った。さらに、社会変革推進財団(SIIF)の協力のもと、約300人の要介護者を対象に1年間の生活自立度の向上調査も実施し、一般的には加齢とともに身体機能は落ちると思われていたが、向上するという結果が出ている。

 ――介護ソフトとしては後発ですが、4月からはレセプト機能が追加されます。

 これにより、予定入力から請求までのルーティン業務が効率化され、請求担当者の月末業務が大幅に軽減できるだろう。具体的には、サービス提供票のワンクリック作成機能や、タブレット記録からの実績反映の自動化機能などが搭載される。

 国保連・利用者請求や請求業務の進捗管理・日々の記録・ケアマネやご利用者、ご家族への報告もスムーズに行うことができるようになる。口座振替については決済代行会社と共同で、振替手数料80円と業界最安値を実現する。

 ――24年介護報酬改定が迫っています。

 要介護高齢者が増加する中、介護業界全体として、サービスの質向上が社会からより問われるようになる。ケアの専門性を高めつつ、人材不足にも対応しながら介護経営をしていかなくてはならない。

 ご利用者の生活をより良くすることは我々が目指すべきところ。現場職員の皆さんがそれを支援するための土台づくりとしてリハブクラウドを活用し、「科学的介護の時代」を一緒に攻略していただきたい。
(シルバー産業新聞2024年2月10日号)

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