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長野県飯田市 デイの介護報酬「2区分上位」分を市が独自補助

長野県飯田市 デイの介護報酬「2区分上位」分を市が独自補助

 長野県飯田市では、新型コロナ感染拡大により影響を受けた通所介護事業所などが算定する介護報酬の上乗せ分を市が独自で補助している。6月に厚労省が上乗せ算定を認める通知を出したが、「利用者負担が増加する」「利用者の同意を得にくい」など不満の声があがっていた。

 長野県飯田市は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、通所系サービスが実際の提供時間より2区分上位の時間区分で介護報酬を算定できる特例措置について、上乗せ分に相当する額を市独自で補助する。

 厚生労働省は6月1日に「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取り扱いについて(第12報)」で通所系サービスが実際の提供時間より2区分上位の時間区分で報酬を上乗せして算定できる旨の通知を行った。
 しかし、利用者負担にも直結することから利用者からは不満・反対の声、説明を行う現場職員やケアマネジャーからは困惑の声があがっていた。

 そこで、長野県飯田市は「通所系介護サービス事業所等の感染症対策への支援」として、予算8101万5000円を計上し、特例措置で利用者の同意が得られなかった事業所に対して、上乗せ分に相当する額の補助を行うこととした。

 補助金額は「7月のサービス実績をもとに算出した2区分上位の介護報酬との差額×10円×9カ月分(2020年7月~2021年3月サービス分まで)」となる。

 対象は▽通所介護▽通所リハビリテーション▽地域密着型通所介護▽認知症対応型通所介護▽短期入所生活介護▽短期入所療養介護――で、9月9日時点で市内87事業所中45事業所が申請している。第12報の取り扱いに従い、利用者の同意を得た上で上の介護報酬を上乗せして請求している事業者は対象外。

 同市担当者は「第12報での通知は、利用控えなどで収益が減少した事業所のサービス継続支援としてだされた特例措置だが、利用者の同意が得られなければ報酬算定できないことから、事業所間でも不公平が生じていた。通所系介護サービス事業者等が感染症予防対策を行い、安全安心なサービス提供を継続するために必要な支援を行うこととした」と話す。

 このほか、長野県上田市では利用者に対しての補助を実施。在宅サービスの支給限度額を超過した利用者に対して、限度を超過した自己負担額のうち、今回の「臨時的な取り扱い」による影響額を負担する。

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