連載《プリズム》

サービス付き高齢者住宅の創設

サービス付き高齢者住宅の創設

 住まいによって、私たちの生活は支えられている。「福祉は住宅に始まり、住宅に終わる」という。このほど06年制定の住宅基本法に基づく国交省「住生活基本計画」が見直され、今月16日まで意見募集が行われている。(プリズム2011年2月)

 計画文案には、これまでの「良質な住宅ストックの形成及び将来世代への承継」から、新計画では「安全・安心で豊かな住生活を支える生活環境の構築」を目標とする表現に変わった。「低額所得者、被災者、高齢者等の住居の確保に特に配慮を要する者」を「住宅確保要配慮者」と名付けて、それぞれの特性に応じた適切な住宅の確保をめざす。

 数値目標として、高齢者の安定した住まいを、現在の高齢者数の0.9%から、10年後の2020年に3~5%に引き上げた。いまはシルバーハウジング2.2万戸、高専賃2.9万戸、高優賃3.2万戸、有料老人ホーム20.8万戸などがあるが、10年後には見守りなどのサービスのある高齢者住宅を100~200万戸建てようという計画だ。12年改正に向けた先の介護保険部会意見書でも、この指標は記載された。ほかにも高齢者の住宅のバリアフリー化率を大幅に引き上げる指標も掲げられている。

 「高齢者住まい法」が、前回の改正で国交省単独から厚労省との共管になった。元来、旧建設省、旧厚生省時代から、両省は人事交流などを行い、「仲がよい」とされる。今通常国会には、高専賃や有料老人ホームなどを再編したサービス付き高齢者住宅の創設をめざして、同法の改正案が出される。サービス付き高齢者住宅は都道府県の登録制度として実施される。高齢者住宅をわずか10年で3倍、5倍にするには、当然民間参入が欠かせない。広く国は具体的な事業展望を示す必要があるだろう。自由な民間参入で成功した介渡保険にならって、事業性と良質サービスの両取りができる仕組みづくりができるかどうか。解放された市場と公的支援を多様に交えながら、一元的に厚生年金世代の増加への対応と低所得者の住まいの確保を集約していく必要がある。両省のタッグに期待したい。

(シルバー産業新聞2011年2月10日号)

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