連載《プリズム》

現場の水際作戦

現場の水際作戦

 全国老施協の新型コロナウイルス感染症に関するインターネット調査結果で、回答した139施設は、「一律面会禁止」42%、「看取りなどの場合に限り面会」52%で、合わせて94%の特養が原則面会禁止で臨んでいた(3月4・5日調査)。(プリズム2020年5月)

 本紙読者のアンケートでは、デイサービスの利用者宅に県外からの家族などが来た場合には、2週間デイを休んでもらっているという介護施設が複数あり、もし市内で感染者が発生すれば、デイの休業を検討するという事業者もあった。施設内では3密を避けて、消毒や体調不良の職員の自宅待機など、施設内にウイルスを持ち込まない取り組みが功を奏し、日本での高齢者施設での感染発生件数は少なく抑えられている。

 一方で、他国の高齢者施設の感染状況はつぶさにわからないが、米ニューヨーク州やスペイン、イタリア、フランス、イギリスなどで、施設でのクラスター発生や多数の死亡者が出ていると、外電が伝えている。外国人労働者が多い施設の現状を要因にあげるものもあり、衛生管理や感染防止対策が行き届かないことを伺わせている。あらためて、コロナ封じの最前線にいる世界中の介護者や医療者の献身ぶりに敬意を払うとともに、社会はそうしたプロフェッショナルに最大限のバックアップで応えなければならないと思う。

 感染予防のためにはマスクや手袋などは使い捨てが基本だが、特にマスクがない。国や保険者として、介護事業所にマスクやアルコールが優先的に配布されるように、ぜひとも仕組みを作ってもらいたい。一部の保険者ではアルコールの配布を行う動きがある。特措法の緊急事態宣言などの法的措置で実施ができないかとも思う。

 介護人員の働き控えと利用控えで窮地にある介護事業所の経営支援は、国の役割。ここを守らなければ、コロナウイルスが地域包括ケアシステムまで感染させてしまいかねない。

(シルバー産業新聞2020年5月10日号)

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