連載《プリズム》

かっこいいデザイン

かっこいいデザイン

 「かっこいいデザイン」。その機能を使う人が、自然と受け入れるデザインだ。今年もグッドデザイン賞が発表され、介護福祉関連でも多数の受賞があった。(プリズム2012年11月)

 特殊衣料「頭部保護帽・アボット」は、2003年の単独受賞に続いて、JARI(日本自動車研究所)との共同受賞。03年は、凍結路面での転倒事故による頭部の衝撃緩和の帽子だった。ファッション性が評価された。保護帽の開発製造に取り組んできた特殊衣料。今回は、自動車事故による人体傷害を研究するJARIとの共同プロジェクトにより開発した、おしゃれで快適な安全保護帽として受賞が決まった。

 補聴器の普及を妨げている、年寄り臭さ。そのネガティブなイメージを払拭するシーメンス「補聴器・シーメンスクール」も受賞した。古代の勾玉(まがたま)のような形状。耳穴を完全にはふさがず、こもり感のない聞こえを実現。めがねと同様に、見せる補聴器になってほしい。

 1人乗りの超小型電気自動車、トヨタ車体「コスム(ピーコム・ビーコム)」は、乗り降りしやすく運転のしやすいドアのないボディデザインで、ブレーキを踏むと充電するというエコ設計で受賞した。将来、近距離移動のツールとして、電動カートの兄貴分のような存在になるかも知れない。

 以前、本欄で紹介した岩手県釜石市の平田地区の仮設住宅は、「コミュニティケア型仮設住宅団地」として受賞した。地元自治体と東大高齢社会総合研究機構が作った。玄関の向きを向かい合わせ、その間に屋根を作り、ウッドデッキを渡した。失われた地域の再生をめざす取組みだ。同じく、県産材の杉を使ったログハウス工法の福島県「木造仮設住宅群」も受賞。住み心地のよさや再利用ができるログ材の活用などが評価された。

 57年に始まったGデザインの受賞件数は、3万8000件に及ぶという。今後も医療・介護・地域福祉分野からも積極的に応募し、受賞が生まれることを期待したい。

(シルバー産業新聞2012年11月10日号)

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