支える現場を踏まえて
支える現場を踏まえて145 芋煮を囲んで広がる地域のつながり
毎月第4水曜日は、筆者が代表を務めるNPO法人が主催する地域の高齢者向けイベント、「カレーの会」の日。集いの場でカフェや折り紙の会などを毎週続けていると、月1回のカレーの日といえども、やって来るのはとにかく早い。
ここ数日は、あの猛暑が考えられないほど気温が低い。今朝は、集いの場の会場の庭先でコオロギが「秋だよ」と鳴いていた。そんな季節の変化もあってか、担当職員が考えた今回のメニューは、カレーではなく芋煮だった。
いつも参加してくれる高齢男性のSさんが「スーパーで里芋とキノコを買ったから寄付するよ」と、2日前に届けてくれた。おかげで材料は豊富。大鍋いっぱいになり、「こんなに食べられるの」と思うほどの量になった。
カレーの会を本格的に始められるようになったのは、昨年春に台所を使いやすくするため、「キッチン整備計画」なるものを社協に申請したことが大きい。狭い台所だが、シンクが2台になり、ずいぶん動きやすくなった。
当日の芋煮の作り手は、当法人の小規模多機能事業所「ひつじ雲」の家族の会のメンバー3人と、ひつじ雲の利用者さん3人、職員1人。私は付け合わせを4品作り、雨の中、第1班に予定していた方々が来る時間には、何とか間に合わせることができた。
カレーの会の意義は大きいと思っている。近所の人たちが誘い合ってやって来て、食べながら、出された料理の感想や自身の健康について話す。何より、会話する仲間がいることが大きい。
前回は、毎月参加してくださっている高齢男性から、付け合わせについて要望があった。「一品くらい、ガツンと来る刺激のある味がほしい」「例えば?」「酢を相当効かすとか。健康のためにもいいしさ」――。楽しくも厳しいご意見だった。
カレーの会を本格的に始められるようになったのは、昨年春に台所を使いやすくするため、「キッチン整備計画」なるものを社協に申請したことが大きい。狭い台所だが、シンクが2台になり、ずいぶん動きやすくなった。
当日の芋煮の作り手は、当法人の小規模多機能事業所「ひつじ雲」の家族の会のメンバー3人と、ひつじ雲の利用者さん3人、職員1人。私は付け合わせを4品作り、雨の中、第1班に予定していた方々が来る時間には、何とか間に合わせることができた。
カレーの会の意義は大きいと思っている。近所の人たちが誘い合ってやって来て、食べながら、出された料理の感想や自身の健康について話す。何より、会話する仲間がいることが大きい。
前回は、毎月参加してくださっている高齢男性から、付け合わせについて要望があった。「一品くらい、ガツンと来る刺激のある味がほしい」「例えば?」「酢を相当効かすとか。健康のためにもいいしさ」――。楽しくも厳しいご意見だった。
カレーや芋煮が主役だが、付け合わせも大事な栄養源と考えている私は、2晩、3晩と悩んだ。なんとかメニューを決め、材料を集めた。
1品目は、昨年のらっきょう酢にカブを漬けたもの。2品目は、大好きなトマトの「愛子」を塩昆布とオリーブオイルに漬け込んだ。3品目はポテトサラダ。人参、きゅうり、玉ねぎも入れた。
4品目が悩みどころだった。「ガツンと来る味」になるように、きゅうり、大葉、みょうが、かつお節、すりごま、ポン酢――、さらに酢を加え、何度も味見をした。数時間置くと全体に味がなじんだ。帰られる時の表情を見て、「合格だったかも」とホッとした。
ところが、そんな付け合わせの心配はどこへやら。たっぷり煮込んだ芋煮はとても評判がよく、ほとんどの方がおかわりをしていた。
「こんなに食べていいのかな」。そう言いながら、おかわりしてくれる。ひつじ雲の利用者さんも、少し時間を置きながら、おにぎりを手に3 杯も食べて満足そうだった。
1 班、2 班の方々とも、外で青々と鈴なりになっている柚子が気になるらしい。
「去年はジャムにしたのよ」「柚子酒にしたよ」――。そんな話で会話が途切れない。枝がしなるほど実っている。おそらく昨年の3倍ほどの量だ。これも、里芋などを寄付してくれたSさんが、適切な時期に剪定してくれたおかげだ。
カフェを開催したある暖かい日、隣でコーヒーを飲んでいる私にSさんが独り言のように話しかけてきた。「そろそろ柚子の枝の剪定時期だよ。今のうちにやったほうが風通しが良くなるからね」。そう言って、実際に手入れをしてくれた。85歳。花や木への思いと知識は感心するほど深い。
1品目は、昨年のらっきょう酢にカブを漬けたもの。2品目は、大好きなトマトの「愛子」を塩昆布とオリーブオイルに漬け込んだ。3品目はポテトサラダ。人参、きゅうり、玉ねぎも入れた。
4品目が悩みどころだった。「ガツンと来る味」になるように、きゅうり、大葉、みょうが、かつお節、すりごま、ポン酢――、さらに酢を加え、何度も味見をした。数時間置くと全体に味がなじんだ。帰られる時の表情を見て、「合格だったかも」とホッとした。
ところが、そんな付け合わせの心配はどこへやら。たっぷり煮込んだ芋煮はとても評判がよく、ほとんどの方がおかわりをしていた。
「こんなに食べていいのかな」。そう言いながら、おかわりしてくれる。ひつじ雲の利用者さんも、少し時間を置きながら、おにぎりを手に3 杯も食べて満足そうだった。
1 班、2 班の方々とも、外で青々と鈴なりになっている柚子が気になるらしい。
「去年はジャムにしたのよ」「柚子酒にしたよ」――。そんな話で会話が途切れない。枝がしなるほど実っている。おそらく昨年の3倍ほどの量だ。これも、里芋などを寄付してくれたSさんが、適切な時期に剪定してくれたおかげだ。
カフェを開催したある暖かい日、隣でコーヒーを飲んでいる私にSさんが独り言のように話しかけてきた。「そろそろ柚子の枝の剪定時期だよ。今のうちにやったほうが風通しが良くなるからね」。そう言って、実際に手入れをしてくれた。85歳。花や木への思いと知識は感心するほど深い。
鈴なりに実をつけた柚子の木。参加者が手入れをしてくれている
最近のSさんは、春先より足腰が弱ってきたことを気にしている。「来年のために10月に入ったら剪定が必要なんだよ」と言うが、もう少し体調を整えてからにしよう、と話しているところだ。
カレーの会は1班、2班とも1時間を有意義に過ごし、雨の中「またね」と声を掛け合いながら家路を急いだ。家族の会のメンバーの片付けの手早さにも感謝だ。片付けながら、「ねえ、バザーの時、芋煮するのはどう?」などと次の話も始まった。
最後まで会話の絶えない、にぎやかな一日だった。
カレーの会は1班、2班とも1時間を有意義に過ごし、雨の中「またね」と声を掛け合いながら家路を急いだ。家族の会のメンバーの片付けの手早さにも感謝だ。片付けながら、「ねえ、バザーの時、芋煮するのはどう?」などと次の話も始まった。
最後まで会話の絶えない、にぎやかな一日だった。
(シルバー産業新聞2026年10月10日号)


