在宅栄養ケアのすすめ

在宅栄養ケアのすすめ153 在宅拡充のカギとなる「機能強化型」の評価は

 日本栄養士会が来年度の介護報酬改定への要望を厚労省へ提出しました。その一つが、「機能強化型認定栄養ケア・ステーション」を外部管理栄養士の連携先として認めることです。地域・在宅で活動する管理栄養士の資源・アクセス拡充が目的にあります。

 現行、居宅療養管理指導による管理栄養士の訪問は(歯科)医療機関のみ認められていますが、管理栄養士を確保できない場合は、外部の管理栄養士との連携でも算定が可能です。この「外部」に含まれるのは①医療機関②日本または都道府県栄養士会が設置・運営する栄養ケア・ステーション③常勤1人以上、または栄養マネジメント強化加算の算定要件の数を超えて管理栄養士を配置する介護保険施設――のいずれかです。

 ②に認定栄養ケア・ステーション(9月現在429カ所)は含まれていません。同CSTは医療機関や薬局などが、地域で栄養ケアや食事相談などを行う拠点として、日本栄養士会が認定するものです。

 そして機能強化型認定栄養ケア・ステーション(認定のうち78カ所)はその上位CSTとして、医療・介護など複雑で困難な栄養管理に対応する拠点です。在宅患者や要介護者への訪問栄養の実践力を備えたCSTと言ってよいでしょう。フリー(個人)で活動しているところもあり、医療機関や介護施設に比べて敷居も低いため、円滑な連携へぜひ認めていくのがよいと思います。

 というのも現状、都道府県栄養CSTへ来た依頼は、その都道府県栄養士会会員の管理栄養士へ振り分けられるのですが、重度者や要介護者となると結局のところ、機能強化型で活動している人などに限られてくるからです。

在宅専門管理栄養士の育成なるか

 機能強化型は責任者(管理者)要件でその質が担保されています。臨床栄養の実務経験5年以上は認定栄養CSTと同じですが、日本病態栄養学会、日本摂食嚥下リハビリテーション学会、在宅栄養管理学会などへ所属し、かつこれらの学会などが認定する資格の保有が求められます。

 例えば、がんや腎臓病、糖尿病に関する病態栄養専門管理栄養士、摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士、在宅栄養専門管理栄養士などです。これらは更新制のため、資格取得後も症例発表や論文などで所定の単位数をクリアしなければなりません。

 在宅栄養管理学会が認定する在宅専門管理栄養士は現在50人ほどの資格保有者がいますが、近年は伸び悩んでおり、報酬上の評価がないことが理由の一つです。ですので、機能強化型が外部連携先に認められるとなれば、取得の動機づけに働くのではないかと考えています。

 このほか、機能強化型の責任者は診療報酬や介護報酬等の制度や給付管理事務等の知見も必要とされます。ステーション自体、更新制を設けており、年1回以上の研修を受けなければなりません。

 話は変わりますが、「名寄市立大学認定栄養ケア・ステーション」がこのほど無事に開設しました。私が責任者なので一応、機能強化型の要件も満たしていますが、現時点で他に管理栄養士が所属していないため、認定にとどめています。
(シルバー産業新聞2026年10月10日号)

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