ワールドレポート
中国、3年以内に介護保険を全国導入へ
少子高齢化が加速する中国。国家統計局によると2025年末の65歳以上人口が2億2365万人、高齢化率は15.9%(日本は29.3%)に達した。中国政府は16年から長期介護保険を試行しており、同年末時点で92都市、受給者は333万人まで拡大。地域間の制度格差解消に向け、政府は3月25日に「長期介護保険制度の確立加速に関する意見」を公表。3年以内の全国展開と制度統一を急ぐ方針だ。
試行10年を経て実装段階に
中国政府は3月25日、公的介護保険制度の全国展開を加速させる指針を公表した。2016年から始まった試行運用は、25年末までに92地域に広がり、利用者は330万人以上に上る。政府はこの10年の実績を基に、今後3年以内に全国一律の制度基盤を確立する方針だ。急速な少子高齢化への対応を、「共同富裕」実現のための国家戦略と位置づけ、格差是正と保障の標準化を狙う。
保険者は日本の都道府県に相当する「地級市」レベルの広域運営となる。将来的には、条件が整った地域から順次、「省」レベルの広域運営も検討する。
保険料率の目安は0.3%程度と、日本の第2号被保険料率(1.5~2%超)に比べ低水準でスタートする。就業者は労使折半、非就業者は個人納付と政府補助で賄われる。一方、給付率は被雇用者で約70%、住民系加入者で約50%にとどまり、利用者の自己負担は30~50%と日本(原則1割)に比べ高いのが特徴だ。
受給要件は当初、「6カ月以上の障害継続」かつ「重度障害者」に限定される。経済や制度運用の状況を見極めながら、対象範囲の段階的拡大も今後検討するという。給付限度額は地域経済を反映し、前年度の住民1人当たり可処分所得の50%以内とされる。
給付形態は、透明性確保と産業育成の観点から、現金給付は認めず、現物給付に一本化される。日常生活・医療看護の計36項目からなる全国統一の「長期介護サービス項目カタログ」の準拠を求める。例えば「食事介助」の項目では手洗いから食後の姿勢維持まで7段階の手順を細かく規定するなど、サービスの標準化を図る。
また、施設サービスより在宅・地域サービスの給付率の優遇を検討するなど、住み慣れた地域での生活継続を促す「在宅重視」の姿勢を鮮明にしている。スマート介護サービスや支援機器を給付対象に含めるための検討も今後進める。
(シルバー産業新聞2026年5月10日号)
保険者は日本の都道府県に相当する「地級市」レベルの広域運営となる。将来的には、条件が整った地域から順次、「省」レベルの広域運営も検討する。
保険料率の目安は0.3%程度と、日本の第2号被保険料率(1.5~2%超)に比べ低水準でスタートする。就業者は労使折半、非就業者は個人納付と政府補助で賄われる。一方、給付率は被雇用者で約70%、住民系加入者で約50%にとどまり、利用者の自己負担は30~50%と日本(原則1割)に比べ高いのが特徴だ。
受給要件は当初、「6カ月以上の障害継続」かつ「重度障害者」に限定される。経済や制度運用の状況を見極めながら、対象範囲の段階的拡大も今後検討するという。給付限度額は地域経済を反映し、前年度の住民1人当たり可処分所得の50%以内とされる。
給付形態は、透明性確保と産業育成の観点から、現金給付は認めず、現物給付に一本化される。日常生活・医療看護の計36項目からなる全国統一の「長期介護サービス項目カタログ」の準拠を求める。例えば「食事介助」の項目では手洗いから食後の姿勢維持まで7段階の手順を細かく規定するなど、サービスの標準化を図る。
また、施設サービスより在宅・地域サービスの給付率の優遇を検討するなど、住み慣れた地域での生活継続を促す「在宅重視」の姿勢を鮮明にしている。スマート介護サービスや支援機器を給付対象に含めるための検討も今後進める。
(シルバー産業新聞2026年5月10日号)


