ニュース
ICT導入へ最大8千万円補助 病院の業務効率化「努力義務」に
医療機関のDX・生産性向上の実践が加速化する。業務効率化等の努力義務化を改正法案に明記し、補助金等の支援事業を充実する。先行し「医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業」を昨年度補正予算で創設。6月頃に申請受付がはじまる。医療従事者等の超過勤務時間減などに資するICT機器等の導入に対し、最大8000万円を補助する。
「医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業」は、2025年度補正予算事業「医療・介護支援パッケージ」の一つ。業務効率化に資するICT機器等の導入、および附随する費用の5分の4を上限に補助する。補助上限額は1施設8000万円。補助の内訳は国3分の2、都道府県3分の1で、国費200億円を投入する。
4月1日から同事業の申請時点までに診療報酬請求の実績がある病院が対象。診療所や訪問看護ステーションは含まない。また、4月1日時点でベースアップ評価料を届け出ていることが要件。厚生労働省医療経営支援課の下田大道医療法人指導官は「人材確保・定着という本事業の主旨に沿うため。病院のベア評価料は9割が算定している。大きくふるいにかけるものではない」と説明する。
このほか、都道府県医療計画の5疾病(がん・脳卒中・心血管疾患・糖尿病・精神疾患)、6事業(救急・災害へき地・周産期・小児・新興感染症)や在宅医療の提供など地域医療に一定の貢献をしていること、地域医療構想に沿った取組を行っていることも要件とする。
4月1日から同事業の申請時点までに診療報酬請求の実績がある病院が対象。診療所や訪問看護ステーションは含まない。また、4月1日時点でベースアップ評価料を届け出ていることが要件。厚生労働省医療経営支援課の下田大道医療法人指導官は「人材確保・定着という本事業の主旨に沿うため。病院のベア評価料は9割が算定している。大きくふるいにかけるものではない」と説明する。
このほか、都道府県医療計画の5疾病(がん・脳卒中・心血管疾患・糖尿病・精神疾患)、6事業(救急・災害へき地・周産期・小児・新興感染症)や在宅医療の提供など地域医療に一定の貢献をしていること、地域医療構想に沿った取組を行っていることも要件とする。
計画は最大3年 改善目標を数値化
実施主体は都道府県。病院は申請時に、組織体制や業務効率化を行う部門、目標設定、導入機器等を盛り込んだ「業務効率化計画」を提出する。計画は最大3年間とする。
組織体制については、院長・副院長等の管理者が委員長となる「業務効率化推進委員会」を設置し運用・評価・見直し(PDCA)を行う。「病院全体で業務効率化をはかるには、経営層が主導して進めることが必要」(下田氏)。委員会メンバーや開催頻度に関する規定は特に設けていない。
業務効率化の対象部門は①医師部門②調剤部門③看護部門④その他コメディカル部門(リハビリ・口腔・栄養など)⑤事務部門⑥その他バックアップ部門――のいずれかを含む。
目標設定は、例えば医師部門では診療情報提供書や退院時サマリ等の文書作成時間、看護部門では看護記録作成時間や夜勤帯の患者訪室頻度、事務部門ではレセプト点検業務時間、外来患者の待ち時間などについて、「前年同月比10%減」などと定量的に示すこと。達成するための業務手順の見直しやタスクシフト・シェアについても具体的な内容を求める。
下田氏は「おそらく需要が大きいのが看護部門。夜間の見守り、広い院内で連絡をとり合うなどの手間・負担の軽減が期待できる」と見込む。既にスマートフォンやインカムに関する問合せも多いとのことだ。
組織体制については、院長・副院長等の管理者が委員長となる「業務効率化推進委員会」を設置し運用・評価・見直し(PDCA)を行う。「病院全体で業務効率化をはかるには、経営層が主導して進めることが必要」(下田氏)。委員会メンバーや開催頻度に関する規定は特に設けていない。
業務効率化の対象部門は①医師部門②調剤部門③看護部門④その他コメディカル部門(リハビリ・口腔・栄養など)⑤事務部門⑥その他バックアップ部門――のいずれかを含む。
目標設定は、例えば医師部門では診療情報提供書や退院時サマリ等の文書作成時間、看護部門では看護記録作成時間や夜勤帯の患者訪室頻度、事務部門ではレセプト点検業務時間、外来患者の待ち時間などについて、「前年同月比10%減」などと定量的に示すこと。達成するための業務手順の見直しやタスクシフト・シェアについても具体的な内容を求める。
下田氏は「おそらく需要が大きいのが看護部門。夜間の見守り、広い院内で連絡をとり合うなどの手間・負担の軽減が期待できる」と見込む。既にスマートフォンやインカムに関する問合せも多いとのことだ。
対象機器は「個別判断」
対象機器に関して、介護テクノロジー補助金のような「カタログ化」は行わない。「目標達成に資する機器かどうか、個別に判断したい」と下田氏は述べる。実施要綱では▽職員間の情報共有のためのスマートフォン、業務用インカム▽患者の見守り支援機器▽生成AIを活用した問診や文書自動作成支援▽薬剤・検体搬送ロボット▽マセレーター(汚物処理設備)▽薬剤自動分包機器――などが例示されている。
電子カルテの新規導入・更新は補助対象外。「単に古い電子カルテを入れ替えるだけでは事業目的に沿っていない」(下田氏)。ただし、自動でデータ入力されるバイタル測定機器の導入にあたり、システム連携に必要な改修費用は対象となる。
「導入に附随する費用」にはWi―Fiの整備費や、機器導入と比べて過大にならない範囲で外部専門家のコンサルティング費も含めてよい。一方、運用・保守等のランニングコストは「業務効率化によって賄われるべき」との観点から対象外となる。
これら費用の補助は全て、計画年数に関わらず、26年度中に生じる経費のみが対象。リース、レンタルによる機器導入は可能だが、その場合も27年度以降の費用補助は受けられないため注意が必要だ。
電子カルテの新規導入・更新は補助対象外。「単に古い電子カルテを入れ替えるだけでは事業目的に沿っていない」(下田氏)。ただし、自動でデータ入力されるバイタル測定機器の導入にあたり、システム連携に必要な改修費用は対象となる。
「導入に附随する費用」にはWi―Fiの整備費や、機器導入と比べて過大にならない範囲で外部専門家のコンサルティング費も含めてよい。一方、運用・保守等のランニングコストは「業務効率化によって賄われるべき」との観点から対象外となる。
これら費用の補助は全て、計画年数に関わらず、26年度中に生じる経費のみが対象。リース、レンタルによる機器導入は可能だが、その場合も27年度以降の費用補助は受けられないため注意が必要だ。
国が支給判断・評価
1年目の計画終了時、2・3年目の計画途中、3年目の計画終了時に、都道府県を通じて厚生労働大臣に報告書を提出し、その評価を受ける。加えて、機器等の導入前後における①対応業務に要する時間②関係職員の総労働時間・超過勤務時間③医療安全に関する情報(インシデント件数)――などのデータも提出。③では見守り機器による転倒防止の実績などが想定される。
各都道府県議会で予算承認後、6月頃より申請受付を開始。8月頃に補助対象の病院を選定し、順次運用を開始する予定としている。
なお、申請案件の精査・支給決定は全て国が行うのが介護分野と異なる点。「いずれ都道府県に委ねる考えもあるが、現段階で業務効率化等の支援に精通した部署が整備されていない」と下田氏は話す。各都道府県には医療法に基づく「医療勤務環境改善支援センター」が設置され、ICT機器導入も支援例の一つにあるが、実態はメンタルヘルスや仕事・育児の両立、ハラスメント対策等の支援が中心になっている。
各都道府県議会で予算承認後、6月頃より申請受付を開始。8月頃に補助対象の病院を選定し、順次運用を開始する予定としている。
なお、申請案件の精査・支給決定は全て国が行うのが介護分野と異なる点。「いずれ都道府県に委ねる考えもあるが、現段階で業務効率化等の支援に精通した部署が整備されていない」と下田氏は話す。各都道府県には医療法に基づく「医療勤務環境改善支援センター」が設置され、ICT機器導入も支援例の一つにあるが、実態はメンタルヘルスや仕事・育児の両立、ハラスメント対策等の支援が中心になっている。
先進病院の見える化も
現在、国会審議中の「健康保険法等の一部を改正する法律案」では、医療機関の業務効率化・勤務環境改善を努力義務とすること、その支援として地域医療介護総合確保基金に業務効率化等の区分を追加することが明記されている。
さらに、業務効率化等を計画・推進する病院を厚労大臣が認定するしくみも創設する。今回の補正予算事業はこれを先行する形。27年度以降は確保基金の枠で継続支援する方向としている。
(シルバー産業新聞2026年5月10日号)
さらに、業務効率化等を計画・推進する病院を厚労大臣が認定するしくみも創設する。今回の補正予算事業はこれを先行する形。27年度以降は確保基金の枠で継続支援する方向としている。
(シルバー産業新聞2026年5月10日号)


