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車いす送迎事故、7年で死亡30件 27年3月にJIS制定へ
消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は7月29日、車椅子使用者を自動車で送迎中に発生した事故について経過報告を公表した。2019年1月〜25年12月の7年間に49件の事故を確認。うち30件が死亡事故だった。介護サービスでの送迎事故は34件で、このうち24件が死亡事故だった。事故調は、このほかにも把握できていない事故が存在する可能性もあるとしている。
介護サービスでの送迎事故34件を分類すると、車椅子が適切に固定されていなかった事故が8件、シートベルトが適切に装着されていなかった事故が9件、事実関係が不明なものが17件だった。
送迎車がブレーキをかけた時にシートベルトの装着忘れにより利用者が車椅子から滑落した例や、車椅子の固定方法に不備があり走行中に車椅子ごと後方に転倒し、利用者がその後、死亡した例も報告されている。
事故調は現在も原因調査を継続。コンピュータによる衝突時の乗員挙動やシートベルト着用の効果を分析しているため、現段階では事故原因と断定することはできないが、現場への注意喚起として、適切な固定・装着方法の周知や確認を課題として挙げている。
送迎車がブレーキをかけた時にシートベルトの装着忘れにより利用者が車椅子から滑落した例や、車椅子の固定方法に不備があり走行中に車椅子ごと後方に転倒し、利用者がその後、死亡した例も報告されている。
事故調は現在も原因調査を継続。コンピュータによる衝突時の乗員挙動やシートベルト着用の効果を分析しているため、現段階では事故原因と断定することはできないが、現場への注意喚起として、適切な固定・装着方法の周知や確認を課題として挙げている。
専門家指摘「40〜50km/hでも死亡事故の恐れ」
滋賀医科大学の一杉正仁教授(社会医学者・医師)は、「適切な固定やシートベルト着用がなければ時速40〜5kmでの事故でも死亡する恐れがある」と指摘した。
固定方式の統一と難しさ
安全対策を難しくしている一因が、国内で固定方法の統一的な形式がなく、車両の固定装置や車椅子のフレーム形状などによって異なること。現在は4点フック固定方式やドッキング固定方式などが多く採用されている。
国際的には「ISO10542―1」(車椅子固定・乗員保持システム)、「ISO7176―19」(自動車内の座席として使用する車椅子の要求事項や試験方法)となっている。
一方で、国内では車椅子を車両へ迅速に着脱できる簡易固定システムと対応車椅子は、新たなJIS「4点フック又はアンカーバーによって使用状態で自動車内に固定される車椅子(仮称)」の開発が進められており、事故調によると27年3月に公布される見込み。
国際的には「ISO10542―1」(車椅子固定・乗員保持システム)、「ISO7176―19」(自動車内の座席として使用する車椅子の要求事項や試験方法)となっている。
一方で、国内では車椅子を車両へ迅速に着脱できる簡易固定システムと対応車椅子は、新たなJIS「4点フック又はアンカーバーによって使用状態で自動車内に固定される車椅子(仮称)」の開発が進められており、事故調によると27年3月に公布される見込み。
ソフト面の安全向上で民間資格
こうした製品・規格面の対応とは別に、現場スタッフの送迎技術を高める動きも始まっている。その一つが、26年3月にスタートした民間資格「福祉送迎士」。福祉車輌資格管理協会が有資格者の管理や情報提供を担い、日本福祉車輌協会が講習・認定試験を行う。
送迎を担うアクティブシニアや介護助手、パート職員、経験の浅い介護職員などを主な対象に、「移動・移乗介護」「自動車運転」「送迎」「架装部操作」の知識・技術を学ぶ。WEB講習と最終テストで構成される。
車椅子と車両の固定方法を標準化するJISが「ハード」の安全対策だとすれば、送迎従事者に適切な介助や車両操作を身につけてもらう教育は「ソフト」の対策である。
事故調も、適切な固定方法の認知や、正しく固定されたかを確認することを課題に挙げている。規格整備と現場教育の双方から、送迎時の安全をどう高めるかが問われている。
送迎を担うアクティブシニアや介護助手、パート職員、経験の浅い介護職員などを主な対象に、「移動・移乗介護」「自動車運転」「送迎」「架装部操作」の知識・技術を学ぶ。WEB講習と最終テストで構成される。
車椅子と車両の固定方法を標準化するJISが「ハード」の安全対策だとすれば、送迎従事者に適切な介助や車両操作を身につけてもらう教育は「ソフト」の対策である。
事故調も、適切な固定方法の認知や、正しく固定されたかを確認することを課題に挙げている。規格整備と現場教育の双方から、送迎時の安全をどう高めるかが問われている。
(シルバー産業新聞2026年9月10日号)


