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テクノロジー機器の連携・比較がわかる「介護ICT体験フェア」

キヤノンシステムアンドサポートは4、5月に介護施設向けのセミナー・展示会「介護ICT体験フェア」を全国8会場で開催、のべ約900人が参加した。テクノロジー機器導入施設やメーカーによる講演、多種多様な機器の連携・比較が体験できる展示会を通じて、テクノロジー機器を活用した業務効率化のプロセス・効果を実感できるのが同イベントの特長。施設経営者、現場責任者の双方から好評を得ている。4月18日の神戸会場を取材した。
展示会
神戸会場ではメーカー22社が出展した。生産性向上推進体制加算の要件として注目される見守り機器や介護記録システム、インカム等の介護現場で活用されるテクノロジー機器から、AI議事録やスケジュール・勤怠管理、設備予約システムといったバックオフィス関連まで展示。施設業務の全体効率化をはかるアイテムとして、参加者の関心を集めた。
最大の特長は、介護現場でのリアルな使用感を体験できる点。マルチベンダーであるキヤノンシステムアンドサポートの強みを生かし、実際に複数の機器を連携・比較させることで、数ある機器から最適な選定を助け、かつ導入前のイメージと実際とのギャップを解消する。
「連携ブース」では見守り機器・ナースコール・介護記録システムの3点セットを3パターン設置。それぞれ見守り検知から通知、職員対応、記録までの一連をスマートフォン1台で管理できるよう設定し、参加者はその利便性を体感した。
「見守り機器比較ブース」では異なるメーカーの見守り機器をベッドに複数設置。検知から通知、記録の方法とその速さなど、機能比較ができる場とした。
また、今回は新たに「ICTナレーションブース」を設置。展示会の導入部分として、見守り機器やナースコール、介護記録システムの基本機能や連携方法、介護現場での主な役割などについて、キヤノンシステムアンドサポートのスタッフが実際に現場で起こりうるシーンを想定したミニセミナーを随時開催し説明。参加者はICT機器が連携することでどのように業務が変わるかを体験した。
最大の特長は、介護現場でのリアルな使用感を体験できる点。マルチベンダーであるキヤノンシステムアンドサポートの強みを生かし、実際に複数の機器を連携・比較させることで、数ある機器から最適な選定を助け、かつ導入前のイメージと実際とのギャップを解消する。
「連携ブース」では見守り機器・ナースコール・介護記録システムの3点セットを3パターン設置。それぞれ見守り検知から通知、職員対応、記録までの一連をスマートフォン1台で管理できるよう設定し、参加者はその利便性を体感した。
「見守り機器比較ブース」では異なるメーカーの見守り機器をベッドに複数設置。検知から通知、記録の方法とその速さなど、機能比較ができる場とした。
また、今回は新たに「ICTナレーションブース」を設置。展示会の導入部分として、見守り機器やナースコール、介護記録システムの基本機能や連携方法、介護現場での主な役割などについて、キヤノンシステムアンドサポートのスタッフが実際に現場で起こりうるシーンを想定したミニセミナーを随時開催し説明。参加者はICT機器が連携することでどのように業務が変わるかを体験した。

ICTナレーションブース

連携ブース

見守り機器比較ブース
講演
社会福祉法人スマイリング・パーク理事長 山田一久氏
「施設の進化は意識改革と介護のICT化と人の共生!」

2015年の理事長就任後、利用者と職員の幸せを追求するための様々な改革を行ってきました。離職率は当時の25%から2~3%へ大きく改善。口コミで職員が集まるようになり、介護・障がい福祉・保育を中心に9年で4事業から78事業に拡大することができました。
介護テクノロジーによる社内業務のDX化も改革の一つです。以前の現場は記録がバラバラで、かつうまく活用されていませんでした。職員は想いだけが強く、感覚や経験に頼るケアが中心。その状況に疑問を感じ、変えたいと思っても、どう変えれば良いかがわかりませんでした。
転機となったのが記録システム「ケアカルテ」(ケアコネクトジャパン)との出会いです。これまで見えなかった・気づかなかった利用者の状態やケア内容が可視化され「見えないケア」から「伝わるケア」へ進化。職員全員が一定以上の質を担保できる環境が整いました。
音声入力「ハナスト」も革新的で、大幅な業務時間の短縮に寄与しています。現場職員からは「手入力より圧倒的に楽」「あとで記憶を辿りながらの記録と比べて、情報が正確」と好評です。字を書くのが得意ではないという外国人職員にも、心強いアイテムになっています。
介護テクノロジーによる社内業務のDX化も改革の一つです。以前の現場は記録がバラバラで、かつうまく活用されていませんでした。職員は想いだけが強く、感覚や経験に頼るケアが中心。その状況に疑問を感じ、変えたいと思っても、どう変えれば良いかがわかりませんでした。
転機となったのが記録システム「ケアカルテ」(ケアコネクトジャパン)との出会いです。これまで見えなかった・気づかなかった利用者の状態やケア内容が可視化され「見えないケア」から「伝わるケア」へ進化。職員全員が一定以上の質を担保できる環境が整いました。
音声入力「ハナスト」も革新的で、大幅な業務時間の短縮に寄与しています。現場職員からは「手入力より圧倒的に楽」「あとで記憶を辿りながらの記録と比べて、情報が正確」と好評です。字を書くのが得意ではないという外国人職員にも、心強いアイテムになっています。
職員は「プロの俳優」
カメラタイプの見守り機器を導入し始めた当時は「プライバシーの侵害だ」といった批判的な意見を多く受けました。10年経ち、その見方は業界全体で大きく変わりました。
カメラや音声は「指揮力の革命」です。管理者が職員個々の動きを直接見なければ指示・評価できなかったものが、これらのツールで情報を得られるようになります。職員自身も、見られていることを意識するため、ケアの質向上につながります。DX化は質の高い職員を育てるための取組みです。記録を読み取り・考え・行動に移す力を養うことで職員は進化します。ただ単に、楽をすることが目的ではありません。
私は、職員はケアで利用者に感動を与える「プロの俳優」であり、介護現場はその舞台であるべきだと考えます。名俳優が感動を生むのは「見られている」という意識があるからです。
当法人の場合、脚本はケアカルテであり、舞台監督はキヤノンシステムアンドサポートです。脚本を見て職員が役割を理解し、最高の演技を披露します。舞台監督は機器の提供・設営、補助金サポートやDX化の技術的支援等のマネジメントを担ってくれます。
今後、さらに人口減少と少子高齢化が進むことは統計で明らかです。10年後、20年後、今の施設数は維持できません。その中で生き残るためには、一刻も早く脚本を見直し、名俳優を育てる経営へシフトしなくてはなりません。新たなことを始めるには相当な労力がかかりますが、信頼できる舞台監督とともにあるべき姿を考え、まず古いやり方をやめることが大切です。
カメラや音声は「指揮力の革命」です。管理者が職員個々の動きを直接見なければ指示・評価できなかったものが、これらのツールで情報を得られるようになります。職員自身も、見られていることを意識するため、ケアの質向上につながります。DX化は質の高い職員を育てるための取組みです。記録を読み取り・考え・行動に移す力を養うことで職員は進化します。ただ単に、楽をすることが目的ではありません。
私は、職員はケアで利用者に感動を与える「プロの俳優」であり、介護現場はその舞台であるべきだと考えます。名俳優が感動を生むのは「見られている」という意識があるからです。
当法人の場合、脚本はケアカルテであり、舞台監督はキヤノンシステムアンドサポートです。脚本を見て職員が役割を理解し、最高の演技を披露します。舞台監督は機器の提供・設営、補助金サポートやDX化の技術的支援等のマネジメントを担ってくれます。
今後、さらに人口減少と少子高齢化が進むことは統計で明らかです。10年後、20年後、今の施設数は維持できません。その中で生き残るためには、一刻も早く脚本を見直し、名俳優を育てる経営へシフトしなくてはなりません。新たなことを始めるには相当な労力がかかりますが、信頼できる舞台監督とともにあるべき姿を考え、まず古いやり方をやめることが大切です。

(シルバー産業新聞2025年6月10日号)