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カスハラ対策、スポットワーカーへの周知不足も課題 タイミー調査

カスハラ対策、スポットワーカーへの周知不足も課題 タイミー調査

 スキマバイトサービス「タイミー」を運営するタイミー(東京都港区、小川嶺社長)が実施したカスタマーハラスメント(カスハラ)に関する調査で、カスハラ対策を講じている事業者のうち、スポットワーカーに対して能動的にその内容を案内していない企業が4割を超えることが明らかになった。介護業界でも人手不足を補うため、スポットワーカーの活用が徐々に広がる中、短時間勤務者を含めたすべての働き手が安心して業務に従事できる環境整備が課題となる。

「相談先がわからない」スポットワーカー特有の不安

 同社が今年6月に実施した調査によると、同社のサービスを通じて勤務したワーカー(働き手)のうち、顧客からのカスハラを自身が経験したと回答したのは15.3%だった。被害経験者が受けた行為としては、「暴言」が63.7%と最も多く、次いで「権威的(説教)態度」が45.8%、「威嚇・脅迫」が32.7%と続いた。これらは介護現場で起こりうる利用者やその家族からのハラスメントとも共通点が多い。

 注目すべきは、スポットワーカーならではの就業形態に起因する不安だ。アンケートでは、「勤務先のカスハラに対する対応スタンスが不明」「誰に相談すればいいのかわからない」「トラブルを起こすことで自分への評価が下がるのではないか」といった声が寄せられた。正規職員とは異なり、勤務先との関係性が希薄になりがちなスポットワーカーは、トラブル発生時に孤立しやすい状況がうかがえる。実際に、ワーカーのおよそ7割が「カスハラ対策の有無が職場選びの基準になる」と回答しており、対策の充実は人材確保の観点からも重要性を増している。
via タイミー

対策実施企業の4割超「能動的な案内なし」

 一方、受け入れ企業側の調査では、約半数(53.2%)が「カスハラ防止対策を実施している」、または「実施を検討している」と回答し、対策への意識は一定程度進んでいることがわかる。しかし、その対策をスポットワーカーにどのように伝えているかという問いに対しては、「勤務開始時に説明している」と回答した事業者は14.7%にとどまり、「ワーカー向けのレクチャーや案内はしていない」は47.1%という結果だった。
via タイミー
 介護事業者がスポットワーカーを受け入れる際、勤務開始時の短い時間でも「困ったことがあったら、リーダーの〇〇に声をかけてください」といった一言を伝えるだけでもワーカーの不安は軽減されるだろう。今回の調査結果を受け、タイミーはスポットワーカーが安心して働けるよう、企業向けの4つの標語を考案し、公表している。

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