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オリーブの家 BPSDスコア化でケア意識改革

横浜市の認知症グループホーム・オリーブの家(2ユニット・定員18人)は、昨年5月より認知症チームケア推進加算(Ⅰ)を算定している。
同加算は、2024年度介護報酬改定で認知症グループホームと施設系3サービスに新設(Ⅰ=150単位/月、Ⅱ=120単位/月)。認知症の人へ個別ケアを提供し、BPSDの予防・早期対応につなげることを目的とする。
(Ⅰ)の算定要件は①利用者の50%以上が日常生活自立度Ⅱ②認知症介護指導者養成研修(Ⅱは認知症介護実践リーダー研修)および認知症チームケア推進研修を修了した職員を1人以上配置③定期的にカンファレンスを開催し、利用者別にBPSDの評価・計画作成・ケア・アセスメント・再評価をチームで実施――。認知症専門ケア加算との併算定はできない。
昨年11月時点で、認知症GHにおける同加算(Ⅰ)の算定回数は1900回(算定率0.9%)、(Ⅱ)は8700回(同4.0%)(表)。
(Ⅰ)の算定要件は①利用者の50%以上が日常生活自立度Ⅱ②認知症介護指導者養成研修(Ⅱは認知症介護実践リーダー研修)および認知症チームケア推進研修を修了した職員を1人以上配置③定期的にカンファレンスを開催し、利用者別にBPSDの評価・計画作成・ケア・アセスメント・再評価をチームで実施――。認知症専門ケア加算との併算定はできない。
昨年11月時点で、認知症GHにおける同加算(Ⅰ)の算定回数は1900回(算定率0.9%)、(Ⅱ)は8700回(同4.0%)(表)。

③について、厚労省は「認知症チームケア推進加算・ワークシート」の活用を推奨している。日頃の言動や健康状態・薬剤情報、生活環境などを様式に書き出し、BPSDの背景要因の分析やプラン作成を行いやすくする。
その中でBPSDの評価指標としているのがBPSD25Q。▽幻視・幻聴、徘徊・不穏、大声等の過活動スコア▽閉じこもり、傾眠傾向等の低活動スコア▽介護への抵抗、昼夜逆転等の生活関連スコア――で構成された25項目を、利用者の症状そのものを表す「重症度」と、職員の負担感を表す「負担度」でそれぞれ点数化する。
オリーブの家で認知症介護指導者の資格をもつ櫻井正子さんは「職員の経験年数や年齢、国籍によって、一人の利用者に対する視点や感じ方は異なります。BPSD25Qは、その人のどんな行動を特に気にかけるか、自分は何をすべきかが全職員で客観視し共有できる」と、チームケアに取組む上での有用性を高く評価する。
カンファレンスは月に一度ユニット別に開催。各月のワークシート作成担当者は、ほかの職員からの意見も参考にケア計画を作成する。
あわせて、同施設では認知症の人のケアマネジメント・センター方式も併用。「24時間生活変化シート」の時間軸に沿って、BPSDや生活面で気づいたことを記入し、背景要因を分析している。
その中でBPSDの評価指標としているのがBPSD25Q。▽幻視・幻聴、徘徊・不穏、大声等の過活動スコア▽閉じこもり、傾眠傾向等の低活動スコア▽介護への抵抗、昼夜逆転等の生活関連スコア――で構成された25項目を、利用者の症状そのものを表す「重症度」と、職員の負担感を表す「負担度」でそれぞれ点数化する。
オリーブの家で認知症介護指導者の資格をもつ櫻井正子さんは「職員の経験年数や年齢、国籍によって、一人の利用者に対する視点や感じ方は異なります。BPSD25Qは、その人のどんな行動を特に気にかけるか、自分は何をすべきかが全職員で客観視し共有できる」と、チームケアに取組む上での有用性を高く評価する。
カンファレンスは月に一度ユニット別に開催。各月のワークシート作成担当者は、ほかの職員からの意見も参考にケア計画を作成する。
あわせて、同施設では認知症の人のケアマネジメント・センター方式も併用。「24時間生活変化シート」の時間軸に沿って、BPSDや生活面で気づいたことを記入し、背景要因を分析している。
ひと月で負担度24→4へ
1カ月後のBPSD25Qは、職員の「負担度」が大きく低下する利用者も多いという。
不安げに歩き回り家に帰りたがる言動が強くみられる利用者は、重症度26→9、負担度24→4に低下。生活歴や日ごろの人間関係などから「居場所がなくて心細い」という背景要因や「人の役に立ちたい」という希望を引き出し、▽不安な素振りを見せ始めたら愛称で呼びかける▽苦手なレクのときは隣に座る▽個別に手伝いを頼む――など、その人らしい暮らしを実現するためのプランを立てて実行した結果だ。
「不慣れな職員に対して『寄り添ってあげて』ではなく『隣で手を握ってあげて』と指示を出せるようになった」と、具体的なケア手法を指導できるようになったことも加算のメリットだと櫻井さん。
「利用者がなぜ決まった時間帯に大声を出すのか分からず、関わるのを避けていた職員が、自分のやるべきことを理解して実行し、成功体験としてモチベーションにつながった例もあります。利用者一人ひとりと接する機会が毎月訪れ、職員にとっても大きな自信と成長につながります」と力強く話した。
(シルバー産業新聞2025年4月10日号)
不安げに歩き回り家に帰りたがる言動が強くみられる利用者は、重症度26→9、負担度24→4に低下。生活歴や日ごろの人間関係などから「居場所がなくて心細い」という背景要因や「人の役に立ちたい」という希望を引き出し、▽不安な素振りを見せ始めたら愛称で呼びかける▽苦手なレクのときは隣に座る▽個別に手伝いを頼む――など、その人らしい暮らしを実現するためのプランを立てて実行した結果だ。
「不慣れな職員に対して『寄り添ってあげて』ではなく『隣で手を握ってあげて』と指示を出せるようになった」と、具体的なケア手法を指導できるようになったことも加算のメリットだと櫻井さん。
「利用者がなぜ決まった時間帯に大声を出すのか分からず、関わるのを避けていた職員が、自分のやるべきことを理解して実行し、成功体験としてモチベーションにつながった例もあります。利用者一人ひとりと接する機会が毎月訪れ、職員にとっても大きな自信と成長につながります」と力強く話した。
(シルバー産業新聞2025年4月10日号)