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口腔連携強化加算「歯科と在宅介護の連携深める機会に」

昨年の介護報酬改定では口腔連携強化加算(50単位/回、月1回まで)が訪問系や短期入所系サービスに新設された。事業所職員が口腔の健康状態の評価を行い、利用者の同意を得て、歯科医療機関とケアマネジャーに対し、評価結果を情報提供した場合に算定ができる。ただし、歯科訪問診療料の算定実績がある歯科医療機関の歯科医師か歯科衛生士が、職員からの相談などに対応してもらう体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていることも要件となっている。
算定に向けたリーフレットを作成
横浜市にある中川駅前歯科クリニックの二宮威重院長は「歯科と介護の連携を深めるきっかけとなり得る」と同加算を評価する。実際に同クリニックでも地域の事業者に声をかけ、SNSでも「連携歯科医療機関をお探しなら気軽にご相談を」と呼び掛けている。
ただ、「単価の割に手間がかかりそう」と算定に消極的な介護事業者も少なくない。昨年7月提供分の実績で、訪問介護の算定回数は2900回、訪問看護1700回、定期巡回1300回、短期入所生活介護2700回に留まる。
厚生労働省は今年1月、日本老年歯科医学会が作成した同加算のリーフレットを紹介する事務連絡を発出した。リーフレットでは、訪問歯科診療を実施する歯科医療機関を検索できる医療情報ネット、取り決め文書の書式例などが紹介されている。
あわせて、介護職員等が口腔の健康状態の評価する際の項目や留意点も示されている。日本歯科医学会が作成した評価項目は▽開口▽歯の汚れ▽舌の汚れ――などの8項目についての可否や有無を確認する(表)。判断しやすいように、写真なども付けられている。「各項目の『できる』『できない』や『なし』『あり』にチェックを付けてメールやFAXで送ってもらえれば、情報提供としては十分。これならば、思っているほどの手間にはならないのではないか」(二宮院長)
ただ、「単価の割に手間がかかりそう」と算定に消極的な介護事業者も少なくない。昨年7月提供分の実績で、訪問介護の算定回数は2900回、訪問看護1700回、定期巡回1300回、短期入所生活介護2700回に留まる。
厚生労働省は今年1月、日本老年歯科医学会が作成した同加算のリーフレットを紹介する事務連絡を発出した。リーフレットでは、訪問歯科診療を実施する歯科医療機関を検索できる医療情報ネット、取り決め文書の書式例などが紹介されている。
あわせて、介護職員等が口腔の健康状態の評価する際の項目や留意点も示されている。日本歯科医学会が作成した評価項目は▽開口▽歯の汚れ▽舌の汚れ――などの8項目についての可否や有無を確認する(表)。判断しやすいように、写真なども付けられている。「各項目の『できる』『できない』や『なし』『あり』にチェックを付けてメールやFAXで送ってもらえれば、情報提供としては十分。これならば、思っているほどの手間にはならないのではないか」(二宮院長)
訴えがなくてもまずは確認
同クリニックには、地域の訪問看護師やケアマネジャーから利用者の相談が多く寄せられる。ただ、「歯が痛い」「入れ歯が合わない」など、本人の訴えや問題が生じてからの連絡がほとんどだという。
「本人の訴えがなくても、歯周病や汚れなど、口腔に問題を抱えている要介護者は非常に多い。早期介入は誤嚥性肺炎の予防にも繋がるし、糖尿病であれば歯周病の治療で血糖値が改善するケースなども多い。加算が歯科と在宅介護の連携を深めるきっかけとなることに期待したい」と二宮院長は話している。
「本人の訴えがなくても、歯周病や汚れなど、口腔に問題を抱えている要介護者は非常に多い。早期介入は誤嚥性肺炎の予防にも繋がるし、糖尿病であれば歯周病の治療で血糖値が改善するケースなども多い。加算が歯科と在宅介護の連携を深めるきっかけとなることに期待したい」と二宮院長は話している。

(シルバー産業新聞2025年3月10日号)