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特養「フラワーホーム」省力・省スペースで効果的なリハビリ
社会福祉法人山陵会が運営する「特別養護老人ホームフラワーホーム」(鹿児島県霧島市、黒岩尚文施設長、平均要介護度4.4)は、リフト導入で職員の負担軽減と、利用者の筋緊張軽減によるQOL向上の両面で成果を上げている。
ケアマネジャーの曽山俊一氏は「リフトは移乗介助だけでなく、ベッド上でのリハビリでも活用している。10月下旬から2週間で、両足尖足(せんそく=足の変形により足の甲側が伸び、踵を地面につけることができない状態)だった利用者の状態が改善し、可動域が拡大するなどの効果が見られた」と話す。
ベッド上の生活中心の利用者であっても、筋緊張をほぐすために足底を地面につけたリハビリを継続的に実施することが推奨されるが、特養は心身状態が不安定な利用者が多く、かつリハ職も少ないため、実施に困難を伴う。
そこで同施設では、床走行リフトを使いベッドに足底が付く位置まで吊り上げ、摩擦を軽減するスライディングシートの上で足を交互に歩く(擦る)ように動かす訓練を導入。5分程度の運動を毎日繰り返すことで、筋緊張の緩和と関節可動域の拡大につなげている(写真)。筋緊張の軽減は、おむつ交換での職員の負担軽減にも至った。
ベッド上の生活中心の利用者であっても、筋緊張をほぐすために足底を地面につけたリハビリを継続的に実施することが推奨されるが、特養は心身状態が不安定な利用者が多く、かつリハ職も少ないため、実施に困難を伴う。
そこで同施設では、床走行リフトを使いベッドに足底が付く位置まで吊り上げ、摩擦を軽減するスライディングシートの上で足を交互に歩く(擦る)ように動かす訓練を導入。5分程度の運動を毎日繰り返すことで、筋緊張の緩和と関節可動域の拡大につなげている(写真)。筋緊張の軽減は、おむつ交換での職員の負担軽減にも至った。
福祉用具事業者のリハ職が活用までを継続的に支援
省スペース・省人化で、安全に効果的なリハビリを行うアイデアは、リフトを購入した福祉用具事業者のカクイックスウィング(鹿児島県鹿児島市、岩元文雄社長)の作業療法士・湯脇稔氏によって考案された。
介護福祉士(ケアマネジャー)の前田さやか氏は「リハビリ的観点から、導入後にも湯脇氏には定期的に相談に応じてもらっている」と話す。
カクイックスウィングの有里昌一郎氏(同施設担当)は「生活期リハビリについて、専門職の立場からアドバイスをさせてもらっている。機器導入に留まらず活用できるまでの支援が求められている」と強調する。
介護福祉士(ケアマネジャー)の前田さやか氏は「リハビリ的観点から、導入後にも湯脇氏には定期的に相談に応じてもらっている」と話す。
カクイックスウィングの有里昌一郎氏(同施設担当)は「生活期リハビリについて、専門職の立場からアドバイスをさせてもらっている。機器導入に留まらず活用できるまでの支援が求められている」と強調する。
利用者のために職員を大切にする
副施設長の德永明美氏は「私たちの施設では利用者だけでなく、職員も大切にすることを掲げている。経営層も職員のための機器導入に理解を示しています」と語る。
介護テクノロジーに関しては、半分の居室に見守りセンサーを導入し、夜勤職員の負担軽減を図っている。副施設長の穂森健太郎氏は「夜勤・早出職員の確保が特に難しい。テクノロジーにより訪室回数を軽減することで、業務負担を軽減することは喫緊の課題だった。これに留まらず、センサーから集まるデータを活用し、より良いケアに活かすことを目指したい」と語る。
介護テクノロジーに関しては、半分の居室に見守りセンサーを導入し、夜勤職員の負担軽減を図っている。副施設長の穂森健太郎氏は「夜勤・早出職員の確保が特に難しい。テクノロジーにより訪室回数を軽減することで、業務負担を軽減することは喫緊の課題だった。これに留まらず、センサーから集まるデータを活用し、より良いケアに活かすことを目指したい」と語る。
(シルバー産業新聞2024年12月10日号)