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経産省 保険外サービスの事業継続モデル創出へ

経済産業省は5月28日に「高齢者・介護関連サービス産業振興に関する戦略検討会」(座長=駒村康平・慶應義塾大学教授)の取りまとめを報告した。公的サービスではまかないきれない在宅高齢者の介護需要受け皿拡大へ、介護保険外サービスの振興をはかるのが目的。高齢者の課題解決と、事業収益性確保の両立を目指す「産福共創モデル」を提起した。
同省の試算によると、仕事をしながら家族等の介護に従事するビジネスケアラーは2030年時点で318万人。これによる経済損失は年約9兆1792億円とされている。仕事と介護の両立を喫緊の課題に挙げ、その施策の一つに「介護需要の多様な受け皿整備」を位置づけ。同検討会で議論を行ってきた。
この日公表した取りまとめでは、まず保険外サービス振興は産業振興・社会保障制度の2つの視点で意義があると説明。前者は①AIなどの先端技術等を用いた新規性のあるサービスの社会実装促進②高齢者福祉との接点の創出による既存サービスの付加価値向上③仕事と介護の両立実現による現役世代のパフォーマンス向上――、また後者は①高齢者本人のQOL向上②公的介護保険財政、介護人材不足対策への貢献――が期待できるとした。
保険外サービスの範囲は「介護予防・社会参加支援」「日常生活支援」「生活機能維持・療養支援」「家族支援」に大別。「日常生活支援」で民間企業が提供するサービスでは定額家事や雑務代行、移動販売、オンデマンド交通などを例示する。
保険外サービス振興の課題も整理。サービス提供事業者はニーズ・需要量の把握や集客が困難であり、市町村は特定の民間事業者との連携に慎重(公平性への配慮)で、ノウハウが不足していること、ケアマネジャーはインセンティブの不足、本人・家族は情報アクセス力や経済力に乏しい点を挙げた。
こうした現状と課題を踏まえ、「目指すべき姿」に掲げたのが「産福共創」つまり、地域の高齢者福祉課題の解決だけに主眼を置くのではなく、サービス提供者の事業収益性確保も両立させるという考え方。実現のステップとして、まずは自治体と民間事業者双方が把握している高齢者ニーズ、地域資源等の情報共有を行い、その次に地域特性を踏まえた産福共創のモデルを開発するとした。
地域は市場性に応じて「高」「中」「低」の3つに分類。例えば大都市部・一般市が中心の市場性「高」エリアでは、サービス開発のラボ機能、複数企業と連携した支援体制構築など、他地域にも展開し得る新たな資源開発を先導するモデルをつくる。反対に中山間等地域の市場性「低」エリアは自然体でのビジネス成立が困難なため、公的事業との連携や住民互助活動の効率化といった必要性の高い資源の維持を図るモデルを想定する。
同時に、産福共創実現への戦略として①民間連携に関する自治体のインセンティブ・体制の強化②先進的な産福共創モデルの創出・評価・普及③サービス提供に関する周辺環境整備――の3つを提示。②については夏頃にはモデル地域を公募するとした。
この日公表した取りまとめでは、まず保険外サービス振興は産業振興・社会保障制度の2つの視点で意義があると説明。前者は①AIなどの先端技術等を用いた新規性のあるサービスの社会実装促進②高齢者福祉との接点の創出による既存サービスの付加価値向上③仕事と介護の両立実現による現役世代のパフォーマンス向上――、また後者は①高齢者本人のQOL向上②公的介護保険財政、介護人材不足対策への貢献――が期待できるとした。
保険外サービスの範囲は「介護予防・社会参加支援」「日常生活支援」「生活機能維持・療養支援」「家族支援」に大別。「日常生活支援」で民間企業が提供するサービスでは定額家事や雑務代行、移動販売、オンデマンド交通などを例示する。
保険外サービス振興の課題も整理。サービス提供事業者はニーズ・需要量の把握や集客が困難であり、市町村は特定の民間事業者との連携に慎重(公平性への配慮)で、ノウハウが不足していること、ケアマネジャーはインセンティブの不足、本人・家族は情報アクセス力や経済力に乏しい点を挙げた。
こうした現状と課題を踏まえ、「目指すべき姿」に掲げたのが「産福共創」つまり、地域の高齢者福祉課題の解決だけに主眼を置くのではなく、サービス提供者の事業収益性確保も両立させるという考え方。実現のステップとして、まずは自治体と民間事業者双方が把握している高齢者ニーズ、地域資源等の情報共有を行い、その次に地域特性を踏まえた産福共創のモデルを開発するとした。
地域は市場性に応じて「高」「中」「低」の3つに分類。例えば大都市部・一般市が中心の市場性「高」エリアでは、サービス開発のラボ機能、複数企業と連携した支援体制構築など、他地域にも展開し得る新たな資源開発を先導するモデルをつくる。反対に中山間等地域の市場性「低」エリアは自然体でのビジネス成立が困難なため、公的事業との連携や住民互助活動の効率化といった必要性の高い資源の維持を図るモデルを想定する。
同時に、産福共創実現への戦略として①民間連携に関する自治体のインセンティブ・体制の強化②先進的な産福共創モデルの創出・評価・普及③サービス提供に関する周辺環境整備――の3つを提示。②については夏頃にはモデル地域を公募するとした。
(シルバー産業新聞2025年6月10日号)