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2027年度介護報酬改定 特定施設への移行促進が焦点 住宅型有料老人ホームの「囲い込み」規制も
厚労省は7月9日の社会保障審議会介護給付費分科会で、2027年度介護報酬改定に向け、特定施設入居者生活介護のあり方を議論した。住宅型有料老人ホームなどでも中重度者や医療ニーズのある高齢者が増える中、特定施設への移行促進、併設事業所による「囲い込み」への対応、協力医療機関との連携強化が論点となった。
有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を合わせた施設のうち、特定施設の指定を受けているのは約2割にとどまる。また、住宅型有料老人ホームやサ高住の供給量を、介護保険事業計画の施設整備量を見込む際に考慮している自治体は約3割だった。
委員からは、住宅型有料老人ホームでも中重度者や医療ニーズのある入居者が増えているとして、安全確保の観点から特定施設への移行を促す必要があるとの指摘があった。また、住宅型有料老人ホームなどが、同一・系列法人の訪問介護事業所等を集中的に利用させる「囲い込み」によって収益を確保し、介護保険財政を圧迫しているとの懸念も示された。移行を後押しする報酬上のインセンティブや、不適切なサービス提供に対する規制を求める意見が出た。
住宅型と特定施設では、入居者の排泄自立度などに大きな差がみられないとの調査結果を踏まえ、一般型だけでなく、入居者への介護を外部の訪問介護、訪問看護事業所などに委託する外部サービス利用型も含め、移行を検討すべきとの意見もあった。
外部サービス利用型は、施設が生活相談、安否確認、ケアプラン作成を担い、介護サービスを外部事業者に委託する仕組みである。ただし、訪問看護や通所介護などの委託サービスの報酬は原則として通常の基本報酬の9割で、要介護5の限度単位数は2万4533単位と、居宅サービスの区分支給限度基準額3万6217単位を大きく下回る。算定できる加算も一般型より限られており、普及していない。
指定をめぐっては、総量規制も障壁となっている。介護保険事業計画で定めた必要利用定員に達した場合、都道府県や市町村は新たな指定を行わないことができる。委員からは、地方には特定施設への移行を希望しても指定を受けられない事業者があるとして、地域別の実態を示すよう求める声や、外部サービス利用型より一般型の特定施設を推進すべきとの意見が出た。
医療連携では、特定施設の73.6%が、入居者の急変時に常時相談でき、必要に応じて診療を行う協力医療機関を確保していると報告された。委員からは、協力医療機関との連携について、現在の努力義務から、特養などと同様に義務化する方向で検討すべきとの意見が出た。
また、看護職員の配置基準が、入居者30人までは1人、30人を超える場合は50人ごとに1人と手薄であることを踏まえ、看取りや医療的処置を必要とする入居者の増加に対応するため、看護職員の配置基準や報酬上の評価を見直すよう求める声も上がった。


