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27年改定へ 小多機・看多機・GH再点検

27年改定へ 小多機・看多機・GH再点検

 5月25日に開かれた第257回社会保障審議会介護給付費分科会で、2027年介護報酬改定に向けた各論がスタートした。この日は小規模多機能型居宅介護(小多機)、看護小規模多機能型居宅介護(看多機)、認知症対応型共同生活介護(認知症GH)の3サービスが議題に。いずれも地域包括ケアの受け皿として期待される一方、人材確保、利用者確保、医療・看取り対応、地域偏在、加算体系の複雑化が課題に挙がった。委員からは、柔軟なサービス提供を支える報酬評価や、本人・家族が安心して利用できる支援継続の仕組みを求める意見が相次いだ。

小多機 登録者確保と支援継続が課題

 小多機は、「通い」を中心に「訪問」「泊まり」を組み合わせ、中重度になっても在宅生活を続けられるよう支えるサービス。登録定員は29人以下で、報酬は要介護度別の月単位定額報酬。厚生労働省によると平均利用回数は1月当たり、通い14.8回、訪問17.4回、宿泊6.0回で、訪問・泊まりを含めた柔軟な支援を行っている。

 請求事業所数は26年1月時点で5247事業所、前年同月比2.5%てきたが、直近3年は連続して減少した。受給者数も11.1万人、同2.1%減で、21年3月をピークに減少傾向にある。

 一方、収支差率は22年度3.5%、23年度5.2%、24年度6.0%で推移する。利用者は要介護3〜5が42.9%、独居が約46%、認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上が約37%を占める。

 区域外指定による利用者がいる小多機事業所は4.6%にとどまる。区域外利用には「利用者確保につながる」「他自治体のサービス不足を補える」との利点がある。一方で、移動コストが大きくなるという声が59.6%、地域密着型サービスの原則に反するとの懸念が38.5%あった。
論点

 今回国が示した論点は、人材確保や利用者確保に困難を感じる事業者がある中で、小多機のサービス提供体制をどう確保するか、中重度となっても在宅生活を継続するための受け皿として役割や評価をどう考えるか。看多機・GHともに算定率が低い加算や高い加算の整理は検討課題。

発言

 奥塚正典委員(大分県中津市長)は、都市部と中山間地域を抱える自治体の立場から、小多機は在宅支援に重要なサービスだと評価し、地域の実情に応じた柔軟な人員基準の検討を求めた。

 濵田和則委員(日本介護支援専門員協会)は、赤字事業所が多く登録者が一定数に達しないと経営が難しいと指摘。夜勤体制のある施設を本体とみなし、利用者が増えるまでサテライト型に近い基準を適用する緩和策を提案した。

 また、和田誠参考人(認知症の人と家族の会)は、小多機を利用したくても踏み切れない壁の一つに、ケアマネジャーの交代があると指摘。在宅で介護してきた認知症の人や家族にとって、これまで支えてくれたなじみのケアマネジャーが変わることは、新たな関係づくりなど計り知れない負担感を伴うと述べた。

 田中志子委員(日本慢性期医療協会)も、それまで関わっていた居宅介護支援のケアマネジャーから変更される点に言及。情報管理が閉鎖的になり、状態が変わっていく高齢者を支援する上で連携しにくいとして、ケアマネジメントのあり方を見直す必要性を示した。

看多機 退院直後・看取り支える評価を

 看多機は、小多機に訪問看護を組み合わせ、退院後の在宅移行、病状不安定期、看取り期、家族のレスパイトに対応するサービス。通い、泊まり、訪問介護、訪問看護を一体的に提供し、登録利用者以外にも訪問看護や宿泊サービスを提供できる。

 請求事業所数は1160事業所で前年同月比5.6%増、受給者数は2.4万人で5.5%増、費用額は75億円で6.7%増と、いずれも増加している。ただし、地域差は大きい。看多機事業所がない自治体は1265市町村に上り、全体の7割を超える。

 利用者は要介護3以上が約64%、平均要介護度は3.2で、小多機の2.4、特定施設や認知症GHの2.7より中重度者が多い。利用終了者では医療機関への入院や死亡、看取りの割合が高く、看多機事業所内での看取り(25年4月〜9月の6カ月、1事業所)は平均1.2人と、自宅での看取り0.8人を上回った。
論点

 看多機の論点では、医療ニーズを有する中重度の要介護者の生活を支える地域の拠点として、安定的なサービス提供をどう確保するかが示された。退院直後、医療的ケア、看取り、緊急対応、家族支援を実際に担っていることを、報酬上どのように評価するかが焦点となる。

発言

 長内繁樹委員(全国市長会、大阪府豊中市長)は、介護保険外の居住サービスや医療特化型の有料老人ホーム、提携訪問看護事業所の増加により、看多機の新規参入が難しくなっていると指摘した。

 田母神裕美委員(日本看護協会)は、退院直後やターミナル期は利用者の状態が不安定で、泊まりや訪問看護など手厚い対応が必要になるため、評価の充実が必要だと主張。また、看取り期などで通いが難しくなった利用者が入浴を希望する場合、事業所の設備では機械浴に対応できず、外部の訪問入浴介護を事業所負担で利用している実態にも触れた。

認知症GH 医療連携と地域拠点機能の強化へ

 認知症グループホームは、認知症高齢者が共同生活住居で、家庭的な環境と地域住民との交流のもと生活するサービス。1事業所当たり3ユニットまで、1ユニット5〜9人で運営される。

 請求事業所数は1万4184事業所で前年同月比0.5%減、受給者数は21万9700人で0.1%減、費用額は672億円で0.2%増だった。近年は微増傾向で推移してきたが、直近では事業所数、受給者数ともに微減となっている。収支差率は22年度3.5%、23年度4.5%、24年度4.9%で推移する。24年改定でGHの医療連携体制が強化された。医療連携体制加算の見直し(看護師の配置、医療的ケアの受入れ)、協力医療機関との連携体制の構築(急変時の相談対応、定期的な会議)等。実施率が低い。
論点

 グループホームの論点では、医療ニーズへの対応の更なる強化、介護人材の有効活用に向けた方策に加え、地域に開かれた拠点としての役割をさらに発揮するための方策が示された。医療連携、看取り、夜勤体制、地域交流、相談機能の実効性が問われる。

発言

 濵田委員は、協力医療機関との連携体制は進んできたが、なお道半ばであるとして、都道府県、保健所、市町村、医療関係団体の支援.協力のもとで促進するよう求めた。特に中山間地域では医療圏が広く、近隣に協力医療機関に相当する医療機関が少ない可能性があると指摘した。

 及川ゆりこ委員(日本介護福祉士会)は、地域密着型サービスは単に介護サービスを提供するだけでなく、地域住民の生活継続を支える地域の支援拠点としての機能が求められると指摘した。地域コミュニティの中核として、利用者本人だけでなく家族や地域全体を支える役割を果たす必要があると述べた。
(シルバー産業新聞2026年6月10日号)

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