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インタビュー 上野賢一郎厚生労働大臣「介護の処遇改善は喫緊の課題」
上野賢一郎厚生労働大臣は本紙の取材に応じ、総額1920億円規模となる補正予算での処遇改善策や、今年6月に実施する臨時の介護報酬改定の狙いについて語った。また、賃上げ支援にとどまらず、ICT・介護ロボットの活用促進、ケアマネジャー支援、福祉用具の普及拡大までを含めた総合的な対策の重要性を強調した。(取材日:1月16日)
補正予算での賃上げ支援策
――今年度の補正予算で総額1920億円規模の介護職員の賃上げ支援策を実施されます。
介護職員の賃金は改善傾向にはあるものの、他産業との差は依然として大きく、近年はその差が拡大しつつある状況にある。今後さらに高齢化が進展する中で、人材確保の観点からも、また賃上げが社会全体の大きな課題となっている現下の状況を踏まえても、介護分野の処遇改善は喫緊の課題である。
こうした認識のもと、令和7年度補正予算においては、医療・介護を一体とした総合的なパッケージの中で、介護職員および介護従事者の賃上げに資する支援を行うこととした。
今回の処遇改善策では、ケアマネジャーを含む幅広い介護従事者に対し、月額1万円相当の賃上げを実施する。また、介護職員については、生産性向上などに取り組む事業者を要件として、月0.5万円の支援を行い、さらに職場環境改善を実施した場合には最大1.9万円となる。
さらに、総理から強く指示を受けているのが補正予算の早期執行である。総務省とも連携して都道府県への周知も進めてきたところであり、昨年の同様の対応と比べて約3カ月前倒しでの執行を目標に取り組んでいるところである。
介護職員の賃金は改善傾向にはあるものの、他産業との差は依然として大きく、近年はその差が拡大しつつある状況にある。今後さらに高齢化が進展する中で、人材確保の観点からも、また賃上げが社会全体の大きな課題となっている現下の状況を踏まえても、介護分野の処遇改善は喫緊の課題である。
こうした認識のもと、令和7年度補正予算においては、医療・介護を一体とした総合的なパッケージの中で、介護職員および介護従事者の賃上げに資する支援を行うこととした。
今回の処遇改善策では、ケアマネジャーを含む幅広い介護従事者に対し、月額1万円相当の賃上げを実施する。また、介護職員については、生産性向上などに取り組む事業者を要件として、月0.5万円の支援を行い、さらに職場環境改善を実施した場合には最大1.9万円となる。
さらに、総理から強く指示を受けているのが補正予算の早期執行である。総務省とも連携して都道府県への周知も進めてきたところであり、昨年の同様の対応と比べて約3カ月前倒しでの執行を目標に取り組んでいるところである。
介護報酬の臨時改定
――今年の6月には介護報酬改定の期中改定も実施します。
令和6年度に報酬改定を行ったが、公定価格という性質上、賃上げという観点では、他職種と比較して依然として厳しい状況が続いている。
こうした中、政府として他職種と遜色のない処遇改善を実現する方針のもと、令和9年度を待たず、期中での報酬改定を実施することを決定した。
具体的には、介護職員に限らず、介護分野で働くすべての職員に対し、月額1万円、率にして約3.3%の賃上げを実施する。また、生産性向上などに取り組む事業者に勤務する介護職員については、月額7000円の上乗せ措置を講じる。
これにより、定期昇給分を含めると、介護職員については最大で月額約1.9万円、率にして約6.3%程度の賃上げが実現する水準となる。
――今回の改定では、単年度でプラス2.03%という、実質的に過去最高水準の改定率となりました。
現下の経済状況を見ると、介護事業者の経営環境や賃上げの状況は極めて厳しい。こうした状況を改善することは、政府としても重要な方針の一つである。また、物価高が続く中で、介護業界をはじめ多くの関係者が処遇改善の実現に向けて力を結集して取り組んできたことも、大きな要因であると認識している。
――他産業との賃金差は依然として大きい状況です。
今回の期中改定により、最大6.3%の賃上げが可能な水準となった。他産業の賃上げ動向を見極める必要はあるが、賃金差は一定程度縮小されると考えている。
ただし、これを一過性の措置にとどめるのではなく、物価高やインフレが今後も続くことを踏まえれば、「物価高に負けない賃上げ」を政府全体で掲げている以上、介護分野においても継続的な対応が不可欠である。今後も必要な対策を講じていく考えだ。
令和6年度に報酬改定を行ったが、公定価格という性質上、賃上げという観点では、他職種と比較して依然として厳しい状況が続いている。
こうした中、政府として他職種と遜色のない処遇改善を実現する方針のもと、令和9年度を待たず、期中での報酬改定を実施することを決定した。
具体的には、介護職員に限らず、介護分野で働くすべての職員に対し、月額1万円、率にして約3.3%の賃上げを実施する。また、生産性向上などに取り組む事業者に勤務する介護職員については、月額7000円の上乗せ措置を講じる。
これにより、定期昇給分を含めると、介護職員については最大で月額約1.9万円、率にして約6.3%程度の賃上げが実現する水準となる。
――今回の改定では、単年度でプラス2.03%という、実質的に過去最高水準の改定率となりました。
現下の経済状況を見ると、介護事業者の経営環境や賃上げの状況は極めて厳しい。こうした状況を改善することは、政府としても重要な方針の一つである。また、物価高が続く中で、介護業界をはじめ多くの関係者が処遇改善の実現に向けて力を結集して取り組んできたことも、大きな要因であると認識している。
――他産業との賃金差は依然として大きい状況です。
今回の期中改定により、最大6.3%の賃上げが可能な水準となった。他産業の賃上げ動向を見極める必要はあるが、賃金差は一定程度縮小されると考えている。
ただし、これを一過性の措置にとどめるのではなく、物価高やインフレが今後も続くことを踏まえれば、「物価高に負けない賃上げ」を政府全体で掲げている以上、介護分野においても継続的な対応が不可欠である。今後も必要な対策を講じていく考えだ。
介護ロボット・ICT活用
――介護テクノロジーの活用について。現在の導入状況や、活用の必要性・重要性についてお聞かせください。
介護現場におけるICTやロボットの導入率は現在約3割であり、まずは令和8年度までに5割という目標に向け、着実に推進していく必要がある。
介護テクノロジー等の活用により、業務の効率化や職員の負担軽減が進み、高い効果が確認されている。こうした取組は、結果として利用者の満足度向上にもつながる。私自身も先日、生産性向上に先駆的に取り組む介護現場を視察し、介護テクノロジーの活用によって業務の効率化や職員の負担軽減が進み、より効率的な体制構築に大きな効果があることを改めて実感した。
令和6年度介護報酬改定では、生産性向上に向けた新たな加算を創設した。今後も引き続き、生産性向上に資する取組を検討・推進していく。
介護現場におけるICTやロボットの導入率は現在約3割であり、まずは令和8年度までに5割という目標に向け、着実に推進していく必要がある。
介護テクノロジー等の活用により、業務の効率化や職員の負担軽減が進み、高い効果が確認されている。こうした取組は、結果として利用者の満足度向上にもつながる。私自身も先日、生産性向上に先駆的に取り組む介護現場を視察し、介護テクノロジーの活用によって業務の効率化や職員の負担軽減が進み、より効率的な体制構築に大きな効果があることを改めて実感した。
令和6年度介護報酬改定では、生産性向上に向けた新たな加算を創設した。今後も引き続き、生産性向上に資する取組を検討・推進していく。
ケアマネジャー支援
――ケアマネジャーの数が減少傾向にあります。
ケアマネジャーは在宅介護を支える要であり、人材確保、働く環境の整備、処遇改善はいずれも極めて重要である。
昨年末の介護保険部会における意見書では、いわゆるシャドウワークの課題について、市町村の地域ケア会議などを活用し、地域課題として実効的な解決につながる取組を推進していくことが提案された。
また、受験要件となる国家資格の追加、実務経験年数を5年から3年へ見直すこと、資格更新制の廃止などについても、今後、実施に向けて議論を進めていく予定である。これらの取組を通じ、ケアマネジャーがより働きやすい環境を整備していきたい。
処遇改善については、補正予算および期中改定により対応するとともに、今後もケアマネジャーの人材確保や定着に向けて取り組んでいく。
ケアマネジャーは在宅介護を支える要であり、人材確保、働く環境の整備、処遇改善はいずれも極めて重要である。
昨年末の介護保険部会における意見書では、いわゆるシャドウワークの課題について、市町村の地域ケア会議などを活用し、地域課題として実効的な解決につながる取組を推進していくことが提案された。
また、受験要件となる国家資格の追加、実務経験年数を5年から3年へ見直すこと、資格更新制の廃止などについても、今後、実施に向けて議論を進めていく予定である。これらの取組を通じ、ケアマネジャーがより働きやすい環境を整備していきたい。
処遇改善については、補正予算および期中改定により対応するとともに、今後もケアマネジャーの人材確保や定着に向けて取り組んでいく。
福祉用具の活用
――省人化や省力化の観点から、福祉用具の活用も重要ではないでしょうか。
生産年齢人口が減少していく中で、福祉用具の活用も極めて重要である。現在、約260万人の高齢者が福祉用具レンタルを利用しており、今後さらに普及が進むよう後押ししていきたい。
さらに、福祉用具分野においても、通信機能など、さまざまな技術革新が進むと見込まれる。こうした福祉用具サービスの利用を進めることで、利用する方の生活の質の向上にもつながる。そういった面でも福祉用具は非常に大切なものと考えている。
(シルバー産業新聞2026年2月10日号)
生産年齢人口が減少していく中で、福祉用具の活用も極めて重要である。現在、約260万人の高齢者が福祉用具レンタルを利用しており、今後さらに普及が進むよう後押ししていきたい。
さらに、福祉用具分野においても、通信機能など、さまざまな技術革新が進むと見込まれる。こうした福祉用具サービスの利用を進めることで、利用する方の生活の質の向上にもつながる。そういった面でも福祉用具は非常に大切なものと考えている。
(シルバー産業新聞2026年2月10日号)


