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解説 補正予算 介護テクノロジー導入支援

解説 補正予算 介護テクノロジー導入支援

 総額18.3兆円となる今年度の補正予算が12月16日に成立した。介護テクノロジーの活用等で生産性向上をはかる「介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等支援事業」は今年度も継続。予算規模は前年度から1割増の220億円で、補助率も一部引上げとなる。

 介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等支援事業は、補正予算の主要施策「医療・介護等支援パッケージ」の一つ。(1)生産性向上の取組を通じた職場環境改善(2)複数事業者による協働化等の支援、経営改善支援モデル事業の実施(3)都道府県等による伴走支援等の実施――に対し、必要な経費を補助する(表)。

 介護テクノロジー等の導入補助は(1)の職場環境改善で実施。補助率は75%(事業者負担25%)から80%(同20%)に引き上げる。導入促進のため全老健などが主張してきた事業所負担軽減が実現する形に。加えて、昨年6月に政府が策定した「省力化投資促進プラン」の影響もある。同プランでは今後の生産年齢人口減少を見据え、介護テクノロジーの計画的・継続的な導入をはかり、「2040年に▲20%以上の業務効率化を行う」との内容が明記されている。

生産性加算取得促進の足がかりか

 補助対象となる介護テクノロジー機器はこれまでと同様、テクノエイド協会が付与するTAISコード取得製品のうち「介護テクノロジー」に登録されているものがベースだが、今回は「見守り機器・介護記録ソフト・インカムへの集中的な支援を行う」とされる。理由として業務時間削減効果を挙げ、特に小規模事業者も含めより広く事業者へ普及するため、介護記録ソフト導入前後の定着促進費用や、Wi―Fi環境整備費用も補助対象に含める。

 見守り支援機器・介護記録ソフト・インカムはいずれも介護報酬「生産性向上推進体制加算」(施設系・居住系・多機能系)の要件を満たすための機器。加算Ⅰ(月100単位)は全種類かつ見守り機器、インカムの全床(職員)導入、加算Ⅱ(月10単位)はいずれか1種類(見守り機器は1室でも可)の導入が要件となる。今回の「集中的な支援」は、同加算の算定を伸ばしていく意図が考えられる。

 厚労省の介護給付費実態統計では、昨年5月実績で同加算(Ⅰ+Ⅱ)を算定する利用者の割合は特定施設38.3%、特養34.1%、老健36.6%、介護医療院15.5%など。加算Ⅰは特定施設が9.1%で最も高い(グラフ)。

申請集中期間は夏頃

 例年のスケジュールでいくと、実施要綱が示されるのは2〜3月頃。これを基に都道府県が窓口準備に入るため、介護事業所の申請時期は早くて5月頃から。毎年6〜7月にピークを迎える。申請期間が数週間に限定している都道府県もあるため注意が必要だ。

 なお、介護テクノロジーの導入は医療介護総合確保基金(本予算)でも活用が可能だが、より生産性向上へのタスクが明確な同支援事業(補正予算)の創設以降、多くの都道府県は同支援事業を主体に運用。23年度補正+24年度基金の実績でみると、補正のみが38道府県、基金併用が7都県(栃木、東京、石川、三重、徳島、福岡、沖縄)、基金のみは新潟の1県、両予算とも無しが山口の1県だった。24年度補正予算の補助額(国庫補助分)は総額185.5億円。最も多い補助額は東京の30.6億円、全介護事業所で割った1事業所あたり補助額は鳥取が21.5万円で最高だった。新潟は23年に続き計上していない。

 この他、同支援事業(1)では、地域全体で生産性向上の取組を普及・推進する事業の実施も対象に。都道府県が主導し、ケアプランデータ連携システム等を活用した居宅介護支援と居宅サービスとの連携促進などを支援する(補助率100%)。

 また、(2)の経営改善支援モデル事業は、小規模事業者など複数事業者による人材募集、合同研修会等の実施や、福祉医療機構(WAM)による経営分析費用を補助(補助率80%)。(3)は小規模事業所等に対するICT導入、協働化等の伴走支援に必要な都道府県の体制整備を目的とする。
(シルバー産業新聞2026年1月10日号)

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