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県唯一の社会福祉連携推進法人 災害時連携を即実践

秋田圏域社会福祉連携推進会(以降「連携推進会」)は東北初の社会福祉連携推進法人として2023年8月に認定された。参加法人は正和会(潟上市)、敬仁会(潟上市)、双山会(三種町)、秋田県民生協会(北秋田市)の4法人。賛助会員に潟上市社会福祉協議会、青嵐会(由利本荘市)の2法人が加わる(いずれも社会福祉法人)。法人本部を正和会に置く。
正和会前理事長で県医師会長を務めた小玉弘之氏(今年6月逝去)はコロナ禍、秋田県下で感染拡大防止の陣頭指揮をとった。「その経験から、医療・介護経営には法人の垣根を越えた連携が欠かせないと訴え続けてきた」と連携推進会事務局の三浦巧陽氏。連携推進会設立は同氏の熱意の結晶だと表現する。
7月現在、国が示す連携推進法人の業務のうち▽地域福祉支援▽災害時支援▽経営支援▽人材確保等▽物資等供給――を実施。参加法人の年会費15万円×4法人、賛助会員2万円×2法人、計64万円を事業予算とする。「貸付業務は予算上難しく、原則行わないことにしている」と髙橋直樹理事は説明する。
7月現在、国が示す連携推進法人の業務のうち▽地域福祉支援▽災害時支援▽経営支援▽人材確保等▽物資等供給――を実施。参加法人の年会費15万円×4法人、賛助会員2万円×2法人、計64万円を事業予算とする。「貸付業務は予算上難しく、原則行わないことにしている」と髙橋直樹理事は説明する。
認定目前の豪雨
設立の前月、23年7月に秋田豪雨災害を経験した。正和会が運営する湖東老健が全館床上浸水の被害に遭ったが、入所者の移送人員・車両の手配、施設受入に参加法人の協力が得られた。「連携推進会の準備期間だったこともあり、既に顔の見える関係はできていた」(髙橋理事)。河川が近い湖東老健は、過去3回災害経験があったため、町の避難命令を待たずに判断。浸水前に全入所者85人の一時避難が完了した。
また、24年1月の能登半島地震では参加4法人が協力し、七尾市の特養等へ22人(医師2、看護師3、リハビリ職1、介護職11、業務担当5)の支援チームを派遣。3日間、入所者の介助や復旧作業に協力した。三浦氏は「実際の被災と支援を経て、その後参加法人間の緊急連絡網整備や、備蓄品確保の充実へとつながった」と述べる。
また、24年1月の能登半島地震では参加4法人が協力し、七尾市の特養等へ22人(医師2、看護師3、リハビリ職1、介護職11、業務担当5)の支援チームを派遣。3日間、入所者の介助や復旧作業に協力した。三浦氏は「実際の被災と支援を経て、その後参加法人間の緊急連絡網整備や、備蓄品確保の充実へとつながった」と述べる。
一括購入は諸課題
人材等確保業務では昨年度、診療・介護報酬改定や障がい者制度などをテーマにした共同研修会を5回実施。のべ400人以上が参加した。今年は各参加法人が企画立案したものを実施する予定だ。
また、参加法人の特養施設長、老健事務長、介護科長、事務担当などが集まり、各法人の取組等を共有する「意見交換会」を昨年度は4回実施した。
「介護報酬の算定状況、福利厚生・待遇への関心が特に高かった」と髙橋氏は話す。その中で衛生用品等の一括購入も議論したが、「例えば紙おむつはメーカー、商品、そして仕入業者が施設ごとに異なる。これを統一、整理するのは相当手ごわい」と髙橋氏。引き続き一括購入の方法や対象物品の可能性を模索すると語った。
また、参加法人の特養施設長、老健事務長、介護科長、事務担当などが集まり、各法人の取組等を共有する「意見交換会」を昨年度は4回実施した。
「介護報酬の算定状況、福利厚生・待遇への関心が特に高かった」と髙橋氏は話す。その中で衛生用品等の一括購入も議論したが、「例えば紙おむつはメーカー、商品、そして仕入業者が施設ごとに異なる。これを統一、整理するのは相当手ごわい」と髙橋氏。引き続き一括購入の方法や対象物品の可能性を模索すると語った。

意見交換会の様子
この他、地域福祉支援では秋田県民生協会が昨年、「秋田100キロチャレンジマラソン」を引き継いだ。同法人の協力要請を受け、参加法人から医師、看護師、その他ボランティアを派遣し、9月22日の大会当日は救護所、給水所などで運営スタッフとして協力した。今年は9月28日に開催される。

昨年の「秋田100キロチャレンジマラソン」
(シルバー産業新聞2025年8月10日号)