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ケアマネ全国大会 800人が四国に集結

ケアマネ全国大会 800人が四国に集結

 日本介護支援専門員協会は8月31日、9月1日の2日間、徳島市で「第13回日本介護支援専門員協会全国大会in四国」を開催し、全国からおよそ800人のケアマネジャーが参加した。

(シルバー産業新聞2019年9月10日号)

会長 「日頃の実践を学び合い 振り返る場に」

今大会のテーマは「つながり支え愛 広がる未来 ~新時代の幕開けは四国から~ 」。シンポジウムなどさまざまなプログラムが催された。大会長を務めた日本介護支援専門員協会の柴口里則会長はあいさつで、「日頃の実践を学び合い、振り返る場にしてほしい」と呼びかけた。

厚労省「通いの場がまちを変える」

 初日は厚生労働省の大島一博老健局長が地域づくりをテーマに講演した。全国に9万カ所あるとされる高齢者の「通いの場」について、「参加することで元気になる。集まることで地域に繋がる。繋がる地域がまちを変えていく」とし、「通いの場がまちを変える」と説明。「ただ実際に取り組みだすと、参加者が少ないとか、男性が来てくれないとか、さまざまな課題が出てくると思うがそれでいい。『じゃあ、どうしようか』と地域で検討を重ねることこそが、地域づくりを深めていく」と強調した。
 また、地域の互助を育む方策として、認知症サポーター活用の取り組みを紹介した。ステップアップ研修を受講した認知症サポーターが、認知症の人を支える地域の多職種チーム「チームオレンジ(仮称)」に参画。全国に1,000万人以上いるサポーターを活用し、認知症の人のささいな困りごとなどを支援する仕組みとして、すでにモデル事業をスタートしていることを報告した。

大島一博 老健局長

 記念講演では、日本医師会常任理事の江澤和彦氏が登壇。江澤氏は、ケアプランを立てる際に、主治医意見書の「医学的管理の必要性」の項目に注目すべきと説明。「医学的管理の必要性」は訪問診療や訪問看護、訪問リハなど、主治医が必要性の高いサービスをチェックする。「この項目を確認したうえで、プランを検討してほしい」と呼びかけた。
 また、江澤氏は個浴対応や24時間365日面会OKなど自身の施設の取り組みを紹介。「好きで病気や障がいを抱える人などいない。誰もがその人にとっての普通の生活を望んでいて、その生活を実現すること、つまり尊厳の保証を実行することこそが我々の役割だ」と結んだ。

日本医師会・江澤和彦 氏

「一人ケアマネ会」 立ち上げなど日々の実践を報告

 「新時代の介護支援専門員のあり方を自ら問う~介護支援専門員の未来像~」をテーマにしたシンポジウムでは居宅介護支援、地域包括支援センター、小規模多機能型居宅介護、認知症グループホームのケアマネジャーが、それぞれの取り組みを報告した。松山市地域包括支援センター生石・味生の主任ケアマネ、宮地亨さんは地域のケアマネジャーを支援する活動を紹介。一人事業所の「相談できる人がいない」「自分のやり方が正しいのか不安」などの声を受け、「一人ケアマネの会」を立ち上げた。情報提供やケース検討を通じて、不安の解消やスキルアップに繋がったという。
 香川県の居宅介護支援事業所「扇ケアプランセンター」の長田志保さんは、地域の高齢者向けの勉強会の開催など、地域連携の活動を報告した。近所のお寺など、地域住民にとって身近で訪れやすい場所で勉強会を開くなど、さまざまな工夫を紹介。「待っていても地域との接点はできない。老人会に参加するなど、自ら地域の中に入り、地域の力を高めていく努力が大切だ」と強調した。

地域での実践を報告

 シンポジウムではアドバイザーとして大島局長も壇上にあがった。会場から寄せられた、ケアマネジャーの国家資格化についての質問に、大島氏が応じる場面があった。「現在、国家資格に関する法案は議員立法でしか提出できないルールがあり、行政はタッチできない仕組み。したがって、政治的な活動が必要になり、そうなると協会の組織率などがポイントとなってくるのではないか」と説明した。
 次回は栃木県、茨城県、群馬県の合同開催で、栃木県で開催される。

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