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【給付分析】短期入所・短期利用 在宅介護支える多様な提供システム

【給付分析】短期入所・短期利用 在宅介護支える多様な提供システム

 ショートステイは在宅療養者の短期間の「泊まり」ニーズを支えるもので、かつては通所介護と訪問介護とともに3大在宅介護サービスと称された。しかし、2019年10月審査分で、ショートステイは、主に特養で提供される「短期入所生活介護」(356億円、予防除く、以下同じ)と主に老健で提供される「短期入所療養介護」(48億円)とを合わせて、全サービス費用額8633億円の4.7%にあたる404億円に止まっている。16年10月の費用額382億円(全サービスの4.7%は変わらず)と比べると、3年間で22億円(+5.7%)増加した。

 同期間(16/10~19/10の間)で、通所介護は1058億円(全サービスの12.7%、+7.5%)、訪問介護は761億円(全サービスの9.0%、+7.7%)と比べると、伸びは抑えられている。

 ショートステイの請求事業所数(19/10時点)でみると、短期入所生活介護は1万674事業所(3年間で+4.3%)、短期入所療養介護は3833事業所(同▲55事業所)。短期入所療養介護(19/10)の請求事業所数は、16年度にはなかった介護医療院からの提供が増えた(34事業所)が、一方で病院療養病床からの提供が減少した(▲112事業所)。

 ショートステイには、一般に「ロングステイ」とも呼ばれる長期間の継続利用がある。現在、制度上、連続利用は30日が限度で、1日休んで改めて利用を継続する。特養利用の待機時や入所試用のための利用が多い。

 今記事で確認したかったのは、特定施設やGH、小規模多機能などに設定された短期利用の活用状況。空室を活用してショートステイサービスを提供する仕組みだ。これとは別に、いわゆる「お泊まりデイ」と呼ばれる昼間はデイサービス利用、時間外や深夜は自費利用で、提供される仕組みもある。介護保険以前からの地域の高齢者を受け止めていた「宅老所」があり、介護保険後に通所介護事業所となり介護報酬収入を確保し、利用者負担の軽減や事業継続が行われてきた。

 その後、定員10人程度の小規模型通所介護事業所の指定を受けて「お泊まりデイ」を提供する形も生まれた。2016年には、地域密着型通所介護(定員18人)となり、保険者の指定権限と指導によるコントロールが実施されるようになった。この動きを前後して、他の宿泊のある介護保険サービスに、ショートステイに匹敵する短期利用型が設定された。

 短期利用型の費用額でみると、19年10月時点で、特定施設入居者生活介護(短期利用)6100万円(特定施設の総費用額460億円の0.1%)、GH(短期利用)2800万円(GHの総費用額572億円の0.04%)、小規模多機能型居宅介護(短期利用)1500万円(小規模多機能の総費用額217億円の0.06%)。ほかに短期利用は、地域密着型特定施設、看護小規模多機能に設定されている。

厳しい新型コロナの影響

 21年3月審査分の短期入所の費用額は、19/10の▲9.6%の365億円に落ち込んだ。短期入所生活介護は▲6.7%だが、短期入所療養介護は▲31.0%と大幅な減少になった。利用控えとサービス自粛の両面がある。

 介護の必要がある人の泊まりニーズを受け止めるショートステイは、多様な形で提供されるようになった。利用状況は大きくは伸びていないが、在宅介護をしっかり支えている。

(シルバー産業新聞2021年8月10日号)

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