ニュース
外国人人材の訪問系従事 解禁

4月から、介護福祉士資格をもたない外国人介護人材の訪問系サービスへの従事が解禁された。政府は3月11日、技能実習生や特定技能などの外国人人材が訪問介護などのサービス提供に就くことと、そのための運用方針を閣議決定。厚生労働省も具体的な要件などを示した。介護職員初任者研修課程等を修了し、介護事業所等での実務経験が1年以上あることが原則で、事業所には研修やOJTのほか、ハラスメント対策、緊急対応体制の整備など、様々な受入れの仕組みを整えておくことが求められる。パブリックコメントを踏まえて、技能実習生は4月1日から、特定技能は4月中に施行される。
これまで外国人介護人材による訪問系サービスの提供は、在宅で1対1で利用者と向き合う特有の専門性から、介護福祉士資格をもつ在留資格「介護」やEPA介護福祉士に限られてきた。
訪問介護事業所でヘルパーの確保ができず、事業継続が困難な状況に陥るケースも増える中、厚労省は「外国介護人材の業務の在り方に関する検討会」を立ち上げ議論し、一定の要件のもと外国人人材の訪問系従事を認める方針をまとめた。
今回取扱いが緩和されたのは、訪問介護、(介護予防)訪問入浴介護、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、総合事業の訪問型サービス。なお訪問入浴には元々資格要件はないが、入浴等の研修実施や、キャリアアップの観点から介護福祉士資格取得を支援するなどの配慮を求める。
訪問介護事業所でヘルパーの確保ができず、事業継続が困難な状況に陥るケースも増える中、厚労省は「外国介護人材の業務の在り方に関する検討会」を立ち上げ議論し、一定の要件のもと外国人人材の訪問系従事を認める方針をまとめた。
今回取扱いが緩和されたのは、訪問介護、(介護予防)訪問入浴介護、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、総合事業の訪問型サービス。なお訪問入浴には元々資格要件はないが、入浴等の研修実施や、キャリアアップの観点から介護福祉士資格取得を支援するなどの配慮を求める。
ICT活用し不測の事態に対応
外国人人材を受け入れる訪問系事業所には、以下の取り組みが求められる。厚労省が3月の全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議などで示した。
①訪問系サービスの基本事項や生活支援技術、利用者・家族等とのコミュニケーション、日本の生活様式、緊急時の対応などの内容で研修を実施する
②一定期間、サービス提供責任者や先輩職員が同行するなど必要なOJTを行う
③本人の意向を確認しつつ、キャリアアップに向けた計画を共同で策定・共有する
④ハラスメント対策として▽未然防止のための対応マニュアルやハラスメントへの対処方法等のルールの作成・共有、利用者・家族等への周知など▽外国人人材向け相談窓口の設置など――の対応を行う
⑤訪問先での不測の事態に対応できるよう、▽緊急連絡先や対応フローなどをまとめたマニュアルの作成▽緊急時を想定した研修実施▽緊急時に他の職員が駆けつけられる体制の確保▽サービス提供記録や申し送りの情報を職員全員で共有する仕組みの整備――を行う。その際、コミュニケーションアプリの導入、ICTの活用も含めて環境整備する
①訪問系サービスの基本事項や生活支援技術、利用者・家族等とのコミュニケーション、日本の生活様式、緊急時の対応などの内容で研修を実施する
②一定期間、サービス提供責任者や先輩職員が同行するなど必要なOJTを行う
③本人の意向を確認しつつ、キャリアアップに向けた計画を共同で策定・共有する
④ハラスメント対策として▽未然防止のための対応マニュアルやハラスメントへの対処方法等のルールの作成・共有、利用者・家族等への周知など▽外国人人材向け相談窓口の設置など――の対応を行う
⑤訪問先での不測の事態に対応できるよう、▽緊急連絡先や対応フローなどをまとめたマニュアルの作成▽緊急時を想定した研修実施▽緊急時に他の職員が駆けつけられる体制の確保▽サービス提供記録や申し送りの情報を職員全員で共有する仕組みの整備――を行う。その際、コミュニケーションアプリの導入、ICTの活用も含めて環境整備する
同行訪問2カ月以上実施
訪問系サービスに従事する外国人人材は、介護職員初任者研修課程等を修了し、介護事業所等での実務経験が1年以上あることを原則とする。ただし以下の要件により、事業所の判断で経験1年未満の人材も従事させられる。介護職員初任者研修等を修了した外国人人材で、
①N2相当など高いレベルの日本語能力をもつ
②利用者ごとの同行訪問を▽サービス提供が週1回の場合は半年間▽週2回の場合3カ月間▽週3回以上なら2カ月間――行う。なお週1回の場合で、利用者・家族の同意が得られれば、同行訪問を3カ月行った上で、サービス提供時に見守りカメラなどのICTで事業所と常にやりとりできるようにすれば、それ以後は同行しなくてもよい。
①N2相当など高いレベルの日本語能力をもつ
②利用者ごとの同行訪問を▽サービス提供が週1回の場合は半年間▽週2回の場合3カ月間▽週3回以上なら2カ月間――行う。なお週1回の場合で、利用者・家族の同意が得られれば、同行訪問を3カ月行った上で、サービス提供時に見守りカメラなどのICTで事業所と常にやりとりできるようにすれば、それ以後は同行しなくてもよい。
利用者・家族の同意必須
外国人人材が訪問する可能性のある場合、利用者・家族には、担当する外国人人材の実務経験、ICT機器を使って業務をする場合があること、不安なことがあった際の連絡先――などについて書面を交付して説明し、署名をもらうことを求める。
なお、外国人人材の訪問先を選ぶ際は、利用者の心身状態や居住環境、本人・家族の意向を確認し、外国人人材のコミュニケーション能力や介護スキル、意向などを踏まえ判断することを求めた。また、外国人人材が徐々に業務に慣れるよう、OJTの期間を通常より長くしたり、定期的な面談や日本語の学習支援など、状況・能力に応じた配慮・支援を行うことも位置づけた。
阪神間で在宅・施設サービスなどを展開する社会福祉法人正福会(大阪市)の福田光正理事長は「当法人では新しいルールに沿って、グループホームで経験を積んだ外国人人材を、定期巡回サービスに順次配置することなどを想定している。訪問ヘルパーが枯渇する中で大きな見直しだが、複数のサービスがあり、すでに外国人人材を受入れてサポートする仕組みが確立しているからこそ、スムーズに対応できる面もある」と話した。
なお、外国人人材の訪問先を選ぶ際は、利用者の心身状態や居住環境、本人・家族の意向を確認し、外国人人材のコミュニケーション能力や介護スキル、意向などを踏まえ判断することを求めた。また、外国人人材が徐々に業務に慣れるよう、OJTの期間を通常より長くしたり、定期的な面談や日本語の学習支援など、状況・能力に応じた配慮・支援を行うことも位置づけた。
阪神間で在宅・施設サービスなどを展開する社会福祉法人正福会(大阪市)の福田光正理事長は「当法人では新しいルールに沿って、グループホームで経験を積んだ外国人人材を、定期巡回サービスに順次配置することなどを想定している。訪問ヘルパーが枯渇する中で大きな見直しだが、複数のサービスがあり、すでに外国人人材を受入れてサポートする仕組みが確立しているからこそ、スムーズに対応できる面もある」と話した。
(シルバー産業新聞2025年4月10日号)