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介護ロボット・ICT導入支援補助金 6月以降の申請開始に広がり
都道府県の介護ロボット・ICT導入支援補助金の申請開始が本格化してきた(表)。地域医療介護総合確保基金のメニューとして実施されるため、多くの自治体は厚生労働省の今年度要綱を見て申請受付を開始するが、今年度は6月中の発出が予定されるため、募集開始時期を事前告知する自治体も多い。
広島県は7月3日より申請受付を開始する。日本福祉用具供給協会中国支部広島県ブロックに委託。介護ロボットは昨年度同様に1機器あたり30万円までだが、見守りセンサー導入に伴う通信環境整備は昨年度の上限30万円から上限750万円に大幅に増額。補助率も、介護ロボット・通信環境整備とも条件により75%補助(通常は50%)に引き上げる。
ICT導入に関しても、大幅に補助上限額を引き上げ、職員数「~10人」100万円(昨年度25万円)、「11人~20人」160万円(40万円)、「21人~30人」200万円(50万円)、「31人~」260万円(65万円)と、それぞれ4倍に引き上げた。
対象事業所は広島県福祉・介護人材確保等総合支援協議会が実施する「魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま制度」の認証を受けていることなどが条件となる。
ICT導入に関しても、大幅に補助上限額を引き上げ、職員数「~10人」100万円(昨年度25万円)、「11人~20人」160万円(40万円)、「21人~30人」200万円(50万円)、「31人~」260万円(65万円)と、それぞれ4倍に引き上げた。
対象事業所は広島県福祉・介護人材確保等総合支援協議会が実施する「魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま制度」の認証を受けていることなどが条件となる。
市区町村独自補助も広がる
市区町村独自に事業実施する例もある。東京都港区の「港区介護ロボット等導入支援事業」は、事前に専門家に相談し、アドバイスを受けることを前提として、介護ロボットやICT機器の導入費用(1事業者上限400万円)を補助する。区内の訪問系・通所系・居住系の全事業者が対象で、福祉用具貸与・販売事業所や居宅介護支援事業所も対象とする。
新潟県南魚沼市の「在宅介護者応援事業補助金」は、住み慣れた自宅で暮らしたい人と、支える在宅介護者の身体的、経済的負担を軽減するため、介護用アシストスーツなどの購入費を補助する。
新潟県南魚沼市の「在宅介護者応援事業補助金」は、住み慣れた自宅で暮らしたい人と、支える在宅介護者の身体的、経済的負担を軽減するため、介護用アシストスーツなどの購入費を補助する。
24年度以降の補助金の行方
介護ロボットやICT機器導入を検討する事業所の間で補助金申請することが一般的になりつつあるが、厚労省は拡充分(20年度~)について23年度を最終年度としているため、メーカーや介護事業所の間で24年度以降の動向にも関心が高まっている。
都道府県ごとのワンストップ相談窓口(介護生産性向上総合相談センター/仮称)も、23年度以降基金事業として位置づけられ、準備の整った都道府県から順次開設される。
昨年12月の政府「政策パッケージ」として厚労省が示したテクノロジー活用の流れや、改正介護保険法で生産性向上の取組が都道府県に求められるようになるなど、介護ロボットやICT活用の場面はますます広がりを見せている。
都道府県ごとのワンストップ相談窓口(介護生産性向上総合相談センター/仮称)も、23年度以降基金事業として位置づけられ、準備の整った都道府県から順次開設される。
昨年12月の政府「政策パッケージ」として厚労省が示したテクノロジー活用の流れや、改正介護保険法で生産性向上の取組が都道府県に求められるようになるなど、介護ロボットやICT活用の場面はますます広がりを見せている。
厚労省「予算要求過程で適切に対応」
厚労省は「24年度予算要求の過程で適切に対応したい」と明言を避けるが、当面は6月中の政府「骨太の方針2023」の公表後に示される概算要求基準に基づいて、本格化する各省庁の24年度予算要求の策定がポイントとなる。
(シルバー産業新聞2023年6月10日号)
(シルバー産業新聞2023年6月10日号)