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ブティックス 太田丈史部長 訪介のM&A相談1.3倍

ブティックス 太田丈史部長 訪介のM&A相談1.3倍

 介護用品の商談・展示会「ケアテックス」を運営するブティックス(東京都港区、新村祐三社長)は介護・福祉業界に特化したM&A仲介事業を展開する。立上げ当初から売上規模に拘らない、中小事業所への積極的な支援が特長。成約数は昨年度151組、今年度は186組を見込む。事業開発部長の太田丈史氏(エグゼクティブコンサルタント)に24年報酬改定の影響を聞いた。

 今年4~10月のサービス全体の譲渡(売り)相談は前年の1.2倍、うち訪問介護は1.3倍に増えた。特に、4月分の報酬が入る6月以降に急増。キャッシュフローが回らない状況に直面し、判断したと考えられる。

 譲渡理由の大半は「経営悪化」。小規模事業所で、改定の有無に関わらず慢性的な人手不足に陥っている。人が集まらないとケアマネジャーへの営業に労力を割くことができず、利用者獲得が難しいとの悪循環に陥る。

 さらに共通項を挙げるなら、採用活動が限定されていること。ハローワークを中心に募集をかけるも、今の若い人達はスマホで人材紹介サイトや魅力的な求人広告を見て選別する。60~70代の経営者が、この潮流について行けていないことが推測できる。

 また、サービス全体で見ても譲受(買い)事業所ほど技能実習、特定技能を採用している。人材確保へあらゆる手段を講じているのが見てとれる。

 また、施設系も社会福祉法人の相談が顕著。水光熱費の高騰が影響している。1施設で年間300~400万円のコスト増になっている。ガソリン代の値上げで、通所介護のみを特養から切り離すところも出てきている。

 介護経営実態調査で訪問介護の収支差率が高かったのは、サ高住などの併設型事業所によるもの。次回改定ではこの部分の集中減算がより厳しくなると予測している。訪問介護は少ない借入で参入でき、経営悪化のインパクトも抑えられる。言い換えれば「報酬改定の手を加えられやすいサービス」でもある。

 厚生労働省からは生産性向上への取組が明確化された。法人を集約すればあらゆる間接コストが下がる。経営の協働化、大規模化は今後避けられないだろう。倒産を選ぶなら、事業譲渡は検討すべき選択肢の一つ。当社が扱うケースのほとんどは、利用者、従業員は引継がれる。従業員の待遇が悪くなることはほとんどない。
(シルバー産業新聞2024年12月10日号)

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