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外国人の訪問介護、大筋了承

外国人の訪問介護、大筋了承

 厚生労働省は3月22日、「外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会」を開催し、これまで認めてこなかった訪問介護についても、外国人介護人材が従事できるようにする案を示し、大筋で了承された。

 外国人介護人材の訪問介護の従事については、介護福祉士の資格を有する在留資格「介護」や、EPA介護福祉士には認められているが、技能実習や特定技能は、介護職が1対1で介護サービスを提供するという業務内容の特性から、認められていない。

 見直し案では、日本人同様、介護職員初任者研修の修了を前提として、事業者に対し、一定の条件を設けた上で、訪問系サービスへの従事を認める案が示された。

 具体的な条件は以下の通り。

 ①受入事業者が行う外国人介護人材への研修については、訪問介護の基本事項、生活支援技術、利用者や家族、近隣住民とのコミュニケーションスキル(傾聴、受容、共感など)、日本の生活様式等を含むものとすること。

 ②受入事業者は、訪問系サービスの提供を一人で適切に行えるように、一定期間、サ責等が同行するなどの必要なOJTを行うこと。回数や期間については、利用者や外国人介護人材の個々の状況により、受入事業者により適切に判断する。

 ③受入事業者等は外国人介護人材による訪問系サービスを実施する際、外国人介護人材の意向等を確認しつつ、キャリアパスの構築に向けた計画を作成すること。

 ④ハラスメント対策の観点から、受入事業所内において、ハラスメントを未然に防止するための対応マニュアルの作成・共有、管理者等の役割の明確化。発生したハラスメントの対処方法等のルールの作成・共有などの取り組みや環境の整備。相談窓口の設置等の相談しやすい職場環境づくり。利用者・家族等に対する周知等の必要な措置を講ずる。

 ⑤外国人介護人材の負担軽減や訪問先での不測の事態に適切に対応が行えるように、介護ソフトやタブレット端末の活用による記録業務の支援、コミュニケーションアプリの導入や日常生活や介護現場での困りごと等が相談できるような体制整備など、ICTの活用等も含めた環境整備を行うこと。

 一方、制度上、介護職員初任者研修等の修了が求められていない訪問入浴については、必要な入浴などの研修を受講することなどを条件に、業務に従事できることとした。 

 今回の了承を受けて、今後、厚労省内で具体的な制度設計が進められていき、準備ができ次第、施行される予定。
(シルバー産業新聞2024年5月10日号)

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