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東京都 訪介での若手雇用促進 新事業に7億円計上
東京都は3月29日、第9期高齢者保健福祉計画を策定した。2022年度の都内介護従事者の離職率は15.2%で、全産業平均の12.9%を上回る。第9期計画ではより一層人材確保推進に注力する事業を新設・拡充した。また、第8期計画から続く7つの重点分野を支える取組みとして「DX推進」を追加した(図)。
地域を支える「訪問介護」応援事業は都の重点分野の人材確保対策の新事業で、予算は7億円を計上。訪問介護に特化した人材確保事業は都で初の試みとなる。介護未経験者の就労へのハードルを下げるため、業務内容をリーフレットや動画で周知するほか、事業所における資格取得のための支援などを行う予定。
背景には訪問介護職員の高齢化がある。都の調べによると年齢構成で多くを占めるのは60~70代の非常勤職員で、若手の参入は非常に少ない。「業界内で人材の取り合い状態になっていることに問題意識を抱えていた」と福祉局高齢者施策推進部の永山豊和企画課長。業界全体で新卒を含めた未経験者を確保するため、事業所の負担を軽減して採用につなげるビジョンだという。
事業所同士の連携に着目したのが、人材活用に向けた介護事業所の協働促進事業(予算4500万円)。小規模法人が共同で採用や研修を実施するなど、協働してスケールメリットを生かした業務を行う際にかかる費用を補助する。これまでの自治体を通しての補助に加え、都が直接踏み込むことで市区町村を跨いだ活発な連携も可能となった。
背景には訪問介護職員の高齢化がある。都の調べによると年齢構成で多くを占めるのは60~70代の非常勤職員で、若手の参入は非常に少ない。「業界内で人材の取り合い状態になっていることに問題意識を抱えていた」と福祉局高齢者施策推進部の永山豊和企画課長。業界全体で新卒を含めた未経験者を確保するため、事業所の負担を軽減して採用につなげるビジョンだという。
事業所同士の連携に着目したのが、人材活用に向けた介護事業所の協働促進事業(予算4500万円)。小規模法人が共同で採用や研修を実施するなど、協働してスケールメリットを生かした業務を行う際にかかる費用を補助する。これまでの自治体を通しての補助に加え、都が直接踏み込むことで市区町村を跨いだ活発な連携も可能となった。
DXリーダー育成を助成
今期から、介護現場の生産性向上といったさらなる職場環境の改善が2040年に向けた重要項目に位置付けられ、介護DX推進人材育成支援事業(予算1億円)が注目を集めている。生産性向上に向け、課題の抽出や機器の選定などを推進するリーダーを配置・育成する事業者に対し、年間50万円×2人分までを支給。リーダー職への手当、IT資格の取得経費などが補助対象となる。コンサル派遣など外部のノウハウを活用した支援に加えて、本事業により職員自身が機器を使いこなし、事業所全体の業務効率化をリードしてもらうことがねらい。「インセンティブの支給で、生産性向上がより推進され、人材の定着にもつながる」(永山課長)。
外国人の採用・生活・言語をサポート
外国人介護従事者活躍支援事業(予算3億円)では、①海外向け専用サイトでの多言語による広報活動②事業所が外国人受入れ調整機関を活用する経費を一部補助③都と介護事業所、介護福祉士養成施設等の関係団体による会議体を設置――することで、入国~教育~就職を官民連携して、スムーズな受け入れ体制を整備。また、介護職員宿舎借り上げ支援事業(予算31億円)では戸数上限の枠外とするなど居住環境も援助する。22年度現在、都の調査で外国人職員を活用している、もしくは今後活用したいと答えた事業所は約44%。需要が高まる一方、近年は他業種や他国等の選択肢の広がりによって日本の介護業界が選ばれにくい傾向にある。日本での生活や言語学習を手厚く支援し、まずは首都・東京に呼び寄せ、新勢力としての定着を目標とする。
(シルバー産業新聞2024年4月10日号)
(シルバー産業新聞2024年4月10日号)