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ノーリフト協会×川崎重工 施設内の動線データ 豪州で実証
7月3日、「日本の未来を支えるヘルスケアイノベーションモデルシンポジウム」がオーストラリア大使館で開かれた。同大使館、日本ノーリフト協会の共催。特別協賛企業の川崎重工業がオーストラリアで実施した介護テクノロジーの実証結果を報告した。
同社は2023年に介護業界へ参入。翌24年度に「デジタル技術を活用した介護DXパッケージモデルの開発」が日本医療研究開発機構(AMED)の事業に採択され、ノーリフト協会と共同しDX化の伴走支援を全国8施設で行っている。
今年4月、オーストラリアの介護施設で行った実証事業では、同社が提供する位置情報ソリューション「Mapxus」(マプサス)を用いて利用者83人、職員125人の移動・滞在場所をモニタリング。ヘルスケア事業推進部営業課長の吉川公美子氏が報告した。
利用者で特徴的だったのが、日によって滞在場所別の時間割合が大きく異なること。吉川氏は「本人の選択を尊重した、自由度の高い個別ケアが表れている。日本の施設だと分布が一定になることが多い」と述べる。
もう一つが、リフト等による移乗介助の時間がどの職員でもほぼ均一だった点。同施設では全職員へ入社時と毎年1回、リフトの研修を義務づけており、教育とケアの標準化が行き届いているためだと同氏は分析する。
さらに、職員ごとに1日の業務と期限を明記したリストを掲示することで、職員は主体的に動き、かつ過剰労働の防止策にも。1日の総移動距離は職員間の差がほとんどみられなかった。
今年4月、オーストラリアの介護施設で行った実証事業では、同社が提供する位置情報ソリューション「Mapxus」(マプサス)を用いて利用者83人、職員125人の移動・滞在場所をモニタリング。ヘルスケア事業推進部営業課長の吉川公美子氏が報告した。
利用者で特徴的だったのが、日によって滞在場所別の時間割合が大きく異なること。吉川氏は「本人の選択を尊重した、自由度の高い個別ケアが表れている。日本の施設だと分布が一定になることが多い」と述べる。
もう一つが、リフト等による移乗介助の時間がどの職員でもほぼ均一だった点。同施設では全職員へ入社時と毎年1回、リフトの研修を義務づけており、教育とケアの標準化が行き届いているためだと同氏は分析する。
さらに、職員ごとに1日の業務と期限を明記したリストを掲示することで、職員は主体的に動き、かつ過剰労働の防止策にも。1日の総移動距離は職員間の差がほとんどみられなかった。
社長直轄プロジェクトとして同事業に携わる吉川氏
ノーリフト施設の認証策定へ
現在、同社と日本ノーリフト協会は、より実効性の高いノーリフトを普及するため、オーストラリアの介護施設評価制度「Star Rating」を参考にした認証制度を策定中。①ノーリフトの実践②アセスメントと支援設計③教育・育成④推進体制・運用管理⑤資源・環境整備⑥継続改善・信頼形成――の6つの評価軸を設け、今年は5施設で検証を予定している。
同協会保田淳子代表は「ノーリフトは単に持ち上げない介護技術を指すのではなく、働く人の安全、利用者の尊厳を守る持続可能なヘルスケアのしくみを意味する」と強調。「顧客(利用者)だけでなく、従業員の満足度も両立する介護経営へのカルチャーチェンジが、テクノロジーの浸透に不可欠だろう」と述べる。
同協会保田淳子代表は「ノーリフトは単に持ち上げない介護技術を指すのではなく、働く人の安全、利用者の尊厳を守る持続可能なヘルスケアのしくみを意味する」と強調。「顧客(利用者)だけでなく、従業員の満足度も両立する介護経営へのカルチャーチェンジが、テクノロジーの浸透に不可欠だろう」と述べる。
ノーリフトケアの国内普及に長年努める保田代表
川崎重工業の橋本康彦社長は「介護の質のマネジメントは製造業に通じる。モノづくりを長らく手がけてきた当社も、現場や設計者の技量と勤勉さで支えられてきたが、近年はそれだけでは回らない。大切なのは従業員が生き活きと働ける環境。業務を標準化し、無駄のないしくみづくりが経営陣に求められている」と締めくくった。
橋本社長
(シルバー産業新聞2026年8月10日号)


