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CHASE等活用に「介護ソフト導入支援」意見多数

CHASE等活用に「介護ソフト導入支援」意見多数

 厚生労働省は9月14日に社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田中滋・埼玉県立大学理事長)を開催、「自立支援・重度化防止」をテーマに、介護の質評価のためのVISITやCHASEの利活用、また2018年報酬改定で新設されたADL維持等加算や排せつ支援加算等の取組をすすめるための方策を論点とし、委員へ広く意見を求めた。

 訪問・通所リハビリのリハ計画書等の情報を収集するVISITについては、18年改定でデータ提出に対する評価として、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)を新設。しかし、19年10月時点で算定事業所の割合は訪問リハ1%、通所リハ3.1%と低く、また9割近い事業所が入力作業に負担を感じている現状が報告された。

 委員からは、報酬の上乗せ評価よりも情報収集・入力作業の負担軽減を優先すべきとの意見が集中。5月より運用を開始している、利用者の状態とケア内容を収集するCHASEについても同様の対応を求めた。具体的には、これらデータベースと連携可能な介護システムの導入支援策として、地域医療介護総合確保基金の活用があがった。「現行の2分の1の補助率では手が出せない事業所が多い」(全国老人保健施設協会・東憲太郎会長)と補助率の引上げ等の提案も。神奈川県では、同基金で介護システムを導入する場合、CHASEへのデータ提出を要件としており、活用が進んでいるという。

ADL維持等加算 算定2%台

 アウトカム評価の目玉として通所介護等に新設されたADL維持等加算は、今年4月時点で算定が1000事業所を超えたが、算定率は2.4%と依然低調が続く。前回の議論と同様、「要介護3~5が15%以上」「要介護認定12月以内が15%以下」等の要件の緩和や、少ない単位数(1人あたり月3単位/6単位)の見直しを求める意見があがった。
 
 「サービス制限への不安から、改善を望まない利用者もいる。要介護度が変化した後も一定期間、元のサービスが受けられるような経過措置を設けてはどうか」(神奈川県・山本千恵参考人)との提案もあった。なお、同省によると、利用開始月のバーセルインデックス(BI)が低い、つまり重度な利用者ほど、6カ月後のBI値の改善度が高い傾向がみられている。
 
 また、施設サービスに新設された排せつ支援加算(月100単位)は、身体機能の向上や環境の調整等によって、排泄にかかる要介護状態を軽減できると医師等が判断した利用者へ、多職種で支援を行うことを評価するもの。老健では、今年3月までに同加算を算定したことがある施設は3割にのぼっている。

 現行ではプロセス評価にとどまっているが、委員からは自立支援の観点から「おむつを使わずトイレ誘導による排泄が可能になった」といった、改善結果を踏まえたアウトカム評価への要望が相次いだ。

第185回社会保障審議会介護給付費分科会 資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13472.html

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