インタビュー

【寄稿2】通所介護、事業所間の収入格差が拡がり二極化が拡大

【寄稿2】通所介護、事業所間の収入格差が拡がり二極化が拡大

小濱介護経営事務所 代表 小濱道博氏

 小濱氏は、「今回新設された加算の上位区分を算定できれば増収だが、現状維持の場合は減収になる」と指摘。上位区分が算定できるかどうかが運営の大きなポイントとなると説明する。

従来の入浴介助加算は10単位引き下げ

 今回の改定率は0.7%のプラス改定であるが、そのうちの0.05%は、コロナ対策での特例措置であるので、実質的な改定率は0.65%のプラスということになる。コロナ対策の特例措置は今年4月から9月までの半年間の限定措置であり、半年間、全サービスの基本報酬が0.1%上乗せされる。デイサービスは、事業規模によって7単位から、地域密着型では20単位前後のプラスとなっているが、これも一概には喜べない。

 入浴介助加算で上位区分ができたことで10単位マイナスの40単位となった。従来の50単位の加算を算定する事業所は、実質マイナスとなる場合がある。入浴介助加算で上位区分Ⅱは、リハビリテーション型の入浴介助加算である。その目的は自宅において自分で入浴ができることを続けることであり、セラピストや介護福祉士が利用者の居宅を訪問して浴室のアセスメントを実施して、個別入浴計画を作成して、個別入浴によるリハビリテーションを提供することで55単位を算定する。

個別機能訓練加算は併算定不可に

 さらに個別機能訓練加算が事実上、従来の区分Ⅰが廃止されて区分Ⅱに統合された。そのため、集団体操などでは加算が算定できず、機能訓練指導員が直接、個別訓練若しくは5人以下の小集団で機能訓練を実施することが求められる。リハビリテーション型デイサービスなどでは、区分ⅠとⅡを併算定する場合もあることを踏まえて、機能訓練指導員を2名配置することで、85単位が算定できる。しかし、従来の併算定では102単位を算定できたことから、17単位の減収となることは避けられない。

データ提出と活用で加算取得

 自立支援に資する加算は充実した。栄養改善加算は、管理栄養士が居宅を訪問することを要件として、50単位増額された。生活機能向上連携加算は、外部のセラピストとテレビ電話でアドバイスを受けることで算定できる区分が新設された。口腔ケアやLIFE関連の区分も新設された。ADL維持等加算は報酬単位が10倍の30単位および60単位/月となり、算定要件も緩和されている。ただし、LIFEへのデータ提出と活用が必須の算定要件となったため、データ提供が無い場合は、加算が算定できなくなった。

 また、有料老人ホームなどに併設されるなどして、集合住宅減算などの対象となっている場合、訪問介護同様に、減算を適用する前の報酬単位で限度額計算を行うように変更された。また、大規模型ⅠまたはⅡを算定する通所サービスは、限度額の計算においては、通常規模の介護報酬単位に置き換えて計算することに変更された。

 さらに、サービス提供体制強化加算である。今回の改定で、新たな上位区分が設けられたことに伴って、従来の加算Ⅱの算定要件である「勤続3年以上の介護職が30%以上」の要件が、「勤続7年以上が30%以上」に変更された。6単位/回の加算が算定できなくなる事業所が相当数出てくる。今回新設された上位区分の報酬を算定できる場合は増収となり、現状維持の場合は大きく減収となる。事業者間の収入格差が拡がり、二極化が拡大する介護報酬改定だといえる。

(シルバー産業新聞2021年3月10日号)

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