インタビュー

ユニ・チャーム 良眠・離床めざす製品技術と提案力

ユニ・チャーム 良眠・離床めざす製品技術と提案力

 衛生用品市場をけん引するユニ・チャーム(東京都港区、高原豪久社長)の2019年12月期売上高は7142億円。高齢者施設・病院へのBtoB事業では、大人用紙おむつ「ライフリー」シリーズをはじめとした製品の技術革新、それを用いた新たな排泄ケア提案が売上を支えている。今回の新型コロナ禍では、より感染管理を徹底した排泄ケアの提案、またオンライン活用など、社員の働き方を抜本的に見直す。ジャパンプロケア営業統括本部長・木内悟氏に聞いた。

 「ライフリー」シリーズは現在、全国1万7000カ所の介護施設や病院で使用いただいている。当社約200人のスタッフが新規提案から導入、効果的な活用のための研修、排泄ケア体制の見直しなどを一貫して行う、言わば「排泄ケアのコンサルティング」が強みだ。

 その大前提となるのが、事業立上げ時から守り続けている①自立排泄の推進②夜間良眠と離床の促進③スキンケア――の3つのコンセプトだ。

 まず、就寝中の不必要なおむつ交換をなくすことで②の夜間良眠を実現。よく眠れると日中活動が活発になり、離床促進につながる。新規導入先では特にこの部分の評価が高い。

 そして離床が増えれば、次はトイレ誘導にも挑戦できる。近年、介護保険制度で重要視されている「自立支援介護」への取組みだ。

 また、コンセプトに見合った商品開発でも差別化をはかってきた自負がある。2年前に発売した尿とりパッド「一晩中安心さらさらパッド スキンコンディション」は、スキンケアを具現化した大ヒット商品。パッド内側の2層シート(特許)が摩擦・ズレ力を低減する、他社にはない構造だ。今年はさらに進化させた新商品を予定している。

コロナ対策で利用者・介護者双方の安全を推進

 当社では施設・病院側の感染リスク抑制を第一に考え、2月上旬の時点で施設・病院への訪問を自粛した。世間の動きに比べ相当早い決断だったため、現場研修などを予定していた施設からはクレームも受けた。

 現在、現場での排泄ケア手法の抜本的な見直しを行っているところだ。3つのコンセプトに「感染予防」を加える。例えば、1日のおむつ交換回数は、就寝中の定時交換をなくすことで4回から3回に変更。これに沿った商品ラインナップを展開する。吸収量が多めのタイプ、長時間着用でもスキンダメージの少ないタイプなど。もしくは、トイレ誘導を積極的に行う選択肢もある。感染症のリスクが高い状況でも、快適な排泄を提供していくことには変わりない。

 あわせて、訪問を基本としていた提案営業は、今後は感染状況に関わらず、「オンライン提案」を一つのスタンダードに位置づけたい。もちろん対面でなければいけない場面もあるが、オンラインが拡充すれば、移動時間がなくなり、その分多くのユーザーとのコミュニケーションが可能になるだろう。

マスク自給率を高める

 医療・介護現場に限らず、日本中がマスク不足に陥った。その大きな要因は、流通の8~9割をも占める中国製マスクの輸入がストップしたことだ。当社マスクは99%が国内生産。今回の緊急的な量産は社会的使命だと、国内工場の感染管理を徹底し、製造ラインを24時間フル稼働させた。

 マスクをはじめとした医療従事者向けの個人防護具(PPE)はこうした事態に備え、国内自給率を高めておく必要がある。同時に、医療・介護現場での備蓄のあり方についても提案していく。

(シルバー産業新聞7月10日号)

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