ニュース
高齢者施設での排せつケアの実態調査② 排せつ支援加算算定には報酬引き上げ必要
スウェーデンで生まれた成人用排せつケア用品ブランド、「TENA(テーナ)」(成人用紙おむつ)を販売するユニ・チャーム メンリッケとシルバー産業新聞は、特養でのおむつの交換やトイレ誘導等の排せつ介護に関する共同アンケートを実施しました。アンケートによると2018年度の介護報酬改定で創設された「排せつ支援加算」について、「算定している」と回答した特養はわずか4.5%と低調なことが分かりました。算定が困難な理由に、「自立排せつに繋げるための体制を整えられない」「加算額が低い」などが挙げられました。
今回はアンケート内容に基づいて、「データでみる高齢者施設での排せつケアの実態②排せつ支援加算算定には報酬引き上げ必要」についてまとめています。
このほか、「データでみる高齢者施設での排せつケアの実態①新型コロナウイルス感染症拡大で7割以上が排せつケア内容見直し」、後編では「高齢者施設で実際に取組まれているケアの内容」について全3回で紹介しています。
このほか、「データでみる高齢者施設での排せつケアの実態①新型コロナウイルス感染症拡大で7割以上が排せつケア内容見直し」、後編では「高齢者施設で実際に取組まれているケアの内容」について全3回で紹介しています。
目次
①介護報酬「排せつ支援加算」算定5割。体制が整えられない??
②1施設でのおむつの月間総費用51万円
③良い製品+良い人+良い仕組み」の3つの要素を高め良いケアへとつなげていく
①介護報酬「排せつ支援加算」算定5割。体制が整えられない??
②1施設でのおむつの月間総費用51万円
③良い製品+良い人+良い仕組み」の3つの要素を高め良いケアへとつなげていく
介護報酬「排せつ支援加算」算定5割。体制が整えられない
排せつ支援加算を算定していますか?
2018年度の介護報酬改定で創設された「排せつ支援加算」は、高齢者施設での利用者の自立排せつに向けた取組みを評価する体制加算だ。
今回のアンケートで、排せつ支援加算の算定の有無について質問したところ、「算定している」と回答した特養はわずか4.5%と低調。その理由について複数回答可で聞いたところ「体制が整えられない」47.7%、「加算額が低い」29.5%、「加算算定できる対象者がいない」11.4%など算定要件の高さや報酬評価の低さを理由に挙げている。
今回のアンケートで、排せつ支援加算の算定の有無について質問したところ、「算定している」と回答した特養はわずか4.5%と低調。その理由について複数回答可で聞いたところ「体制が整えられない」47.7%、「加算額が低い」29.5%、「加算算定できる対象者がいない」11.4%など算定要件の高さや報酬評価の低さを理由に挙げている。
1施設でのおむつの月間総費用51万円
排せつ支援加算の報酬引き上げが必要
特養でのおむつにかかる総費用について質問したところ、月間平均の総額は51万3,986円で、1人当たりの月平均額は5,937円だった。排せつ支援加算を算定したことで、おむつにかかるコストをカバーできるかとの質問では、約40%が「持ち出しの方が過多で充当ではない」と、必要なコストと見合わないとの意見が多かった。
排せつ支援加算を算定した場合、月間おむつコストなどの費用軽減に充当できますか?
現在の排せつ支援加算の単位は100単位/月、アンケートで排せつ支援加算に求める単位数を聞いたところ平均340単位と、現行の単位より3倍程度が必要との結果になった。
12月18日現在、21年度介護報酬改定に向けた最新の介護給付費分科会の議論では、現行の排せつ支援加算について▽入所者全員のスクリーニング実施により、利用者単位の加算から事業所単位の加算体系に変更▽6カ月間の期限を撤廃し、6カ月移行も継続算定可能とする▽排せつ状態の改善(アウトカム)について評価する新区分を設ける▽加算体系に国のデータベース「CHASE(チェイス)」へのデータ提出の義務化▽看護小規模多機能型居宅介護も算定対象に追加※――の見直しが行われる。
(※「排せつ支援加算」算定対象:介護老人福祉施設(特養)、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、看護小規模多機能型居宅介護)
2段階の評価体系になることで、基本的な取組体制をベースにしながら、利用者の自立排せつにしっかりと取り組み、やり遂げることでさらに上位の加算額を取得できるようになる。
このため、自立排せつに向けた取組への現場のモチベーション向上と、施設経営における取組へのインパクトに繋がると注目を集めている。アウトカム評価を重ねることができれば、現行よりも加算を引き上げることが決定的な状況で、加算算定率の向上も期待できる。
実際の加算額については、年末に政府が決定する「改定率」の判断を待つ状況だが、1月~2月頃には加算額が決定し、公表される予定だ。
12月18日現在、21年度介護報酬改定に向けた最新の介護給付費分科会の議論では、現行の排せつ支援加算について▽入所者全員のスクリーニング実施により、利用者単位の加算から事業所単位の加算体系に変更▽6カ月間の期限を撤廃し、6カ月移行も継続算定可能とする▽排せつ状態の改善(アウトカム)について評価する新区分を設ける▽加算体系に国のデータベース「CHASE(チェイス)」へのデータ提出の義務化▽看護小規模多機能型居宅介護も算定対象に追加※――の見直しが行われる。
(※「排せつ支援加算」算定対象:介護老人福祉施設(特養)、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、看護小規模多機能型居宅介護)
2段階の評価体系になることで、基本的な取組体制をベースにしながら、利用者の自立排せつにしっかりと取り組み、やり遂げることでさらに上位の加算額を取得できるようになる。
このため、自立排せつに向けた取組への現場のモチベーション向上と、施設経営における取組へのインパクトに繋がると注目を集めている。アウトカム評価を重ねることができれば、現行よりも加算を引き上げることが決定的な状況で、加算算定率の向上も期待できる。
実際の加算額については、年末に政府が決定する「改定率」の判断を待つ状況だが、1月~2月頃には加算額が決定し、公表される予定だ。
(集計・文章作成)シルバ-産業新聞社
「良い製品+良い人+良い仕組み」の3つの要素を高め良いケアへとつなげていく
「環境・仕組みづくり」を現場の皆さまとともに
私たちユニ・チャーム メンリッケでは、「(1)良い製品(2)良い人(3)良い仕組み」の3つの要素すべてを高めながら、「良いケア」の実現を目指しています。良い製品を適切に使用し、皆さまの専門性を活かしながらチームで連携したケアの提供と、継続可能な仕組みを展開していくことが重要と考えています。
また、CST(コンチネンス・サポートチーム)活動によって、多職種が連携することで「利用者お一人おひとりにとって」より良い排せつのケアを多角的に考えぬくことができ、より一層ご利用者の幸福感や満足感を高めていくことに繋げることができると考えています。
そして、多職種連携や利用者の満足度向上への活動が介護報酬上でも、排せつ支援加算でのプロセス評価やアウトカム評価につながるのであれば、組織全体が更に前進し、スタッフの方々にとっても非常に大きなモチベーションの向上に繋がるのではないかと考えております。
また、CST(コンチネンス・サポートチーム)活動によって、多職種が連携することで「利用者お一人おひとりにとって」より良い排せつのケアを多角的に考えぬくことができ、より一層ご利用者の幸福感や満足感を高めていくことに繋げることができると考えています。
そして、多職種連携や利用者の満足度向上への活動が介護報酬上でも、排せつ支援加算でのプロセス評価やアウトカム評価につながるのであれば、組織全体が更に前進し、スタッフの方々にとっても非常に大きなモチベーションの向上に繋がるのではないかと考えております。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、これまで以上に現場の方々は様々な取り組みが求められております。私たちユニ・チャーム メンリッケでは、今年4月より「リーエンダ with TENA」を年4回発行し、排せつケアに関わる最新情報や、排せつケアと感染対策の方法等の情報発信を行ってまいりました。病院、高齢者施設の方々と共に取組んでいきたいと思います。
「リーエンダ with TENA」についてのお問い合わせはucm-mail@ucm-kk.comまでご連絡ください。
ユニ・チャーム メンリッケ「TENA ブランド」のサイトはこちら
「リーエンダ with TENA」についてのお問い合わせはucm-mail@ucm-kk.comまでご連絡ください。
ユニ・チャーム メンリッケ「TENA ブランド」のサイトはこちら