インタビュー・座談会
看多機の設置促進へ 退院後から看取りまでの評価拡充を 日本看護協会 田母神裕美常任理事
ポイント
①処遇改善+基本報酬増の両立を
②看多機の在宅療養支援機能を最大限活かす
③地域連携のカギは機能強化型訪看
6月の臨時改定では訪問看護に処遇改善加算が創設されたが、他産業の賃上げ状況と比べると決して十分とはいえない。看護職は24時間体制で利用者の命に関わる判断を行っており、その責任に見合う処遇改善を引き続き求めていく。加えてDX化への投資、事業所の規模拡大に向けた新規採用などのコストを加味し、経営安定化に向けた基本報酬の引上げも実現してもらいたい。
①処遇改善+基本報酬増の両立を
②看多機の在宅療養支援機能を最大限活かす
③地域連携のカギは機能強化型訪看
6月の臨時改定では訪問看護に処遇改善加算が創設されたが、他産業の賃上げ状況と比べると決して十分とはいえない。看護職は24時間体制で利用者の命に関わる判断を行っており、その責任に見合う処遇改善を引き続き求めていく。加えてDX化への投資、事業所の規模拡大に向けた新規採用などのコストを加味し、経営安定化に向けた基本報酬の引上げも実現してもらいたい。
看多機の強みを活かす
看護小規模多機能型居宅介護(看多機)は2023年度のサービス量2.1万人から、40年は3.6万人と76%増の伸びが期待されている。しかし現状は4割近い事業所が赤字。特に登録定員20人以下の事業所は収支差率が厳しい。
まずは、基本報酬をしっかり上げていただきたい。その上で、医療重度者の受入れや看取り対応など、在宅療養支援のさらなる評価を加算等で行っていくべきだと考える。
一つは、退院直後の支援。診療報酬の訪問看護は、退院当日の長時間の訪問を含む評価があるが、看多機にも退院日の評価が必要だ。厚労省の調査でも、看多機利用前の居場所は医療機関が半数強。施設・在宅の2択ではない、退院後の受け皿の役割を発揮している。
また、看多機の基本報酬はひと月の包括報酬となっているが、ターミナル期である利用者は泊まりや訪問看護の利用頻度が高い。実態に沿ってメリハリをつけるなど、きめ細かい評価が必要だ。
今後、在宅療養の拡大に伴い、看多機の緊急利用や、退院後の移行期間における利用のニーズも高まると予測される。しかし短期利用の報酬は小規模多機能型居宅介護や療養通所介護よりも低く、コストを理由に受け入れを断念する事業所も一定程度あることが、当協会の調査で明らかになっている。適切な報酬設定を求めたい。
まずは、基本報酬をしっかり上げていただきたい。その上で、医療重度者の受入れや看取り対応など、在宅療養支援のさらなる評価を加算等で行っていくべきだと考える。
一つは、退院直後の支援。診療報酬の訪問看護は、退院当日の長時間の訪問を含む評価があるが、看多機にも退院日の評価が必要だ。厚労省の調査でも、看多機利用前の居場所は医療機関が半数強。施設・在宅の2択ではない、退院後の受け皿の役割を発揮している。
また、看多機の基本報酬はひと月の包括報酬となっているが、ターミナル期である利用者は泊まりや訪問看護の利用頻度が高い。実態に沿ってメリハリをつけるなど、きめ細かい評価が必要だ。
今後、在宅療養の拡大に伴い、看多機の緊急利用や、退院後の移行期間における利用のニーズも高まると予測される。しかし短期利用の報酬は小規模多機能型居宅介護や療養通所介護よりも低く、コストを理由に受け入れを断念する事業所も一定程度あることが、当協会の調査で明らかになっている。適切な報酬設定を求めたい。
介護版・機能強化型STを
訪問看護ステーションの事業所数は1.8万カ所を超える一方で、訪問看護の本来の役割である中重度者対応や24時間体制、地域連携などの質確保ができているかについては課題を残す。診療報酬ではこうした機能を備えたステーションを評価する「機能強化型訪問看護管理療養費」がある。介護報酬でも地域で切れ目のない看護を提供する基幹ステーションを増やしていくべきである。
ポイントは、人員や利用者要件に加え、「地域連携」を求めること。なかでも診療報酬の機能強化型(Ⅲ)は、地域の医療機関の看護師が一定期間、自事業所へ出向等により勤務した実績の要件がある。病院との情報共有が増えて関係が構築され、再入院率の低下に至ったケースもある。
また、特養、老健等の医療ニーズにも看護の専門性を活かすべく、専門管理加算の対象サービスを訪問看護、看多機から介護保険施設へ拡大されたい。算定の対象分野は褥瘡や緩和ケアなどが認められているが、ここに認知症や在宅ケア、摂食嚥下障害の追加を要望する。
(シルバー産業新聞2026年8月10日号)
ポイントは、人員や利用者要件に加え、「地域連携」を求めること。なかでも診療報酬の機能強化型(Ⅲ)は、地域の医療機関の看護師が一定期間、自事業所へ出向等により勤務した実績の要件がある。病院との情報共有が増えて関係が構築され、再入院率の低下に至ったケースもある。
また、特養、老健等の医療ニーズにも看護の専門性を活かすべく、専門管理加算の対象サービスを訪問看護、看多機から介護保険施設へ拡大されたい。算定の対象分野は褥瘡や緩和ケアなどが認められているが、ここに認知症や在宅ケア、摂食嚥下障害の追加を要望する。
(シルバー産業新聞2026年8月10日号)


