インタビュー・座談会
登録制「地域の受け皿守る視点も重要」 全国有料老人ホーム協会 渡邉潤一常務理事
ポイント
①登録制導入は「質と量」双方に目を配るべき
②登録型ホームへ円滑に移行できる柔軟な対応を
③事務負担増や報酬減は外部ケアマネの敬遠に繋がる「住まい」としての柔軟な基準設定を
①登録制導入は「質と量」双方に目を配るべき
②登録型ホームへ円滑に移行できる柔軟な対応を
③事務負担増や報酬減は外部ケアマネの敬遠に繋がる「住まい」としての柔軟な基準設定を
6月に国会で成立した改正法により、中重度の要介護者を受け入れる有料老人ホーム等を対象とした「登録制」の導入や、相談支援の新類型である「登録施設介護支援」の創設が決定した。
特定のサービス利用を入居条件とするような「囲い込み」や、無計画な運営による事業撤退などを防ぎ、入居者保護や最低限の質を担保する観点から、開設前や定期更新時に行政が確認を行う主旨には一定の理解ができる。特定施設入居者生活介護と比較して、従来の住宅型有料老人ホーム等は行政の目が届きにくい構造にあったことは否めないからだ。
しかし、従来の届出制から、基準を満たさなければ参入や事業継続が困難となる登録制への移行は、運営環境を大きく変える実質的な規制強化だ。現在、全国に約1万7000棟存在する有料老人ホーム(サ高住除く)は、要介護者を支える重要な受け皿となっている。
過度な規制強化によって経営体力のある大手しか残れない構造に陥れば、その地域基盤を損なう恐れもある。国には、十分な移行期間や経過措置の設定を講じてもらいたい。
現行の「設置運営標準指導指針」に沿って真面目に運営してきた事業者がスムーズに移行できるよう、登録基準の設定にあたっては、住宅型有老ホームが特定施設や介護保険施設とは異なる「住まい」であることを前提とすべきだ。施設系と同等の一律な基準を適用することは、特に地方や中小事業者の経営を強く圧迫する懸念がある。
具体的には、職員の常駐や必置義務、利用者数に対する直接的な人員配置基準が一律に課されるべきではないと考える。外部サービスの活用も含めたサービス提供実態や、協力医療機関・訪問看護等との連携などの「対応体制」を基準として求めるのが現実的だろう。
特定のサービス利用を入居条件とするような「囲い込み」や、無計画な運営による事業撤退などを防ぎ、入居者保護や最低限の質を担保する観点から、開設前や定期更新時に行政が確認を行う主旨には一定の理解ができる。特定施設入居者生活介護と比較して、従来の住宅型有料老人ホーム等は行政の目が届きにくい構造にあったことは否めないからだ。
しかし、従来の届出制から、基準を満たさなければ参入や事業継続が困難となる登録制への移行は、運営環境を大きく変える実質的な規制強化だ。現在、全国に約1万7000棟存在する有料老人ホーム(サ高住除く)は、要介護者を支える重要な受け皿となっている。
過度な規制強化によって経営体力のある大手しか残れない構造に陥れば、その地域基盤を損なう恐れもある。国には、十分な移行期間や経過措置の設定を講じてもらいたい。
現行の「設置運営標準指導指針」に沿って真面目に運営してきた事業者がスムーズに移行できるよう、登録基準の設定にあたっては、住宅型有老ホームが特定施設や介護保険施設とは異なる「住まい」であることを前提とすべきだ。施設系と同等の一律な基準を適用することは、特に地方や中小事業者の経営を強く圧迫する懸念がある。
具体的には、職員の常駐や必置義務、利用者数に対する直接的な人員配置基準が一律に課されるべきではないと考える。外部サービスの活用も含めたサービス提供実態や、協力医療機関・訪問看護等との連携などの「対応体制」を基準として求めるのが現実的だろう。
登録施設介護支援、外部ケアマネの敬遠を懸念
新設される登録施設介護支援を巡っては、ケアマネジメントの中立性確保が掲げられる一方、現場実務における混乱が懸念されている。
特に同サービスでは、入居者へのケアマネジメントに加え、給付サービスとして「地域生活相談」の提供が求められる。ただ、現段階で具体的な内容は示されていないため、ホームが従来から独自に実施してきた生活相談との区別はまだ曖昧だ。入居者への説明や運用で混乱を招かないよう、制度上の十分な整理が必要になる。
また、利用者負担が導入されることにより、外部の居宅介護支援事業所が集金や事務手続きの負担を懸念して住宅型ホームへの関与を敬遠する事態になれば、利用者の選択肢が狭まり、必要なケアプランが作成できなくなるリスクも生じる。
さらに現行の同一建物減算に加え、新類型の報酬まで低く抑えられれば、外部居宅の参入見送りや撤退に直結する。利用者本位のケアマネジメントが実現できるよう、適正な報酬水準を守るべきだ。
(シルバー産業新聞2026年8月10日号)
特に同サービスでは、入居者へのケアマネジメントに加え、給付サービスとして「地域生活相談」の提供が求められる。ただ、現段階で具体的な内容は示されていないため、ホームが従来から独自に実施してきた生活相談との区別はまだ曖昧だ。入居者への説明や運用で混乱を招かないよう、制度上の十分な整理が必要になる。
また、利用者負担が導入されることにより、外部の居宅介護支援事業所が集金や事務手続きの負担を懸念して住宅型ホームへの関与を敬遠する事態になれば、利用者の選択肢が狭まり、必要なケアプランが作成できなくなるリスクも生じる。
さらに現行の同一建物減算に加え、新類型の報酬まで低く抑えられれば、外部居宅の参入見送りや撤退に直結する。利用者本位のケアマネジメントが実現できるよう、適正な報酬水準を守るべきだ。
(シルバー産業新聞2026年8月10日号)


