話題

ねんりんピック新聞 2025in岐阜 インタビュー ダンススポーツ

ねんりんピック新聞 2025in岐阜 インタビュー ダンススポーツ

相手の動きを予測
流れるように踊る
東京都大田区 
田中克典さん(60)・小山美香子さん(63)

 田中さんがダンススポーツを始めたのは42歳の時。海上自衛隊に所属し護衛艦の乗組員として日本・世界各国を巡りながら、乗組員と共にバンドを組み、停泊した港で開催される演奏会などで披露していた。海外の港で演奏会を行った時に、海外の乗組員がパートナーの女性をエスコートして踊り始めた。「その女性がとてもにこやかで、紳士的にダンスに誘う姿がかっこよかったことがとても印象に残っていました」と振返る。国内の港に長く停泊する機会があり、その地域のダンス教室にも参加した。その後、ラテン部門の九州チャンピオンにも輝くなど、選手としての道を歩んでいる。

 小山さんは、20代の時に訪れた香港のディナークルーズで、現地の人にダンスに誘われたのが興味を持ったきっかけ。「当時は踊れず断ってしまった、それが本当に悔しくて…それからダンスをやろうと決めました」と話す。
30代の時に同じ会社の社員を誘って本格的にダンスをスタートした。「始めてみると想像以上の難しさに驚きました。約10年前にパートナーを探していると『ラテンのチャンピオンだった人が横須賀に来るらしい』と知人から教えられ、田中さんとペアを組むことになりました」(小山さん)

 ダンスのペアは▽身長差▽年齢差▽体力▽ダンスのレベル▽プロか趣味かなど、目指す方向性▽体形▽練習頻度――など様々な条件がマッチしないと長く続かない。ダンスのペアを見つけるのは結婚するよりも難しいとも言われている。
 現在、田中さんと小山さんは互いの勤務後に練習を行い、毎月全国のダンススポーツ大会に出場。数多くの賞を獲得してきた。選手としての活動のほか、2人ともダンススクールで指導を行う。
 ねんりんピックのダンススポーツでは、スタンダード(ワルツ・タンゴ)やラテン(チャチャチャ・ルンバ)の種目があり、その技術を競い合う。審査員は▽技術的な質の高さ▽音楽に対するムーブメント(動き)▽2人の調和性▽振付と演出―などをチェックする。

 田中さんは「ムーブメントの美しさは特に意識しています。流れるように綺麗に踊りながら、女性にも気持ちよく踊ってもらえるようなリードを心掛けています」と話す。
 ダンススポーツでは、男性がリードしてその動きに女性も合わせていくのが基本。そのため、お互いの意思疎通が大切となる。「男性の動きについていっているだけのように見えますが、相手の次の動きを予測して動きながら、自分の魅力を審査員と観客にどうやったら見せられるか考えるのはとても大変です。息を合わせるためにも何度も練習を繰り返してきました」と小山さん。
 初出場のねんりんピック。二人は「勝利を目指すのはもちろん、チームの仲間と共に出場できるのが何よりも楽しみ。勝負事だけれど、互いに交流できたらうれしいです」と意気込む。

関連する記事

2024年度改定速報バナー
web展示会 こちらで好評開催中! シルバー産業新聞 電子版 シルバー産業新聞 お申込みはこちら

お知らせ

もっと見る

週間ランキング

おすすめ記事

人気のジャンル