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ねんりんピック新聞 2025in岐阜 インタビュー ディスクゴルフ

ねんりんピック新聞 2025in岐阜 インタビュー ディスクゴルフ

ともに遊び教える
障がい者スポーツを開拓
関市 蔵澄孝治さん(73)

 NPO法人ささゆりが運営する障害福祉サービス事業所あゆみ館は、今大会でディスクゴルフの競技会場となる南山公園から車で10分ほどのところ。理事長の蔵澄孝治さんは「グループホームの利用者が応援に来てくれたら心強い」と顔をほころばせる。
 回転させながら投げる円盤・フライングディスクを使う種目は、的への命中率を競う「アキュラシー」やディスクの飛距離で勝敗が決まる「ディスタンス」など11種類。うちディスクゴルフは18 ホールをまわり、バスケット型のゴールにディスクを入れるまでの投数を競う。

 定年退職後に同法人を立ち上げるまで、蔵澄さんは障害者施設でスポーツを教える職に就いていた。ある日名古駅で偶然フライングディスク協会のブースを目にし、小牧市のディスクゴルフ場を訪問。ディスクを投げてゴールに入れるシンプルな競技に「これなら障がい者も一緒にできそうだ」と感じ、すぐに同協会で公認指導者の資格を取得した。その後は県障害者フライングディスク協会を設立し、ディスクゴルフ大会の主催や後進育成など、岐阜県における競技の発展に影響を与えている。
 「指導というより一緒に遊んでいた感覚」と話すが、気づけば競技歴は40年超。月に2回行う障がい者選手への強化練習でディスクの握り方やゴールの狙い方を指導したり、今年の全国障害者スポーツ大会に監督として同行するなど、指導者としても第一線で活躍している。

 自身が大会に出場するのは久々。ディスクゴルフは普段教えている種目とディスクの重さや投げ方が異なるが、「自転車と同じで1回やればコツは忘れない」とブランクを物ともしない。
 同競技では、アキュラシーの正確性とディスタンスの遠投力の両方が求められる。例えばゴールの手前に木があった場合、▽迂回するように数投に分けて徐々に近づく▽大きく弧を描いて一気に回り込む▽力強く投げて枝の間を突き抜ける――など、自分の力量に合ったアプローチをする判断力も必要だ。「少しずつ距離を詰めれば最後は確実にゴールに入るが、それでは面白くない。難易度の高い距離からチャレンジするスリリングな感覚を楽しみたい」と、大胆にゴールを狙う。

 フライングディスク競技の魅力を「年齢や障がいの有無にかかわらず、ディスクさえ投げられれば誰でもできる。ハンデはいらない」と語る蔵澄さん。チームのほとんどが初心者といえど、勝負の行方は分からない。
 いつもは選手たちに「おめでとう」を伝える立場だが、今回は自分自身がメダルを手にし、多くの祝福を受けることを心待ちにしている。

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