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福祉用具国民会議 署名21万9461筆 【福祉用具給付の動向】

福祉用具国民会議 署名21万9461筆 【福祉用具給付の動向】

 福祉用具の利用者や事業者、研究者らでつくる福祉用具国民会議は9月20日、政府が次期介護保険制度改正(2018年4月施行予定)で、軽度者に対する福祉用具・住宅改修などの給付抑制を検討していることに対し、現行制度維持を求める署名約22万筆を、厚生労働省に提出した。

「原則自己負担」案の浮上

 次期介護保険制度改正では、昨年6月30日に閣議決定した「骨太の方針」の中で、軽度者に対する給付や利用者負担の見直しを検討する方針が打ち出されている。
 具体的には、要支援1~要介護2までの福祉用具貸与・住宅改修、生活援助サービスについて、「原則自己負担」(一部補助)の形に切り替えることなどが検討され、年内に結論を得ることとしている()。

現行制度の維持に向けて

 こうした政府方針に対し、福祉用具国民会議では、現行制度の維持を求める活動を展開。9月20日までに福祉用具の利用者・家族らを中心に21万9461筆の署名が集まった。
 また今年6月23日には「どうする!介護保険制度の大改定」と題した公開討論会を日比谷野外音楽堂で開催。782人が集まり、さまざまな視点から福祉用具の必要性を訴えた。

今年6月に日比谷野音で開催された同会議。782人が参加し、利用者らの声に耳を傾けた

要望書 厚生労働省に提出

 署名提出当日は、大阪府豊中市在住で福祉用具を利用しながら自立した生活を送っている友田淳子さん(88歳、要介護1)、元朝日新聞論説委員で国際医療福祉大学大学院教授の大熊由紀子さんらが厚労省へ赴き、署名と要望書を手渡した。
 要望書には、福祉用具は ▽要介護度重度化を改善できる▽自立支援・介護者の負担減が実現できる ▽介護保険サービス全体の給付費用削減に貢献できる ――などのメリットが書かれ、軽度者に対する給付の見直し方針を再考するよう求めている。
 日本舞踊姫流の家元でもある友田さんは、大腿骨を骨折したものの、もう一度踊りたいという一念で、リハビリに励んだ。生きがいを保ち続けられたのは、手すりや歩行車などを使いなんとか一人でも自立して生活し続けられたからだという。「今日できることが、明日は出来ないとなれば、意欲もなくなってしまいます。そうなったら寝たきりになるのは確実です。今の生活を保たせてもらいたい」と訴えた。
 署名を受け取った厚労省老健局高齢者支援課の佐藤守孝課長は「上手く自立支援出来るような形で、対応を考えていけたらと思う」と答えた。
 署名を受け取る佐藤守孝高齢者支援課長(右)

 署名を受け取る佐藤守孝高齢者支援課長(右)


(福祉用具の日しんぶん2016年10月1日号)

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